エアバッグで有名なタカタ株式会社がついに民事再生法を申請して、倒産しました。

従業員は連結で50,530人もいますが(2016年)、今後、リストラも当然あるでしょうから、従

業員の皆さんはいばらの道をいくことになります。

戦後最大の製造業倒産 タカタ社長「深くお詫び」

テレビ朝日系(ANN) 6/26(月) 11:46配信

 26日午前に自動車部品大手のタカタが経営破綻しました。タカタは自動車メーカーにエアバッグを卸していて、世界で2割のシェアを誇っていました。しかし、エアバッグの異常破裂による事故で7000万個以上がリコール対象となり、経営が悪化。タカタの最終的な負債総額は1兆円を超える見込みで、製造業としては戦後最大です。

(経済部・今直也記者報告)
会見で高田重久社長は、冒頭で深々と頭を下げて謝罪しました。
タカタ・高田重久社長:「すべての関係者の皆様、債権者の皆様にご迷惑をお掛けすることになり、タカタ株式会社を代表致しまして、心より深くおわび申し上げます」
会見場には150人ほどの報道陣が詰め掛けていて、戦後最大といわれる企業倒産の注目度がうかがえます。現在は経営破綻に至った経緯などを説明していますが、社長自らの進退の具体的な時期についてはまだ語っていません。タカタはこれまで当事者間の交渉で進める私的整理で経営再建を目指してきましたが、自動車メーカーの要求が強く、外部の専門家委員会の提案を踏まえて透明性が高い法的整理を選ばざるを得ませんでした。今後、裁判所の管理下となり、中国企業傘下のアメリカ自動車部品会社「キー・セイフティー・システムズ」から支援を受け、経営再建を目指します。今後、信頼回復とともに商品の安定供給を目指しますが、500社を超える下請け企業への影響など懸念材料が多く残っています。

 

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それにしても企業経営はむずかしいものですね。

タカタは1933年創業で、世界的な超優良企業と言われるまでに成長したのに、エアバッグの事

故にかかるリコール問題でついに本日の倒産に至りました。

リコール対象製品は全世界で7000万個以上もあり、自動車メーカーは損失を確定するため、裁

判所が関与する法的整理を求めていました。

 

回復のチャンスはなかったのか

タカタ製エアバッグの異常破裂による死者はアメリカ国内だけで11人もの人数になりました

が、エアバッグの最初のリコールは2008年11月。

それから8年半余りの年月が過ぎましたが、結局、エアバッグリコール問題をクリアできずに、

タカタは経営破綻となってしまいました。

タカタは1933年に滋賀県彦根市で織物工場として創業した。織物技術を生かして60年からシートベルトを手がけ、80年にエアバッグの量産も開始。ともに世界シェア約2割を誇る一大メーカーとなり、安全技術の向上を通じて自動車産業の発展を支えてきた。

エアバッグの異常破裂が見られるようになったのは00年代前半。ホンダが初のリコールに踏み切った翌年の09年には米国で初の関連死亡事故が起きた。原因不明のまま異常破裂が相次ぎ批判が高まる中、タカタが製造工程を監査する独立の委員会を設置するなど対応を本格化したのは14年のことだ。対応が後手に回ったとの批判は免れない。

【<タカタ破綻>リコール8年半、なお途上 毎日新聞6/26(月) 11:41配信より】

 エアバッグ異常破裂の原因は何だったのか

タカタは「硝酸アンモニウム」という火薬材料を用いた独自技術に強みを持っていたようです。

エアバッグの動作原理

 エアバッグとは、事故の際、袋状のクッション材に急速にガスを充填して膨らませ、乗員の頭や体がステアリングなどにぶつかる衝撃を和らげる仕組みである。
エアバッグシステムは、主に衝突センサー、ECU(コンピューター)、インフレーター(ガス発生装置)、バッグの4つの要素からなる。その動作は、車両に設置されたセンサーが衝撃を検知し、ECUがエアバッグを必要とする事故かどうかの判断をして、インフレーター(ガス発生装置)に点火指示を出し、インフレーター内部で燃焼したガスが一気にエアバッグを膨らませるという順番で行われる。

