夏の風物詩・花火の季節が近づいていますので、今日は花火についてまとめます。

赤や緑、紫・オレンジの光がとてもきれいですね。

「花火」の画像検索結果
〈出典:ヤフー画像〉

 

花火(英語:fire work)とは

辞書的にはつぎのような説明になっています。

火薬類の燃焼、爆発の際に発する光、火花、火の粉、音響、煙などを鑑賞するために作られた火

工品です。

火薬類取締法では、上記の鑑賞用火工品と信号用の火工品とを合わせて、煙火(えんか)と言い

ます。

 

ところで、花火(煙火)に関係する言葉として、「煙火中の人」(えんかちゅうのひと)という

言葉があります。

「煙火中の人」(えんかちゅうのひと)の意味

物を煮炊きして食べる人、転じて俗世間の人という意味です。・・・聞いたことないですよね。

ちなみに、対する言葉は「仙人(せんにん)」です。

 

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花火の成分

花火の火薬の中には、酸化剤と可燃剤と炎色剤、光輝剤、発音剤などが混ざっています。

「酸化剤」…塩素酸カリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸アンモニウムなど

「可燃剤」…木炭や硫黄、シェラックなど

※「シェラック」って何だ?
〈引用:世界大百科事典第2版〉
動物性天然樹脂。セラックともいう。寄生昆虫の分泌物で,ラックカイガラムシLaccifer laccaがインドボダイジュFicusreligiosa L.などの枝に寄生し,自分を保護するために樹脂状物を身のまわりに分泌する。これをあつめてとったものがスティックラックstick lacで,これをさらに精製したものがシードラックとして商品化されている。色を除くには石灰で沈殿させる。こうしてえられたものがシェラックである。

 

実際の花火製作工程で、シェラックなんか使っているんでしょうか。動物性天然樹脂と聞くと、

価格が高そうに思います。

一方、硫黄の方が、火山列島の日本では安価で手に入るんですが。

 

「炎色剤」花火に色を付けるための化学薬品です。

花火に色をつけるのに、炎色反応を利用します。

炎色反応は高校の「化学」の時間に勉強しました。

 

炎色反応とは

元素には火で焼くと、特定の色を出すものがあります。

この反応を炎色反応といいます。

アルカリ金属やアルカリ土類金属と呼ばれる仲間や銅のような金属が炎色反応を示します。

 

たとえば、Na金属(Naの単体)を焼いても、Naの化合物(NaCl)を焼いても、黄色を発色し

ます。(黄色はガスバーナーの炎の色と似ていて、少し見分けがつきにくいです)

 

下図は炎色反応の実験です。

金属の炎色反応

〈出典:キャノンサイエンスラボ・キッズ

 

アルカリ金属の炎色反応

きれいな花火の色は、金属元素の炎色反応によるものです。

「花火」の画像検索結果

 

Li(リチウム)…赤色

Na(ナトリウム)…黄色

K(カリウム)…赤紫色

Rb(ルビジウム)…紫色

Cs(セシウム)…青色

 

アルカリ土類金属の炎色反応

Ca(カルシウム)…橙赤色

Sr(ストロンチウム)…紅色

Ba(バリウム)…緑(黄緑)色

 

上記以外の元素

Cu(銅)…緑(青緑)色

Mg(マグネシウム)…炎色反応はありません。

しかし、金属マグネシウムが燃える時の燃焼温度は非常に高いので明るく白い光が出ます。

夜、マグネシウムの花火を燃やすと周囲が昼間のように明るくなります。「ナイアガラ」花火も

もこのマグネシウムを燃やしています。

 

