昨年末、コンビニ大手のローソンが、フランチャイズ(FC)方式の店舗運営者との契約時に設けている年齢制限の上限を、2017年春をめどに撤廃するというニュースがありました。

年齢制限がなくなるということは、シニア世代にとって可能性が広がるという意味でありがたいことですし、労働人口は増えますので、国としても歓迎すべきことでしょう。

 

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コンビニ店主、年齢上限撤廃=シニア人材の確保狙う-ローソン
時事ドットコム(2016/12/28-02:04)

コンビニエンスストア大手のローソンは、フランチャイズ(FC)方式の店舗運営を担うオーナーとの契約時に設けている年齢制限の上限を、2017年春をめどに撤廃する。労働人口が減少傾向にある中、年齢制限をなくすことでシニア人材の取り込みを狙う。
ローソンは年間約1200店規模の出店を続ける計画で、FC店舗のオーナーの確保が急務になっている。14年に上限を55歳から65歳に引き上げたが、今後も出店ペースを維持するには上限撤廃が必要と判断した。今後は店舗運営システムをより簡素にし、高齢者でもオーナーとなれる環境整備を急ぐ。
玉塚元一会長兼最高経営責任者(CEO)はインタビューで、人手不足への対策について「高齢者や主婦など今働いていない人にも働いてもらわないといけない」と強調した。(2016/12/28-02:04)

 

ところが、コンビニ経営はどうも、各店舗のオーナーにとっては、いいものではないらしい。
儲かるのはフランチャイズ(FC)を展開しているローソン本部だけで、各店舗のオーナーは長時間労働で苦しめられているという話があります。

そうした状況の中で、今度はセブンイレブンの店舗オーナーにひどい目にあわされた女子高生が話題になりました。

セブンイレブン、風邪で休んだ女子高生バイト代減額
[2017年1月31日12時32分]日刊スポーツ

東京都武蔵野市にあるコンビニ大手セブン-イレブンの店舗が、風邪で休んだアルバイトの女子高生(16)に、代わりを探さなかったことを理由として実際に働いた5日間のアルバイト代2万3375円から9350円を差し引いていたことが31日、セブン&アイ・ホールディングスへの取材で分かった。

同ホールディングスの広報センターによると、店では、休む際に代わりの人を探さないとペナルティーを科すというルールを設け、アルバイトに伝えていた。担当者は「代わりを探すのは雇用主の責任。労働基準法で定めた減給制裁の上限も超えている」としている。

女子高生は既にアルバイトを辞めているが、店側は差引額の全額を返済するという。(共同)

 

これって無茶苦茶な話です。

アルバイトの女子高生が、風で休んだ二日分10時間に相当する金額をすでに働いた給料から天引きされたというのです。

この店舗では、休む時には代わりの人を探さないとペナルティーを科すというルールを勝手に設けて、一応アルバイトに伝えていたということです。

しかし、セブン-イレブンの担当者が言うように、「代わりの人を探すのは雇用主の責任。労働基準法で定めた減給制裁の上限も超えている」のです。

一応、ルール(違法ルール)を伝えたからといって、実際に働いたアルバイト代2万3375円から9350円もの罰金を未成年の高校生から巻き上げることが信じられません。

これではまるで「タコ部屋」と一緒で、ブラックもブラック、悪徳業者です。

セブンイレブンの各店舗は、こんな店が多いのでしょうか。

というのも、この店長がルールを決める時には、周りの店舗の話を聞いていると思うんですよね。

店舗の経営者自身も休みが取れない過酷な労働を強いられ、アルバイトはアルバイトで休みも取れない状況に置かれているとしたら、コンビニという業態自体が本社から搾取される構造になっているということになります。

私たちは、普段、コンビニの存在で便利な生活を送っていますが、コンビニ業界の実態はどうなっているのでしょうか。少し調べてみます。

Yahoo検索に「コンビニ経営の実態」と入れてヒットしたブログタイトルが面白いです。

トップページの一番上にあるリスティング広告には、大手コンビニの魅力的な宣伝文句が並んでいます。
例えば、
「自分らしく働けるコンビニオーナー募集。無理な勧誘は一切無し!まずは無料説明会へ。
説明会で情報収集から・引越し費用負担制度・最低保証制度あり」

「FC業界初の‘脅威の3大サポート’付。年間500万円収入保証・赤字全額補填・SV常駐!一人で開業可能・月平均粗利240万・省スペースOK・立地問わず」
などです。

一方、その下に続く一般投稿ブログには、コンビニ経営は過酷で儲からない、借金地獄の仕事だという批判的なブログが並んでいます。

どうやら、大手コンビニ本部の甘い言葉とは違う実態があるようです。

コンビニ店長の残酷すぎる実態!本部との「奴隷契約」で金を搾り取られ借金まみれ、脱退も不可

2016.08.14 Business Journal

利用者にとって便利な半面、その裏で悲惨な境遇に置かれているのがコンビニ店長(オーナー)だ。自宅の食卓に消費期限切れの廃棄弁当が並ぶのは日常茶飯事。キャンペーン商品でノルマをクリアできなければ自腹購入するはめになり、一方的に本部の言い分をのまされる不公平契約、常態化する長時間労働、さらに常軌を逸した“モンスター客”への対応など、その過酷さは想像以上だという。
・・・・

