福井県敦賀市にある日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉がやっと正式に決

まりました。

ここまで浪費を続けて、やっと廃炉かという思いです。

「もんじゅ」の経過。高速増殖炉とは何?普通の原子力発電と何が違うの?

高速増殖炉『もんじゅ』は、なぜ危険な金属ナトリウムを使うのか

 

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高速増殖炉もんじゅは、1994年4月5日に初臨界に達してから、今年で22年が経ちまし

た。

ところが、その間、たびたびの人為的ミス・事故が重なり、この22年間で運転できたのは、わ

ずか250日しかありませんでした。

こんなことで、研究の進展や技術進歩があったと言えるでしょうか。

 

高速増殖炉というのは、簡単にいうと、燃えるプルトニウムと燃えないウラン238を一緒にし

て燃やすと、その灰(死の灰)の中にある燃えないウラン238が、燃えるプルトニウム239に

変化するというものです。

その結果、燃やしたプルトニウムの量より、新しく生成したプルトニウムの方が多くなるという

夢の原子炉というわけです。

 

さて、「もんじゅ」は、設計上、電気出力28万キロワットの能力でしたが、一度もフル出力の

運転はできませんでした。

これまで1兆円超の国費を投じてきたのに、事故や不祥事で運転実績は上記のとおりです。

結局、「もんじゅ」は科学的にも政治的にも迷走を続け、「安定した発電の技術的な実証」とい

う原型炉の使命を果たせぬまま、今日に至っています。

稼働できなかった最大の原因は、初臨界から1年8カ月後の1995年12月に起きたナトリウ

ム漏れ事故で、金属ナトリウムが漏れ出た後の施設内の映像は衝撃的でした。

個人的には、溶融状態の金属ナトリウムが頭上のパイプの中を流れているような施設は恐ろしく

て、働きたくない環境ですね。

米粒くらいのナトリウムでも、試験管の中で水に触れると、発火、爆発します。

この時の事故は、出力40%段階の試運転中に、冷却系配管の温度計の「さや管」1本が

折れ、ナトリウムが漏れて出火しました。

この際、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の作った事故現場のビデオが都合の悪い箇所を削除

したりしていて、動燃の虚偽の報告等が社会から大批判を浴びました。

そのあと、15年もたってやっと、2010年に運転を再開することができたが、すぐに故障。(運転再開して3か月後)
 

これでは、研究が前進しているなんて全く言えません。

22年もかけて巨額の税金をつぎ込んだのに、端的にいえば22年前と同じ状況です。

溶融した金属ナトリウムを循環させるパイプの素材やジョイント部分は改良されているのでしょ

うか。

ただ、改良されていたとしても、ジョイント部分なんかは、基本的に常に液体や気体は漏れ安い

場所ですから、ナトリウム漏れは二度とないなんてことは誰もいえません。

 

水蒸気漏れなら、なんとかなるでしょうが、ナトリウムがもれたんではどうにもなりません。

 

ところで、さらに驚いたのは、もんじゅを廃炉にしても、「もんじゅ」に代わる新しい高速炉

開発をさらに続けていくということです。

しかもですよ。

高速炉の開発は「実験炉」→「原型炉」→「実証炉」→「実用炉」の順で技術を獲得していくん

ですが、「もんじゅ」の開発は、このうちの「原型炉」であったにも関わらず、22年かけても

ほとんど止まったままという体たらく。

この原型炉が、延べ250日しか運転できなかったのにですよ。

新しい高速炉は、どうも一段上の「実証炉」にするらしい。

事故を必ず起こすでしょうね。

「もんじゅ」ではこうだったけど、新しい「実証炉」は大丈夫だなんて誰が言えるんでしょう

か。

ところで、新しいやつをどこに建設するかは、まだ決まっていないようです。

でも福井県知事や敦賀市長さんが、今回のもんじゅ廃炉の件で国に抗議しているので、福井県に

新しいのを作りたいのかな?

ドイツはもちろん、アメリカやイギリスも高速炉から手を引いているのに、

困ったことです。

もんじゅ廃炉決定=核燃サイクルの中核―高速炉開発は続行・政府
時事通信 12/21(水) 13:49配信
政府は21日、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉を正式に決定した。

同日午後の原子力関係閣僚会議で「不確実性の伴う原子炉としての運転再開はせず、今後廃止措置に移行する」と明示した。使用済み核燃料の再利用を目指す核燃料サイクル政策は維持し、もんじゅに代わる高速炉の開発を続ける。

もんじゅは核燃料サイクルの中核施設で、1兆円以上が投じられながら十分な成果を出せず、廃炉になる。政府は高速炉開発の継続を掲げるが先行きは不透明で、原発政策の行き詰まりが鮮明となった。

政府は将来の高速炉開発に必要だとして、原子力機構がナトリウムなどの取り扱いについて、もんじゅを活用した研究を実施する方針も示した。また、フランスが開発中の高速炉「ASTRID」に協力し、知見を得るという。

松野博一文部科学相は記者会見で、もんじゅが期待された成果に届かなかった責任のけじめとして、約5カ月分の大臣給与、賞与を自主返納することを明らかにした。

一方で、運転実績が最高でも出力40%にとどまったことについて「私自身は一定の成果だと考えている」と述べた。

もんじゅは1994年に初臨界を達成したが、95年にナトリウム漏れ事故を起こすなどトラブルが相次ぎ、運転は250日にとどまっていた。運転再開には新たに5400億円以上が必要で、政府は「得られる効果が経費を確実に上回るとは言えない」と判断した。

ただ、廃炉には約30年で3750億円以上かかると試算されているほか、原子炉の冷却に使ったナトリウムや使用済みのウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の処理など、未解決の課題が残る。原子力機構は来年4月、廃炉に向けた新たな体制を示す。

廃炉決定に先立ち、政府は21日午前、もんじゅ関連協議会を文科省で開き、福井県の西川一誠知事に改めて理解を求めた。西川知事は終了後、記者団に「容認はしていない」と述べた。

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