中国の外貨準備高が、6年ぶりに3兆ドルを割りこみました。

その主な原因は、人民元相場を支えるため、人民銀行が外貨準備を取り崩して、ドル売り・元買いの市場介入を続けているからです。

 

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中国外貨準備高、1月末は2.998兆ドル 約6年ぶりに3兆ドル割れ
ロイター 2/7(火) 17:35配信
[北京 7日 ロイター] – 1月末の中国外貨準備高は2兆9980億ドルとなり、12月末から123億ドル減少し、2011年2月以降初めて3兆ドルを割り込んだ。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は105億ドルの減少だった。

2016年通年では、外貨準備は3200億ドル近く減少。2015年も5130億ドル減と過去最大の落ち込みを記録しており、資本流出懸念が高まっている。

中国人民銀行が公表したデータによると、1月末時点の金準備は712億9200万ドルと、12月末の678億7800万ドルから増加した。

3兆ドルを割り込んだことで、外貨準備の減少ペースに対する懸念が広がり、当局が今後、どの程度の期間、通貨と外貨準備の両方を支えることができるかについて疑問が生じている。

一部のアナリストは、外貨準備の大幅な減少と、大幅減の継続により、中国が2015年と同様に通貨切り下げを行う可能性を懸念している。切り下げがあれば世界の金融市場に混乱が生じ、米国の新政権との政治的緊張感が高まることもあり得る。

ただ、1月の減少幅は12月の減少幅(410億ドル)と比べて大幅に少なく、7カ月ぶりの低水準となった。資本流出に対する当局の取り組みが、少なくとも現時点では奏功していることが示唆された。

エコノミストらは、今回の外貨準備減少を受けて当局が規制強化を強める可能性があるとみている。

フォーキャスト(シンガポール)のエコノミスト、チェスター・リアウ氏は「外貨準備が3兆ドルを下回ったことを受け、資本規制と人民元の流動性の引き締めが続くことが予想される」と述べた。

複数のアナリストは、1月にドルの上昇基調が続いていたら、中国の外貨準備の落ち込みはさらに激しかった可能性があると指摘。ドルの軟化が外貨準備の下支え要因になった。

一部アナリストは、国際通貨基金(IMF)の指針に基づくと、中国の外貨準備の必要水準は最低で2兆6000億─2兆8000億ドルになるとみている。

コメルツ銀行(シンガポール)の新興国市場担当シニアエコノミスト、周浩氏は「外貨準備が3兆ドルを割り込んだことは、中国が介入戦略を見直す必要があることを意味している」と指摘。人民元の軟化が続くとの市場の見方が変わる可能性が低ければ、外貨準備を減らし続けることは大きな意味をなさない、との見方を示した。

 

ところが、この3兆ドル割れの水準は危険水域であるとの下記のニュースが、ちょうど1年前にありました。

このニュースに、『ソシエテ・ジェネラルは、国際通貨基金(IMF)の指針では中国にとって安全といえる外貨準備の最少額は2兆8000億ドルで、現在のペースで減少を続ければ間もなく到達するとみる。』とあります。

その間もなくが、本当にあと数か月でくるかもしれません。

1月末の中国外貨準備高は2兆9980億ドルですので、1月の減少と同じペースで減少すると、あと2か月ほどで、2兆8000億ドルになってしまいます。

もし、そうなったら、中国が経済不安に陥り、中国と関わりの深い国々の経済も悪影響を受ける可能性があります。

FXで言えば、豪ドル・円は、豪ドル売りを準備しておいた方がよいのかもしれません。
これまで、中国の経済指標が悪化すると、FXは敏感に豪ドル売りで反応していましたから。

ところがです。経済指標から経済リスクを読み取るのは難しくて、当たるようで当たらないことが多いです。

上記の2兆8000億ドルという数値も、そこがデッドラインだと主張する見方もあれば、一方で、まだまだ大丈夫という見方もあります。以下の記述です。

これに比べ、G20(20カ国・地域)のある中央銀行副総裁はもっと楽天的で「(安心できる最少額が)どのくらいか分からないが、2兆8000億ドルよりずっと少ないことは確かだ」と述べた。

HSBCのアナリストチームは理論上2兆ドルで十分だと見ているが、減少を続ければ国内投資家が脅えて海外への資金移動を加速させる恐れがあるため、中国当局が手をこまねいているとは考えにくいという。

 

