先月、宝塚市の小5男子がヘビ・「ヤマカガシ」に噛まれて、一時意識不明になりましたが、

無事恢復することができました。

その治療には「ヤマカガシ」の血清が使われたんですが、その血清はどこにでもあるもので

はなく、唯一群馬県にある「へび研」にしか、なかったということです。

マイナー毒蛇「ヤマカガシ」から小5救った血清 開発したヘビ園が語る毒蛇対策の厳しい現実
最終更新:8/5(土) 12:24 withnews】

 

「へび研」の正式名称は、「日本蛇族学術研究所」と言って、群馬県太田市の観光ヘビ園、

ジャパンスネークセンターに併設されているそうです。

それで、この「へび研」の経費は、「へび研」が運営している「ジャパンスネークセンター」

の収益で、すべてまかなっているそうです。

大方の人はヘビは苦手ですから、「ヘビ園」に行く人ってほとんどいないと思うんですよね。

経営は大変のようです。

ヘビ園のホームページを見ると、サイト訪問者が1,341,274人です。

思ったより多いです。

 

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でも、この「へび研」は日本の毒蛇研究の重要拠点なんですね。

「ヘビ園」のホームページ

 

 

 

 

 

 

 

血清とは

血液は血漿成分(液体成分)と血球成分(赤血球、白血球、血小板)とに大別されます。

採決した血液をそのまま、試験管に入れて放置すると、血液の凝固作用で血球成分が凝固

して、血のり(血餅)ができて沈殿します。

その沈殿の上の淡黄色の上澄み液を血清といいます。

 

では、血漿と血清は共に液体成分ですが、何が違うのでしょうか。

血漿の成分は、水(90%)、タンパク質(約7~8%)、陽イオン、陰イオンなどの無機質

(0.9%)、糖質、脂質、尿素、尿酸、アミノ酸など(2%)です。

この血漿の中には、血液凝固に関係するタンパク質フィブリノーゲンやイオンが含まれてい

ますので、血のりができた後の血清には、血液凝固に関係する物質はもう、含まれていない

ことになります。

 

ですので、血清は、血液から血球成分と血液凝固に関係する成分を除いた残りの液体とい

うことになります。

 

マムシなど毒蛇の毒には、なぜ「血清」が効くのでしょうか。

血清とはどんなものかを上記で説明しましたが、ヘビ毒に効く血清はどうやってつくるの

でしょうか。

ヘビ毒に使う血清は、「抗毒血清」と言います。

ヤマカガシに咬まれると、ヤマカガシの毒が体内に入ってきますが、この毒(抗原)は当然、

人間の体内にないものですので、体の中でこのヘビ毒に対する抗体を作り、この毒を無毒化

しようとします。(抗原抗体反応)

しかし、人体の中で十分な量の抗体をつくるまでに、ヘビ毒が体中にまわって、人間が死ぬ

ことになるのです。

そこで、ヘビ毒に対する抗体を前もって作っておき、ヘビに咬まれた人に投与すれば、

その十分な量の抗体によってヘビ毒(抗原)を無力化させることができるのです。

 

では実際にはどうやって、「抗毒血清」をつくるのでしょうか。

まず、前もって、ヘビ毒を馬に投与し、馬の血液に抗体を作らせておき、この抗体入りの

馬の血清を保存しておくのです。

もちろん、馬に投与するヘビ毒は馬が死なない程度の量にしておきます。

人にヘビ毒を投与するわけにはいかないので、馬のような哺乳類を使うのです。

馬の血液にできたヘビ毒の抗体は、人に投与しても効果があるんですね。

 

抗体とは

抗体の実体は何かというと、たんぱく質です。

この抗体のたんぱく質がヘビ毒のタンパク質とぴったし結合して、ヘビ毒のたんぱく質を

無毒化するのです。

抗体と抗原が結合する関係(抗原抗体反応)は、錠(じょう)と鍵(かぎ)の関係に

たとえられます。

ヘビ毒(タンパク質)の分子構造は、ヘビの種類によって違っていますので、そのヘビ毒

(抗原)にピッタシあてはまる抗体の分子構造も当然、違ってきます。

ですので、マムシ毒に対する抗体とヤマカガシ毒に対する抗体は、分子構造が違っており、

ヤマカガシ用の抗体を作るためには、ヤマカガシの毒を馬に接種しなければならないのです。

 

アウトドア趣味に関する総合情報サイト』を見ると、ヘビ毒を馬に接種してから約半年

かけて馬の体内に抗体を作らせ、それから血清を採取するそうです。

また馬一頭から約300本ほどの抗毒血清を作ることができるとのこと。

 

こんなわけで、ヤマカガシの毒に対する血清(抗体)もすぐには作れないので、

それを作って保存していた「へび研」は、小5の男児の命の恩人ということです。

何はともあれよかったですね。ヽ(^o^)丿

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