某コンビニチェーンのオーナー募集の説明会に参加し、出店を決意した。しかし、事前に説明がなく、後から押しつけられた「加盟店に不利な条件」も多いという。例えば、そのひとつが毎日、売り上げの全額を本部に送金するという「掟」だ。本書には、こんなくだりが出てくる。

「コンビニ本部は、売上を毎日送金させることで加盟店を資金不足にし、『本部からの融資のおかげで仕入れができる』状態を人為的に作り出しているようにも見える」

「資金と会計、要は財務をほぼ全面的に本部に支配されて、加盟店オーナーは果たして経営者といえるのだろうか。加盟金の出資者であり、店舗の運営者ではあったとしても、通常の意味での経営者とはかなり異なった姿が浮かぶ。売上を毎日他社に送金しなければならない『独立経営者』は、コンビニ以外では聞いたことがない」

・・・・

さらに、「オープンアカウント」あるいは「本部勘定」と呼ばれる、一方的かつおかしな会計システムも存在する。

例えば、経営を始める際、コンビニ店長は資本金150万円に加え、本部から500万円分の在庫を仕入れたとする。通常の独立した商店なら、ここで発生する差額の350万円は掛取引によって仕入れた商品の未払い金、つまり「買掛金」となるはずだが、コンビニ業界では違うのだ。本部側は、なぜかこの350万円を「本部から加盟店への与信」、つまり融資とし、本部に金を借りたわけでもないのに、加盟店は金利まで取られるというのである。

そこにあるのは「本部が絶対」「加盟店は服従しろ」という奴隷のような構造だ。

 

次は客の実態です。
コンビニの真ん前で、べたべた地面に座り込んでいる迷惑なグループは、傍から見てもわかりますが、次はコンビニ店長から見た店内の迷惑行為です。

こうした不公平な契約関係に加え、もうひとつコンビニ店長を困らせているのが、迷惑行為を働くモンスター客の存在である。

実際、三宮氏は「外のネオン看板や水洗トイレの電源を抜いてスマートフォンを充電する」「外の水道に自分のホースをつないでマイカーを洗車する」「トイレで髪染めする」といった迷惑行為に遭遇しているという。もはや「お客様」というレベルではないが、「こうしたケースは、氷山の一角にすぎません」と三宮氏は語る。

「最初は驚きましたし、憤懣やるかたない気持ちになりましたが、もう半ば慣れっこになってしまいました。どうやら、お客様にとってコンビニは『自宅の延長』のような場所らしく、『素の自分』が出やすいようです。

トイレを借りる際に店員に声をかけないのが当たり前だったり、殺伐とした世相を反映してかイライラしたりしているお客様も増えています。お昼どきなどに少しレジが混むと舌打ちしたり、小銭を探してオロオロしているお年寄りのお客様に聞こえよがしに暴言を吐いたり……。店員に対しても、命令口調というか、ぞんざいな態度をとる方が増えたような気がします」(同)

 

次は弁護士ドットコムニュースです。

ブラック企業大賞に「セブンイレブン」、「アリさん」引越社には「アリえないで賞」
2015/11/29(日)16:12 弁護士ドットコム

パワハラや長時間労働、賃金未払いなどを従業員に強いる悪質な企業を選出する「ブラック企業大賞2015」の授賞式が11月29日、東京都内で開かれ、セブン-イレブン・ジャパンが大賞に選ばれた。

今年で4回目となるブラック企業大賞は、弁護士やジャーナリストなどでつくる実行委員会が主催。今年ノミネートされた、セブン-イレブン・ジャパン、暁産業、エービーシー・マート、フジオフードシステム、明光ネットワークジャパン(明光義塾)、引越社関東(アリさんマークの引越社)の6社から大賞を選出した。

セブン-イレブン・ジャパンは、フランチャイズ加盟店主の見切り販売を妨害するなど、過酷な搾取をおこない、そのしわ寄せが学生アルバイトに及び「ブラックアルバイト」が問題化しているとして、ブラック企業大賞に選ばれた。

このほか、「ブラックバイト賞」が、個別指導塾「明光義塾」を運営する明光ネットワークジャパンに贈られた。「ウェブ投票賞」は、アリさんマークで知られる株式会社引越社関東が、ウェブ投票で他のノミネート企業を大きく引き離す11875票を獲得して、受賞した。引越社関東は「アリえないで賞」にも選ばれた。「特別賞」にはパワハラで未成年の労働者が自殺に追い込まれたとして、暁産業株式会社が選ばれた。

(弁護士ドットコムニュース)

 

上記の1年以上前の記事にも、セブン-イレブン・ジャパンがブラック企業として、栄えある(?)ブラック企業大賞を受賞したとあります。

しかも、セブン-イレブン・ジャパン本部が、フランチャイズ加盟店主から過酷な搾取をおこない、そのしわ寄せが学生アルバイトに及んでいると、ちゃんと指摘しています。
今回の女子高生の給料減額事件は、その指摘どうりのことが起きたことになります。

セブン-イレブン・ジャパンには今なお、ブラック企業の体質が残っていると言わざるを得ません。

 

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