「危ない、危ない」と言っているときは、市場は意外と荒れません。
リーマンショックやギリシャ危機の時のようにいきなりが、一番怖いです。

でも、このように中国の外貨準備高減少の話があるということは、しっかり頭に入れてFXに臨みたいです。

初心者にわかる今日のなるほど…外貨準備、外貨準備高とは

外貨準備とは、政府や中央銀行が国際収支(国際間の経済取引)の決算や為替相場への介入のために、外貨を保有することです。

で、外貨準備とは具体的にどんなものかというと、外貨、金、SDR、IMFリザーブポジションを足し合わせたものです。

この中で外貨とは、外国のお金のことで、現金・預金・債券などを含みます。外貨準備のうち、「外貨」が約99%を占めているので、金やSDR(IMF特別引出権)の保有額に比べると桁違いに大きな金額です。(2015年の外貨保有…およそ1兆2200億米ドル)

なので、比率の低いSDR等の説明は割愛。それに勉強してみたのですが、難しい(*_*)

次に、外貨準備の主な役割は何かというと、為替レートの安定です。

金融当局が、以下のように為替市場に介入して安定化させます。

急激な円高・ドル安を
回避したいとき
円売り介入(円を売ってドルを買う) 外貨準備が増えることになります
急激な円安・ドル高
を回避したいとき
円買い介入
(円を買ってドルを売る)
外貨準備が減ることになります

 

焦点:急減する中国外貨準備、いつ限界水準に達するか
ロイター 2016年 02月 24日 14:38

2月24日、中国の外貨準備はなお世界最大規模を誇るが、資本流出に伴い急スピードで減少しており、中国政府は遠くない将来に人民元の切り下げ、あるいは資本統制への逆戻りを強いられるとの見方が一部で浮上している。

中国の外貨準備は1月に995億ドル減って3兆2300億ドルとなった。2014年半ばに比べると7620億ドル減と、スイスの国内総生産(GDP)を上回る規模で減っている。

中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は先週、「財新」のインタビューで資本流出について、ドル高を背景とした国内企業によるドル建債務の返済と対外投資による部分が大きいと指摘。債務返済は間もなく底を打つし、対外投資は歓迎すべき動きだと擁護してみせた。

大半のエコノミストは、中国の外貨準備にはまだ大きな余裕があるとの見方に同意しているが、一部には数年後と言わず数カ月後にはブレーキを踏む必要が出てくるとの見方もある。

外貨準備の減少ペースが加速したのは、人民銀行が海外の投機売りや国内の資本逃避に対処し、人民元買い介入を行ったためだ。

外貨準備はなお巨額だが、中国ほどの規模の経済だと、輸入や対外債務の返済に多額の準備が必要になる。その上、外貨準備の内訳が流動性の低い資産であれば、その要請にすぐには答えられない。

中国の外貨準備の構成は国家機密だが、複数の当局者は、ドル以外の通貨の価値がドル建てで減少していることも、準備高減少の一因だと話している。

ソシエテ・ジェネラルは、国際通貨基金(IMF)の指針では中国にとって安全といえる外貨準備の最少額は2兆8000億ドルで、現在のペースで減少を続ければ間もなく到達するとみる。

同社は「向こう数カ月中に到達すれば、投機的な売りが押し寄せ、人民銀行は降参して人民元レートを市場に委ねるしかなくなる」としている。

これに比べ、G20(20カ国・地域)のある中央銀行副総裁はもっと楽天的で「(安心できる最少額が)どのくらいか分からないが、2兆8000億ドルよりずっと少ないことは確かだ」と述べた。

<魔法の数字は存在せず>

HSBCのアナリストチームは理論上2兆ドルで十分だと見ているが、減少を続ければ国内投資家が脅えて海外への資金移動を加速させる恐れがあるため、中国当局が手をこまねいているとは考えにくいという。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の新興国市場通貨ストラテジー・グローバル統括、ウィン・シン氏によると、中国の外貨準備は1年5カ月分の輸入をカバーできる水準であり、短期対外債務の外貨準備に対する比率は25%にとどまる。新興国として安全な水準と考えられる3カ月と55%よりもはるかに良好だという。

シン氏は「われわれが新興国に適用しているどんな尺度で見ても、中国の外貨準備は十分すぎるほどだ」と話した。

中国のシンクタンクのあるエコノミストも「3兆3000億ドルもあって何を心配する必要があるのか」と同意する。「中国の対外純債権は1兆5000億ドル、貿易黒字もまだ6000億ドル程度ある」

外貨準備が2025年までに2兆ドルに減ったとしても、「まだ安全、健全だ」とこのエコノミストは語った。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシン氏は、安全な水準は、究極的には特定の比率というよりも市場心理で決まると指摘する。

「魔法の数字は存在しない。大きな部分を占めるのは信頼感だと思っているが、中国の政策担当者は信頼感の回復につとめて力を入れている」という。

人民元売りを公言しているヘッジファンド、オムニのポートフォリオマネジャー、クリス・モリソン氏は「このゲームは期待と信頼感がすべてだ。市場が底をのぞいたが最後、信頼感は総崩れになる。3兆ドルを下回った時がその分岐点だと私は考えている」と話した。

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