素手で握る「おにぎり」を食べたいか、食べたくないかについて、最近、話題になることが

あります。

そんな「おにぎり」関連の話です。

おにぎりは「素手で握ると美味しくなるか?」

これは、間違いなく素手で握った方が、手袋で握ったおにぎりより美味しくなります。

ただし、その理由は、手の皮膚から旨味成分が出るわけではありません。

また、素手で握るときの「愛情やまごころが美味しくする」と主張する人がいますが、愛情や

真心がおにぎりを美味しくすことはありません。

コンビニに並んでいるおにぎりの味が、製造ラインに携わる人々の愛情に左右されることが

ないのと同様です。

ただ、大好きなお母さんが目の前で素手で握ってくれたおにぎりは、子供にとっては何より、

美味しいものとなるでしょう。

それはおにぎりの味が科学的に増すのではなく、食べる側の心の問題です。

逆に、どんな食べ物でも、目の前で作っている人が不潔な衣服を着ていたり、髪や爪も伸ばし

放題だったとすれば、高級な食材が使ってあっても、とても食べる気がしないはずです。

 

では、なぜ、素手で握ったおにぎりの方が、手袋で握ったものより美味しくなるのでしょうか。

それは、人間の手の感覚に関する大脳皮質の領域が非常に広い範囲を占めているので、人間の

手は非常に繊細な動きをすることができ、同時に手のひらでつかんでいる物質の感覚を鋭敏に

感じ取ることができるからです。

したがって、素手で握る方が手袋やラップに包んで握るのに比べると、微妙な握り具合を圧倒

的に調整することができます。

素手であれば、握る力を微妙に調整して、米粒がつぶれないように、そして米粒と米粒の間に

適度な空気層を残しつつ握ることができます。

握りずしやおにぎりが美味しいのは、ご飯の米粒の一つ一つがしっかりとしていることと、

米粒の間にある空気層が微妙なバランスをとっているからです。

素手であれば、一つ一つの米粒の硬さもキャッチできますが、手袋をはめているとそうはい

きません。

 

また、握り寿司の場合は、すしネタのカット断面も重要です。

切れ味の悪い包丁で切ったネタの断面を走査型電子顕微鏡で見ると、魚肉の繊維がささくれ

立っています。手のひらと同様、人間の舌も非常に鋭敏な感覚器官ですので、そのざらざらし

た切断面の状態を性格に感じ取り、「まずい」と感じるのです。
逆に、切れ味の良い包丁でスカッと切ると、人間の舌はそのビロードのようななめらかな切断

面の感触をキャッチすることができ、そのネタを美味しく感じます。

もし、そんなことはないという人がいたら、魚の短冊を手で引きちぎって食べてみてください。

果たして美味しいでしょうか。

それではまるで、動物と同じ食べ方になってしまいます。

回転ずしの厨房ではパートの店員さんが手袋をして、すしにネタをトッピングしていますが、

シャリを握るのは器械ですから、クオリティーとしてはそれで十分なのです。むしろ、食中毒

を防ぐメリットの方が大きいでしょう。

 

このように、私たちが「握りずし」や「おにぎり」を美味しく感じるのは、ごはん・シャリの

米粒と米粒の間にある空気層のお陰です。その微妙なバランスを経験によって常に具現化する

には、鋭敏な感覚を持った素手が最適なのです。

ただ、外国人向けに握りずしを手袋をして握っているのを見たことがありますが、これは外国

人向けの特例と考えてよいでしょう。

 

握りずしでもおにぎりでも、ギューギュー詰めに握り固めたご飯・シャリが美味しいわけが

ありません。

 

なぜ、最近の若い世代はおにぎりを敬遠するのか?

さて、最近の特に若い世代は、おにぎりが苦手のようです。

そういう人は職人さんの握る寿司もきっと苦手なはずですが?

なぜ、そうなってしまったのかというと、何と言っても、テレビコマーシャルのせいだと

考えています。

それは、石鹸や殺菌剤や皿洗い用洗剤等のコマーシャルです。

それらはテレビ画面にCGで作った細菌をことさらに映し出しています。

手のひらにいっぱい繁殖している細菌のCGを見せられると、やっぱり気持ち悪くなります

ね。

若い世代の人たちは生まれながらにして、こんなコマーシャルを見ているのですから、おに

ぎりを敬遠しても無理はないと思います。

でも、なぜか、素手で握る「握りずし」を気持ち悪くて食べられないという話は、おにぎり

ほどは聞きません。

これは、寿司職人さんのステイタスが、おにぎりを握る人より圧倒的に高いからかもしれま

せん。寿司職人という言い方はあっても、おにぎり職人という言葉はありませんから。

それに、各種学校に「握りずし」専門コースはあっても、「おにぎり」専門コースはなかった

はず。(現在はどうかわかりません🙇)

 

清潔を強調しすぎる日本

ところで、CGで描いた細菌を手のひら一杯にウジャウジャと描かれると、さすがに気持ち悪

くなります。

しかし、手のひらに雑菌類が付着しているのは当たり前のことですし、手のひらで細菌を培

養するわけではありませんので、普通に生活していれば、全く健康に影響を与えることはあ

りません。

きれいに洗った素手であっても雑菌は残っていますが、その手で握ったおにぎりを食べても

なんら問題はないのです。

 

また、電車のつり革を握るのを嫌がる人もありますし、会社等の様式便座に座るのを嫌がる

人もあります。

もちろん、つり革にも便座にも雑菌は付着していますが、嫌う人の手やお尻にも同様に雑菌は

付着しているのです。

自分の全身を毎日、エタノールで拭いて消毒することなんかできないし、働く人にとって、

無菌室のような環境はどこにもありません。むしろ、あまりに清潔にこだわる人には免疫力・

抵抗力が育たないという科学者もいます。

発展途上国で、真っ先に胃腸を壊すのは日本人が多いと、どこかの医師が言っていました。

日本人は清潔な環境になれている分、抵抗力が備わっていないという趣旨でした。

私たちは、雑菌と共に生活しており、それで生活環境のバランスが取れているのです。

つり革を握るのが嫌な人は、自分の大腸で生活しているたくさんの雑菌とどう折り合いをつ

けているのかな

 

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