放射性炭素C14からどのようにして過去の年代がわかるのでしょうか。

 

1 まず、前提として、地球上の多くの元素は同位体(アイソトープ)を持っています。

同位体とは、同じ元素(原子核内の陽子の数が同じ)でありながら、
原子核内の中性子の数が違っているものどうしのことを言います。

自然界の多くの元素が同位体をもっており、炭素には主に、C12(炭素の約99%)と
C13(約1%)という同位体があり、これら以外にほんのわずかですが、C14という
同位体をもっています。

C12とは、原子核内の陽子数は6個、中性子数も6個の炭素原子です。

質量数=陽子数+中性子数ですから、この炭素を質量数12の炭素と言います。

同様に、C13は原子核内に、陽子6個と中性子7個をもっていますので、
質量数は13です。

 

2 放射性同位体C14について

ところで、炭素の仲間には、C12、C13以外に、
質量数14の炭素原子C14がほんのわずか含まれており、
この炭素原子は原子核が不安定で、自然に壊れていくのです(原子崩壊)。

したがって、C14は放射性同位体であり、現存するC14が自然に
原子崩壊して、その当時に存在した量の半分になるまでの時間を
半減期と言います。

この半減期は各放射性元素において一定の年数であることが
わかっており、
C14の半減期は5730年、
U235の半減期は7億年
Pu239の半減期は24000年です。

 

3 C14の半減期を利用して年代を測定

さて、空気中の炭素C14は壊変して(ベータ崩壊して)、チッ素N14になります。

崩壊と聞くと、原子核が壊れるイメージがあるので陽子数は小さくなるように
思いますが、ベータ崩壊は原子核中の中性子が陽子と電子と反ニュートリノに転換する
反応ですので、陽子数が1個増えて、原子番号が1つ大きい原子になります。
(原子番号6番のC→7番のN)

放射性核種がβ線を放出して自然崩壊する過程をいう。 β線は電子より成るから,β崩壊によって,もとの原子核は原子番号が1だけ大きく,質量数が同じ原子核に転換する。 β崩壊は原子核中の中性子が陽子,電子および反ニュートリノに転換し,陽子は原子核内にとどまり,電子と反ニュートリノとが原子核外に放出される現象である。…コトバンク

ところで、このN14に宇宙線(宇宙からやってくる高エネルギー粒子)が当たると
C14になります。
(宇宙線が大気を構成している原子と衝突して中性子をはじき出し、
その中性子がN14の原子核の陽子をはじき出してC14となる)

そして、現在は、C14がN14になる速さと、N14がC14になる速さが
同じ(平衡状態)になっていますので、自然界のC14の存在量は一定ということに
なります。

したがって、生物が生きておれば、外界と炭素の交換をしていますので、
生きている限り生物の体内のC14の濃度は、大気とほぼ同じになるはずです。

ところが、生物が死ぬと外界との炭素の交換がなくなりますので、
死んだ瞬間からC14を体内に取り込むことができず、
死んだ時点で体内に存在していたC14は原子崩壊で
どんどん減っていくことになります。

そこで、資料にもともと含まれていたC14の含有量がわかれば、
現在の資料のC14の含有量と比較することで、何年前の資料かが
わかります。

例えば、もともとの量の半分しかなければ半減したわけですから
半減期の5730年経っていることになります。
また、1/4になっているのなら、半分の半分、すなわち5730年×2の
11460年経過していることになります。

 

4 では、試料にもともと含まれていたC14の量(初期値)はどのようにして知るのでしょうか。

試料に含まれていたC14の量(初期値)はどのように
して知るかというと、大気中のC14の濃度は前述したように
平衡状態にあるので、時代を通して一定であったとみなすのです。
したがって、過去の大気中のC14の濃度は、現在のC14濃度から
うかがい知ることができます。

もちろん、完全に一致していることはないので、研究者は各種の補正手段を
講じてできるだけ正しい値に近づけようとしています。

※現在は、「実年代」が測定できる試料を元にして、補正データを
作成しています。

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