8月のある朝、庭に面した茶の間のガラス戸を開けると、
何と酒の香りがいっぱいに広がってくるではありませんか。

庭の花壇を見ると、そこの土を何やら白いカビがいっぱい、覆っています。花壇のアルコール発酵白いカビに覆われた花壇→この写真の段階では麹菌はだいぶ目立たなくなり、酵母菌のアルコール発酵が始まっていました。茶色の土の中に見える白い粒粒はお米。

 

実は何日か前、この花壇にお米を撒いておいたのです。
何でそんなもったいないことをしたのかというと、食べずに残っていた
お米を紙袋に入れたままにしていたら、たくさんの虫がわいてしまって
いたのです。

生ごみとして、捨てるにしても、もったいないので、花壇の肥料になればと
思い、撒いておいたのです。(僕が子供の頃、「祖母からお米を粗末にすると
目が潰れる」と聞いたことがあります。そんなこと皆さんは聞いたことがありますか)

さて、そうこうして、雨が降った日の翌日、良く晴れた朝でしたが、花壇が真っ白に細い綿のような
カビで覆われていたんですね。

これが、あとから考えると麹菌(麹カビ)だったんです。雨の水分と真夏の朝の温度とが
ちょうど上手くマッチして、花壇に撒いたお米に麹菌が大繁殖していたんです。

この時点では、まだお酒の香りはしていませんでしたので、何か腐敗菌が繁殖したのかと
思っていたのですが、翌日に庭がお酒の臭いでいっぱいに!

麹菌が、お米のでんぷんを分解してブドウ糖にし、そこに酵母菌が現れて、
今度はそのブドウ糖を食物にしてアルコール発酵していたんですね。

人類が酒を見つけたきっかけは、土器に入れておいた木の実や穀物が自然にアルコール発酵
したものだと、子供の頃読んだ記憶がありますが、その通りのことが花壇のお米で起きた
ことが実に興味深いことでした。

今日のなるほど

お酒造りについて…ごく簡単に。
1 まず、麹菌と酵母菌は別物です。
2 麹菌と酵母菌は自然界のいたるところにいます。
我が家の庭にもいました。
3 お米は「でんぷん」でできています。
でんぷん…ブドウ糖がたくさん結合してできた高分子化合物
4 その「でんぷん」を麹菌は分解(発酵)して、ブドウ糖にします。
この段階でこの「米麹」を食べてみれば少し甘いです。ただし、ブドウ糖ですので
砂糖(ショ糖)ほど甘くはありません。
5 麹菌の作ったブドウ糖を食べ物として、今度は酵母菌がアルコール発酵を行い、
ブドウ糖をエタノール(飲用のアルコール)にします。

ここで、目でたく、酒だ~酒だ~!

酒蔵の杜氏の皆さんは、この麹菌や酵母菌の繁殖バランスや温度の管理を経験も踏まえ、
見事にやってのけるんですね。

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