炎色反応はなぜ起こるの

簡単に言うと、原子を構成している電子が関係しています。

原子は陽子と中性子とからなる原子核とその周囲の決まった電子軌道を回っている電子とで構成

されています。

ちなみに原子核の周囲を回っている電子の位置は原子核から非常に遠いところ、すなわち原子核

直径より5万倍くらい離れた位置に存在しています。ですので、原子の中心に位置する原子核は

とても小さな存在です。

さて、この原子を炎で焼くと、電子はその熱エネルギーを吸収して、最初存在した電子軌道より

外側の電子軌道にジャンプします(励起される)。

しかし、ジャンプしたこの外側の電子軌道は高エネルギーの電子軌道、すなわち不安定な電子軌

道なので、吸収した熱エネルギーをすぐに放出して、元の電子軌道に戻ってしまいます。

このとき、放出された熱エネルギーが一定の波長をもった光エネルギーとなり、私たちの目に見

えるのです。

元素によって、赤・緑・紫等の色になるのは、原子を加熱した時、原子の種類によってその電子

が吸収する熱エネルギーが違うので、放出するエネルギーも違うのです。

このエネルギーの違いによって光の色が変わり、エネルギーの大きい光は、波長の短い青・紫色

で、エネルギーが小さいと赤系統の色になります。

 

花火の大きさ

〈出典:花火玉の大きさのいろいろ

花火の分野については、は多様で、まず打揚花火と仕掛花火。そして昼物と夜物。用途別には信号用と観賞用などに分かれています。そして花火のもう一つの分類は玉の大きさです。
打揚花火を大きさ(打ち上げ前の寸法)で分けると、ふつう日本では尺貫法の寸(約3.3センチ)を基準として、小さな2寸玉(直径6センチ)から3寸、4寸、5寸、6寸、7寸、8寸、尺玉(1尺)、更に尺2寸、尺5寸、尺6寸、2尺、3尺、4尺と直径1メートルを越えるものまであります(下記表参照)。現在ではそれぞれを3号(3寸)~10号(尺玉)と号数でも呼びます。上の写真は手前2.5号(7センチ)から10号(30センチ)後ろ中央は20号(2尺)を並べたものです。外国ではインチを採用していて、2インチから 3, 4, 5, 6, 8, 10, 12インチの玉があります。
花火大会で使用される花火玉の大きさはもちろん予算によりますが、その花火大会で打ち上げることができる最大の玉の大きさは「保安距離」によって限定されます。これは打ち上げ場所から観客や付近の建物まで玉の大きさに合わせて、一定の距離(10号で半径290メートルなど)を置かなければならないという安全距離で、法律で定め、都道府県により規定が違っています。より広い保安距離が確保できる場所では予算の範囲内で大きな玉が打ち上げられますが、逆に大都市近郊では「打ち上げ場所が狭い」ために小玉ばかりになってしまうのです。
実際の花火玉の打ち上げ前の玉の大きさ、到達高度、開いたときの大きさの見かけ上の違いは、以下の図・表の様なものになります。到達高度、開花径は平均値と考えて下さい。同じ号数でも作者や玉の種類・内容によって一定ではありません。

 

花火の構造はどうなっているの

まず、下図を見てください。
花火の断面図
〈出典:キャノンサイエンスラボ・キッズ

 

この球状の花火を打ち上げ筒に入れて、空高くに打ち上げると、上空で導火線から割火薬に点火

され、玉皮が爆発し、内部の「星」と呼ばれる小さな火薬玉が放射状に飛び散ります。

そして、この「星」が燃えて、様々な色を出したり、飛び散った時の形をデザインしてハート形

にしたりするんですね。

花火の色が赤から青に変わる仕組みは、上図の「星」の断面図を見てください。

上図のように「星」が層構造になっていますので、表面から燃えていく際、まず銀色に輝き、次

にLiやSrを練りこんだ火薬が燃えて赤色になり、最後にセシウム等の青色を示す金属を錬りこん

だ火薬が燃えて、色が変化するのです。

色が変化する大玉の花火は、豪勢できれいですね。

 

以上、「花火について」でした。

夏祭りがまちどおしい~

〈関連投稿:原子の構造をまず理解しよう。陽子、中性子、電子。理科・化学の苦手な君へ。

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