水道水には殺菌剤が含まれています。

水道水は河川・湖沼等から取水しますので、生活汚水や細菌類が混ざっており、それらを除去、殺菌する必要があるのです。

 

殺菌剤には、塩素(Cl)を使っています。

水道水の塩素濃度基準はどうなっているの

世界保健機構(WHO)の塩素濃度ガイドラインでは、「5mg/L」以下となっています。
これは、体重60kgの人が生涯にわたって、1日に水道水を2リットルづつ飲み続けても健康に影響が生じない濃度とされています。

ただ、この「5mg/L」という数値をWHOがどのようなデータを基に算出したかはわかりません。WHOが公表しているデータということで、一応信じていきましょう。

単位mg/Lは、水1リットル(L)当たり、何mgの塩素が含まれているかを示す単位です。m(ミリ)千分の1を表す単位です。

ですので、「5mg/L」とは、1Lの水道水中に0.005gの塩素が入っているということです。

この数値をどう見るかですが、毎日飲むことを考えると、多いような気もしますが?

このWHOの数値は上限ですので、実際はどうなっているのかというと、千葉県水道局のホームページを見ると、水道水(蛇口)での平均濃度は、0.6mg/L(平成25年度の平均値)だということです。

塩素自体は気体であり、水道管を流れている間に水から抜け出していきますので、蛇口から水道水が出てくるときにどれだけの塩素濃度があるか(残留塩素)が問題となります。

 

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塩素で消毒する必要性

前述しましたが、河川の水には雑菌や病原菌が含まれている可能性がありますから、衛生上、消毒する必要があります。

水の少ない気候風土の発展途上国では、そんなこと言ってられませんから、汚れた河川の水を住民がそのまま飲んでおり、公衆衛生上、大きな課題があることが、よく報道されます。

消毒液に塩素を使う理由

塩素は消毒効果が大きく、かつ安価で大量の水を簡単に消毒でき、その効果が長く持続します。このことから、水道水は塩素で消毒することが義務付けられています。

消毒効果を維持するために残留塩素の濃度は一定以上にしなければなりません。

水道法により給水栓(蛇口)から出る水道水中の塩素(残留塩素)の濃度を、0.1mg/L以上確保することと定められています。

水道管を流れる水の塩素濃度は一定ではありません。

消毒用塩素を注入する水道施設に近い住宅地ほど塩素濃度は高く、遠ざかるほど塩素濃度は低くなります。

したがって、配水管路の末端や水が滞留しやすい場所では、残留塩素濃度が低くなるので、塩素濃度の高低を抑えるため、塩素の注入拠点を何か所かに設定します。

塩素消毒のために実際にはどんな薬品を使うか

「消毒用」の塩素薬品としては「水道用次亜塩素酸ナトリウム」、「液体塩素」を使います。

次亜塩素酸ナトリウムとは

NaClOという化学式であらわされます。

次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)は水(H2O)と反応して、次亜塩素酸(HClO)と水酸化ナトリウム(NaOH)になります。

NaClO + H2O ⇔ HClO + NaOH 

この次亜塩素酸(HClO)が、水と反応して、原子状態の酸素を発生して強い殺菌作用を示すのです。
HClO + H2O ⇔ HCl + (O)

上式のように原子状の酸素(O)が発生して、これが強い酸化作用を示します。

液体塩素とは

塩素Clを液化したものです。

塩素は液化しやすい気体で、常圧でもマイナス45℃で、液体塩素になります。

もっと高圧(約10気圧)にすれば、常温で液化します。

この塩素を水に溶かすと、塩素水となり、やはり次亜塩素酸(HClO)を生成します。

Cl2 + H2O ⇔ HCl +HClO

 

水道水に混ぜる塩素以外の薬品

まず、凝集用の薬品「水道用ポリ塩化アルミニウム」を使っています。

「凝集用」薬品とは、河川等の「原水」に含まれるゴミや微細な「にごり成分」を固めて(凝集させて)、沈殿させるための薬品です。

「凝集用」薬品は、処理過程で施設の沈殿槽に沈殿させて除去しますので、「水道水」に含まれることはありません。

 

「その他」の薬品としては、「オゾン」や「活性炭」を使います。

これらは、通常の凝集沈殿・ろ過処理では取りきれないにおい等を除去するために使います。

オゾンには強い酸化作用、活性炭には強い吸着作用がありますので、有害な物質やかび臭などの「におい物質」を除去するのに効果があるのです。

もちろん、「オゾン」は浄水場の中で分解されるし、「活性炭」は処理過程で除去しますので、「水道水」に含まれることはありません。

水道水は飲んでも大丈夫

このように水道水は人間の飲料に適するように消毒していますので、飲んでも大丈夫です。塩素が嫌だといっても、川の水を直接飲むわけにはいきません。

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