「もんじゅ」の廃炉方針が決定されました。
これまでの経過(「もんじゅ」の経過。高速増殖炉とは何?普通の原子力発電と何が違うの?
をみると大方の国民は、「もんじゅの廃炉」については
ホッと胸をなでおろしているのではないでしょうか。

 

もんじゅ廃炉方針 「30年協力してきたのに」地元・敦賀は困惑
産経新聞 9月21日(水)23時11分配信

政府が21日、原子力関係閣僚会議を開き、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について「廃炉を含め抜本的な見直し」を表明したことについて、地元からは不信や困惑の声が上がった。

「もんじゅは研究開発のための原型炉。技術を確立させずに廃炉にしては後世にツケを残すだけで、何にもならない」。敦賀市の建具会社社長、堤利市さん(67)はこう憤った。

もんじゅの廃炉が決まり、稼働可能な原発がゼロの状況に陥れば、地元経済の悪化や税収面への影響が懸念される。書店経営の石黒順二さん(71)は「廃炉にするなら地元の要望を反映した地域振興策を示してほしい」と訴えた。

同市の渕上隆信市長は21日夜、市役所で報道陣に対し「日本を豊かにする核燃料サイクルを担っているという誇りを持って応援してきた。それが簡単に変わるのか強い怒りを感じる。地元の意見は何も聞いてもらえなかった」と、もんじゅの存続を強く要望。福井県議会も同日、「核燃料サイクルの推進には高速炉の研究開発は不可欠で、長期的視野に立ち、覚悟を持って取り組む必要がある」とする意見書を可決した。

一方で「ほとんど動いた実績がないのに、1兆円超がつぎ込まれてきたのは異常。廃炉にかじを切るのは当然だ」(敦賀市の自営業男性)と突き放す声もあり、地元の複雑な事情がうかがわれる。

 

ところが、記事にあるように、地元市長は廃炉方針に反対しました。地元の人たちにとっては、政府のこの方針は、直接、自分たちの生活に関わってくる切実な問題なわけです。「もんじゅ」の年間維持費200億円の恩恵にあずかっているので、「もんじゅ」の本質的なリスクはわかっていても、廃炉に簡単には賛成できないのです。

自分の会社がそこに資材を納めていたり、自分が「もんじゅ」に雇用されていたら、「もんじゅ廃炉」を容認できないですよね。
「背に腹は代えられない」ということです。

一方、「もんじゅ廃炉」が自分の経済的基盤に直接、関係しない人は、「もんじゅ」そのものの意義・リスクを考えて判断できるはずです。
市民の1人は「ほとんど動いた実績がないのに、1兆円超がつぎ込まれてきたのは異常。廃炉にかじを切るのは当然だ」と語っていますが、大方の国民の意見も同様ではないでしょうか。

現在、先進国の米国もドイツもフランスも長年の失敗続きで、基本的には「高速増殖炉」から撤退したのに、なぜか、日本だけが開発を続けようとしています。既に1兆2000億円もの税金を「もんじゅ」に投じながら、運転開始後、20年間にたった250日程度しか稼働していないというのに。

敦賀市民の「技術を確立させずに廃炉にしては後世にツケを残すだけで、何にもならない」という御意見はもっともなようですが、ギャンブル依存症に似た考えではないでしょうか。
博打で「今までこれだけつぎ込んで損をしているのに、ここで止められるか」と言っているのと同じに聞こえます。博打の丁半の確率は50%ですが、「高速増殖炉」の成功確率は、果たして50%と言えるでしょうか。
これまで、何十年もかけて世界中の科学者が失敗してきたのに、「高速増殖炉」推進派のみなさんの自信はどこから来ているのでしょうか。推進派の皆さんの説得力のある科学的・合理的な説明をお聞きしたいです。

「やってみなきゃわからない。探してみなきゃわからない。」と言って、アマゾンの奥地で3mの巨人を探し続けるようなことをするでしょうか。

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