と書くと極めてのんびりした話なのだが、検知から乗員の衝突衝撃を終えてバッグがしぼむまでの全ての行程はわずか0.12秒で行われる。瞬きする位の間だ。

この0.12秒を更に細かく見ていくと、インフレーターの着火からエアバッグが開き切るまでの間は0.02秒。そのためにインフレーター内部では火薬などの急速燃焼が行われる。エンジニアの言葉では燃焼だが、普通の日本語では爆発と言った方が解り易いだろう。〈タカタのエアバッグリコール その原因はどこにある?2014.12.09 07:00 THE PAGEより〉

インフレーター(ガス発生装置)とは

インフレーターというのは、要はこの筒の中で爆発(燃焼) が起こり、その燃焼ガスで人を守

るための風船を瞬時に膨らませるものです。

しかも、風船を膨らませっぱなしでは、その風船で人の頭が損傷するので、膨らませて衝突の衝

撃を吸収したら、即時に風船をしぼませる必要があります。

このように、とても難しい作業を1秒以下の短時間でこなす必要があるので、技術的には高度な

ものが要求されることがわかります。

インフレーター(ガス発生装置)の実際例

[画像]ホンダが世界に先駆けて量産採用した二輪用エアバッグのインフレーター。金属製の筒に燃焼材が収められ、点火のための配線が取り付けられている

インフレーターのケースは、当然この瞬間的爆発の高圧に耐えられなければ機能しない。今回のタカタのケースではインフレーターの異常ということまではっきりしているが、自動車メーカー各社からの国土交通省への届け出を子細に見ていくと、インフレーターの何がどう異常かについて、原因は一つだけではないことがわかる。

届け出を内容別に分けて行くと、一番多いケースは2000年から2003年までの国産メーカーから提出されたもので、燃焼材の異常や除湿不足により、爆発圧力が設計値を超えて異常上昇し、金属製の圧力ケースが破損して破片が飛散するというものだ。

近似しているが書き方の違うものもある。輸入車の一部には、高温多湿の環境下でインフレーターに湿気が入りこみ、爆発圧力が設計値を超えるとある。タカタは米国で「高温多湿の地域でのリコールを優先する」と答弁していることからも、おそらく既述の国産メーカー届け出にある「除湿不足」と同内容と考えられる。〈タカタのエアバッグリコール その原因はどこにある?2014.12.09 07:00 THE PAGEより〉

 

不具合の原因は

インフレーター(ガス発生装置)の異常が原因だったようです。

 前述のウォールストリートジャーナルは、タカタが米当局に提出した書類を根拠にして、湿気問題の原因について報道している。それによれば、ワシントン州の工場で、インフレーターに入れるガス発生剤の分量を自動チェックするシステムのスイッチが切られていたことや、メキシコの工場で部品乾燥用の除湿器のスイッチが切られていたことなどが報告されている。

これらが事実とすれば、設計時に意図した生産手順が守られていないことが原因ということになる。マーチのケースも不具合に至る理由はやはり生産時のミスであり、どちらも生産現場の人的要因である。リスクヘッジのために用意された自動チェック機の電源を切ったり、乾燥器を止めたりすれば、製品に不具合が発生することは普通なら容易に想像できる。直截的な言い方をすれば労働者に質的問題があったのではないかと考えられるのである。

生産管理技術者はまさか現場が、ヒューマンエラーに対する各種補完システムの電源を勝手に落とすことまで予見できなかったのではないか。生産管理技術者がどこの国の人かは解らないが、仮に日本人だとすれば、例えば日本の労働者の質に慣れてしまって対応を誤った可能性は高い。想像力の欠如と言えばそう言えるのかも知れないが、筆者自身に当てはめて考えれば、そこまでの想像は難しいだろう。

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