日銀の総資産が、初めて500兆円を突破したというニュースがありました。

我が家の総資産が最高額に達し、初めて○○億円を突破したというようなことであれば、とても

喜ばしいことですが、日銀の総資産が増えていくことはどうもそうではないようです。

いったい、どういうことなんでしょうか。

 

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日銀総資産500兆円 GDP匹敵
日銀バランスシートが500兆円突破 膨らむ出口リスクに警戒感

6/2(金) 10:28配信 東京ロイター

 日銀のバランスシートが初めて500兆円を突破した。2013年4月に導入した量的・質的金融緩和(QQE)によって、市場から大規模な長期国債の買い入れを継続しているためだ。それでも目標とする物価2%への道のりは遠く、市場からは、バランスシートの膨張とともに、将来的な出口のリスクも膨らんでいる、との指摘が出ている。

日銀が2日に公表した営業毎旬報告によると、5月末現在の日銀の資産と負債の残高は500兆8008億円と初めて500兆円を超え、GDP(国内総生産)に匹敵する規模に膨らんだ。1年前から約75兆円増加し、QQE導入前の2013年3月末の164兆3123億円と比べて3倍超となる。

資産サイドの国債の保有額は427兆2495億円と国債発行総額の4割程度を占める。特に、このうち長期国債は390兆1912億円となり、QQE導入前の63兆円程度から6倍超とハイペースの増加を続けている。

・・・・(以下略)

 

個人の総資産が増えるということは、良いことですよね。でも、日銀の場合は?

個人の総資産が増えるということは、間違いなく良いことです。

ところが、日銀の総資産が増えるということは、個人の資産とは違い、困ることがあるようです。

それはなぜでしょうか。

まず、日銀の総資産とは。

まず、個人の家計では『総資産が増える』ことは絶対に良いことですが、日銀は銀行券を発行で

きる発券銀行(中央銀行)ですので、貸借対照表(バランスシート)の総資産が増えることは良

いこととは限りません。

なぜなら、日銀の総資産の増加は、負債が増えていることを意味するからです。これは、一体ど

ういうことなんでしょうか? 

ニュースには、日銀の総資産が増えたのは、『市場から大規模な長期国債の買い入れを継続して

いるためだ。』とあります。

国債とは

国債は政府が発効し、その国債を政府から買った人が、政府に現金を払います。(政府に現金を

貸すことになります。国債証券はその証文)

政府は、国債の償還日になったら金利分を上乗せしてその人に償還しなければなりません。つま

り、5年物国債の場合、5年間、そのお金を国債の購入者から借りていることになります。

ですので、国債の発行残高の総額が政府の借金となります。

 

国債は個人や機関投資家が銀行や証券会社から買うのですが、金融緩和政策の下、日銀が民間銀

行から大量にその国債を買い取っているので、結果的に国債の多くを日銀が買っていることにな

ります。2017 年2月20日時点で、日銀は国債の発行残高の約4割を所有しています。

このように民間銀行は、政府から国債を入札価格で買い、それより高い金額で日銀に売却するの

で、民間銀行は安全に儲けることができます。

ただ、高い金額で買うことが約束されている訳ではありません。数年来、金利は低金利状況にな

っていますので、国債の価格が入札時より高くなっているのです。

ちなみに国債等の債権の金利が上がれば価格は低下し、金利が下がれば、価格は高くなります。

 

 結局、政府は国債を引き受けてくれた民間銀行にお金を借りているように見えますが、実際は

その国債の4割を日銀が買い上げていますので、日銀からお金を借りていることになります。こ

のことを『国の財政を日銀がファイナンスしている』という言い方をします。では

 

日銀は国債を買うお金を自分で印刷している。

では、日銀は、国債を買うためのお金をどこから調達しているのでしょうか? 

簡単なことです。日銀はお金を発行する権限を持っていますので、必要な分だけ新たにお金を印
刷しているのです。
そして、印刷したお金(紙幣の発行残高)は、日銀のバランスシートでは、『負債の部』に計上
されるのです。
一方、買い取った国債は、日銀のバランスシート上、『資産の部』に計上されるので、金融緩和
で国債を買えば買うほど、日銀の資産は増えることになります。
今回のニュースは、この日銀資産が500兆円を突破したということですので、同時に、負債も増
加していることになります。

この負債比率が高まったら、信用力が落ちるのは、企業や個人の場合と同じです。

国債の利回りは「実質経済成長率+期待インフレ率+国債のデフォルト率」で決まるので、信用

力が落ちてデフォルトの確率が高まったとみられた国の国債の金利は上昇します。

日銀の資産が増えることを、「バランスシートが膨張する」などと表現し、メディアなどでは懸

念事項として取り上げられることがありますが、これは、日銀が負債を増やすことによって国の

財政を支えていることを意味し、中央銀行と国の両方の負債が増えていることを意味するためで

す。

このようなことから、日銀のバランスシートの膨張(総資産の膨張)は、喜ばしいこととは言え

ないのです。

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