このたび、2年前の硫化水素中毒とみられる事故が明らかになりました。
なんで、2年も前の事故が今、ニュースになるの?

 

温泉で硫化水素中毒か 男性客が意識不明に

北海道足寄町の温泉施設(休業中)で平成26年10月、入浴中の男性客が意識不明となる事故があったことが20日、環境省への取材で分かった。硫化水素中毒とみられる。同省が昨年9月に行った調査では、浴室内の硫化水素濃度が最大で国の基準の19倍だった。

環境省によると、国が昭和50年に定めた基準では、硫化水素濃度は浴槽の湯面から上方10センチで20ppm、浴室の床から上方70センチで10ppmを上限とし、十分に換気することなどを求めている。

温泉に含まれる硫化水素を空気に触れさせて濃度を抑えるため、涌出口の位置を湯面より上部に設けるべきだったが、この施設では浴槽の底にあったといい、環境省は「基準に合致しておらず、利用状況によっては硫化水素濃度が高かった可能性がある」と原因について説明している。

今日のなるほど

硫化水素の性質

1 分子式はH2S(本来、数字2は、Hの右下に小さく書きます)
つまり、H原子2個と、S原子1個が結合してできている分子です。

2 したがって、硫化水素の分子量は34(H=1、S=32)となります。

3 空気の平均分子量は28.8ですので、空気より重い気体です。

4 したがって、火山地帯の谷あいとか窪地に足を踏み入れると、硫化水素は空気より重いので空気を押しのけて谷の底にたまっており、人間は中毒を起こすのです。

5 臭いは、よく言われるのが「卵の腐った臭い」です。私は腐った卵の臭いを嗅いだことがありませんので、「温泉に入ったときの臭い」と言う方がわかりやすいと思います。温泉のあの独特の臭いは硫化水素の臭いがメインです。

6 毒性は、微量でも吸ったら即死というわけではないですが、空気中の硫化水素濃度が一定以上になると、非常に危険です。高校の化学実験でも扱う気体ですので、実験室に硫化水素の臭いが広がるくらいでは、問題ありませんよ。

2年前の事故は、記事に「温泉に含まれる硫化水素を空気に触れさせて濃度を抑えるため、涌出口の位置を湯面より上部に設けるべきだったが、この施設では浴槽の底にあったといい、・・・・」とあるように、涌出口の位置が浴槽の底にあったので、湯と一緒に運ばれてきた空気より重い硫化水素が浴槽の下から上にと層状に蓄積していったのですね。

以上、「なるほどブログ」でした。

 

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