過労死・自殺の電通に対して、厚生労働省労働局が、昨日7日、電通本社と関西、京都、中部の3支社を労働基準法(労働時間)違反の疑いで家宅捜索しました。

10月14日以降の臨検と11月7日の家宅捜索との違い

<電通>残業時間を過少申告 労働局が強制捜査

毎日新聞 11/8(火) 0:59配信
・・・・(略)
同労働局などが10月14日以降に電通本社と3支社、地域子会社5社に対して行った「臨検」(抜き打ちの立ち入り調査)は、是正勧告(行政指導)のために実施することが多い。一方、家宅捜索は刑事立件を視野に証拠隠滅などを防ぐため、裁判所の捜索差し押さえ令状を請求して行う。

今回、同労働局などが強制捜査に踏み切ったのは、自殺者が出た▽高橋さんだけでなく、複数の社員が違法な長時間労働を強いられていた可能性が高い▽勤務記録の改ざんによる残業時間の過少申告を上司が指示していた疑いが強い▽度重なる是正勧告でも改善が進まなかった--ことなどから、書類送検の対象となる「重大・悪質」なケースと判断したためとみられる。

・・・・(略)

 

亡くなった高橋さんの遺族側は、「会社から労使協定の上限を超えないように記録を付けるよう指示があった」と主張していますが、娘さんの生前の証言がもとになっていますので、おそらく事実でしょう。

[関連記事]
新入社員を自殺に追い込んだ「電通」が、「子育てサポート企業」に認定されていたとは「驚き桃の木山椒の木!」
電通元社員の高橋まつりさんのツイッターがネット上で炎上しています
自殺した東大卒女子新入社員の悲鳴!と電通社訓「鬼十則」
「電通」という会社はどういう会社?不正のあった「運用型広告」とは。新入女子社員の自死に誠実な対応を!
電通の新入社員自殺に係る武蔵野大学「長谷川秀夫」教授の発言が炎上している件
過労死の新入社員、悲劇を繰り返すな。会社はうつ病に陥った社員に責任ある対応を!

 

〈スポンサーリンク〉

 

私たち使われる身にとっては、彼女の例は決して他人事ではありません。

11月7日、電通の石井直社長は、本社内で社員にこれまでの取り組みなどを説明して、「業務の見直し」や「電通においては人が唯一にして最大の財産」と語り掛けました。

でも、どこまで本気なんでしょうか。数年前、社員の過労死があったにも関わらず、今回のような不当労働行為に至ったことを考えると疑わしいと言わざるを得ません。

こんなひどい労働実態を放置しておきながら、一方では「子育てサポート企業」に申請して承認されたり、社員に残業時間を過少申告させたりしていたわけで、どうにも信用できないですね。

厚生労働省から、働きやすい「子育てサポート企業」だよ、なんて承認をもらっているのが、ちゃんちゃらおかしいんですけど。

では、電通とはそもそも、どんな会社だったのでしょうか。

日本を動かしてきた「電通」の正体~「過労死問題」は落日の始まりなのか 当事者たちが明かす生々しい「実像」
現代ビジネス 11/8(火) 11:01配信

テレビも原発も、そしてオリンピックも、仕切ってきたのはすべてこの会社

陰の支配者、タブー……これほどイメージが先行し、多くが語られてこなかった巨大企業も珍しい。本当はどういう会社で、どんな権力を持っているのか。当事者たちがその生々しい実像を明かした。

 

電通は、「陰の支配者、タブー……これほどイメージが先行し、多くが語られてこなかった巨大企業」ということですが、門外漢の私には「巨大な広告会社」という程度の認識しかありませんでした。

10月14日(金)の東京労働局による「臨検監督」後、社長が社員に向けて文書を出しています。

 〈高橋まつりさんに関する労災認定の一件に加え、先日の臨検監督、さらにはその後の一連の報道における論調は、当社が現在直面している事実を如実に表しています。

それは、これまで当社が是認してきた「働き方」は、当局をはじめとするステークホルダーから受容され得ない、という厳然たる事実に他なりません〉(現代ビジネス)

 

「当社が是認してきた働き方」という言い方からは、自分は良いと持っているのに世間が騒ぐので、変えざるを得ないということで、あまり反省の気持ちは伝わってきません。

 

電通が、「陰の支配者、タブー」とは、具体的にどういうことなんでしょうか。

電通とメディアの関係について、前出の藤沢氏が「体験談」を明かしています。

電通には政官界からナショナルクライアント幹部の子息などが入社していて、警視総監の子息もいた。各界のトップ層に網を張り、なにか起きた時に問題を封じることができる態勢ができていました。

・・・・

「たとえばクライアント企業の不祥事についてメディアが報じようとしているという情報を察知した際、これをもみ消しに動くということがありました。クライアントからは『口止め料』として追加の出稿をもらい、これをエサにしてメディアには記事の修正などをお願いするわけです。

実際、メディアに『今後半年の出稿を約束する』と言って、記事が差し替わったことがありました」

中でも、電通が強い影響力を持つのはテレビ。新聞や雑誌と違い、テレビ番組は広告料金だけで稼ぐビジネスモデルで、そのスポンサー集めを電通に大きく「依存」しているためだ。(現代ビジネス)

 

電通が「陰の支配者」として、隠然たる力を持っていたことはわかりましたが、今回はマスコミも盛んに報道し、行政も家宅捜索に動き出しました。

日本でも国民の二極化が進み、貧富の差が拡大して不満が増大しているので、ここらあたりで、「国は正義の味方だよ」と示しておいた方がよいと「陰の支配層」が考えたのかもしれません。

〈スポンサーリンク〉