驚きのニュースがありました。

廃炉が決まっている高速増殖原型炉「もんじゅ」が、廃炉を想定しない設計になっていたと

いうのです。

原子力発電は、燃料のウランを核分裂させる際に発生するエネルギー(熱)を利用するので

すが、その熱を取り出す必要があります。

原子炉内で燃料の放射性原子が核分裂した際に生じる熱を金属ナトリウム(Na)に

バトンタッチして、その金属ナトリウム(熱で溶けています)をパイプで運び、

その溶融状態の金属ナトリウムの熱で水を沸騰させ、発生した水蒸気圧でタービン(発電機)

を回しているのです。

 

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でも、この金属ナトリウムは水と激しく反応する金属で、空気中に放置すると、空気中の

水蒸気と反応して、水素ガスを発生しながらみるみる溶けていきます。

米粒大の金属ナトリウムでも、発生する水素ガスに反応熱で引火し、爆発(実験では、

ポンと音を立てて発火)します。

ですので、枝豆程度の大きさとなると、危なくて実験には使えません。

こんな危ない金属ナトリウムを高温で溶かしてパイプ中を流し、熱交換に使っているの

ですから、基本的に無理な状態です。

絶対に漏れない配管なんてないですよね。実際にナトリウム漏れの大事故が以前、

「もんじゅ」でおきました。

では、こんな危険な金属ナトリウムをなんで熱交換に使うのかというと

こちらの投稿をどうぞ。

高速増殖炉『もんじゅ』は、なぜ危険な金属ナトリウムを使うのか
「もんじゅ」の経過。高速増殖炉とは何?普通の原子力発電と何が違うの?

 

さて、廃炉が決まっている『もんじゅ』が、金属ナトリウムの抜き取りを想定していない

設計になっていたということがわかりました。

 

<もんじゅ設計>廃炉想定せず ナトリウム搬出困難
11/29(水) 6:40配信 毎日新聞
<もんじゅ設計>廃炉想定せず ナトリウム搬出困難

 廃炉が決まっている高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、原子炉容器内を満たしている液体ナトリウムの抜き取りを想定していない設計になっていると、日本原子力研究開発機構が明らかにした。放射能を帯びたナトリウムの抜き取りは廃炉初期段階の重要課題だが、同機構が近く原子力規制委員会に申請する廃炉計画には具体的な抜き取り方法を記載できない見通しだ。

 通常の原発は核燃料の冷却に水を使うが、もんじゅは核燃料中のプルトニウムを増殖させるため液体ナトリウムで冷やす。ナトリウムは空気に触れれば発火し、水に触れると爆発的に化学反応を起こす。もんじゅでは1995年にナトリウムが漏れる事故が起き、長期停止の一因になった。

 原子力機構によると、直接核燃料に触れる1次冷却系の設備は合金製の隔壁に覆われ、原子炉容器に近づけない。また、原子炉容器内は燃料の露出を防ぐため、ナトリウムが一定量以下にならないような構造になっている。このため1次冷却系のナトリウム約760トンのうち、原子炉容器内にある数百トンは抜き取れない構造だという。

 運転を開始した94年以来、原子炉容器内のナトリウムを抜き取ったことは一度もない。

 原子力機構幹部は取材に対し「設計当時は完成を急ぐのが最優先で、廃炉のことは念頭になかった」と、原子炉容器内の液体ナトリウム抜き取りを想定していないことを認めた。炉内のナトリウムは放射能を帯びているため、人が近づいて作業をすることは難しい。

 原子力機構は来年度にも設置する廃炉専門の部署で抜き取り方法を検討するとしているが、規制委側は「原子炉からナトリウムを抜き取る穴がなく、安全に抜き取る技術も確立していない」と懸念する。

 もんじゅに詳しい小林圭二・元京都大原子炉実験所講師は「設計レベルで欠陥があると言わざるを得ない。炉の構造を理解している職員も少なくなっていると思われ、取り扱いの難しいナトリウムの抜き取りでミスがあれば大事故に直結しかねない」と指摘する。【鈴木理之】

 【ことば】高速増殖原型炉「もんじゅ」
 プルトニウムとウランの混合酸化物を燃料に、発電しながら消費した以上のプルトニウムを生み出す原子炉。出力28万キロワット。原型炉は実用化までの4段階のうちの2段階目。1994年に運転開始したが、95年に2次冷却系のナトリウムが漏れる事故が発生し、長期運転停止。その後も点検漏れなど不祥事が相次ぎ、約250日しか稼働しないまま昨年12月に政府が廃炉を決めた。

 

放射能を帯びたナトリウムの抜き取り作業が、廃炉初期段階の重要な作業ですが、

日本原子力研究開発機構が原子力規制委員会に申請する廃炉計画には具体的な

抜き取り方法を記載することができないらしい。

こんな手の付けられない危険な施設を作ってしまってどうするんでしょうね。

その上、国は高速増殖炉から撤退するどころか、「もんじゅ」に代わる新しい高速増殖炉を

建設していく方針なんですよね。

事故・ミスの続いた「もんじゅ」!なぜ、政府は高速炉を推進するのか?

新しい高速増殖炉を建設するにあたって、一体どなたが自信を持って推進しているの

でしょうか。

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