スポーツを頑張っている人には特に気になる「文武両道」が、ネット上で話題になっていま

した。

問題提起となったのは、今夏の第99回全国高校野球選手権(甲子園)で山口県代表とな

った私立の『下関国際高等学校』の野球部監督の言葉でした。

 

その監督の名は坂原秀尚氏(40歳)

坂原氏は若い時、高校野球の指導者になるため教員を目指し、教員免許取得のために東亜大

に通いながら、2005年大学近くの下関国際高校の監督に就任しました。

 

ところが、この高校、残念なことに坂原氏が監督就任前に野球部員の集団万引が発覚、山口

大会の抽選会直前で出場停止処分になるなど、荒れ放題の高校でした。

そんな野球部を立て直したのが、件の坂原監督でした。

 

この話を聞いて、まず思い出すのは京都の伏見工業高校のラグビー部のことです。

当時、伏見工業校(京都市立)というと京都市内での偏差値は下の方で、荒れていた高校で

した。

こう言うと全員が不良生徒のように聞こえますが、そんなことはなく、ほとんどがちゃんと

した生徒で、勉強は苦手な生徒(その時点では)が多かったと思いますが、それは「人格」

や「人間力」とは関係ありません。

一部の生徒だけが不良行為を行っていたということです。

ただ、こうした高校生の不良行為は、たとえ一部の生徒の仕業であっても、「あの学校・・

・」ということになってしまうんですね。

 

「十把一絡げ」に考えてレッテル張りするのは良くないことですが、世の中とはそういうも

のであって、ある意味、人々の行動を良い方向に導いている面も否めません。

つまり、「自分が悪いことをしたら、家族にも関係者にもみんなに迷惑をかけてしまう」という

所に思いが至れば、自分の行動を規制できる面があるからです。

 

さて、その伏見工業高校ラグビー部を鍛え直し、日本一に導いたのが、監督で元日本代表フ

ランカーの山口良治氏でした。

私も彼の講演を直接聞きましたが、熱いハートの持ち主でした。

山口良治監督と伏見工業高校ラグビー部の話は、ドラマ『スクール☆ウォーズ』のモデルと

なったことでも有名です。

伏見工業高校ラグビー部出身者には、平尾誠二氏(元ラグビー選手、元日本代表、元神戸製

鋼)、大八木淳史氏(元ラグビー選手、元日本代表、元神戸製鋼)等の有名人がいます。

 

『下関国際高等学校』の坂原秀尚監督は何と言ったのか。

要は、「文武両道などあり得ない」なんてことを言ったんですね。

「文」も「武」も共に優秀というのは、難しいように思われがちですが、現実にはこういう

人はけっこういますし、私も何人も知っています。

人間、頭のいい人は往々にして運動能力も高く、逆に知能の低い人は運動能力も低い場合が

多いからです。

不公平なことですが、人間の能力は本当に個人差が大きいですね。

 

余談ですが、小学生や中学生で、勉強もできない、運動もできない、ですので場の空気も読

めないとなると、イジメの対象になってしまうことがあります。

 

さて、そんな状況の中で、偏差値36と言われていた下関国際高等学校の野球部を山口県大

会で優勝させた坂原秀尚監督の苦労は並大抵のことではありません。

そうした高校の生徒にマナーを教えるだけでも大変です。

彼は孤軍奮闘だったに違いありません。

でも、「文武両道などあり得ない」と言い切ってしまうのは、彼の若さのせいでしょう。

下関国際高校の野球部の生徒も、「野球」も「勉強」も大切にしなければならないのです。

「文武両道」を目標にすべきなんです。

今は甲子園に出場することが最優先の目標だったでしょうが、それは「文=学問」を捨てる

ことではありません。

たとえ、5分間でも真剣に集中すれば、どんな教科でもわかることがあるはずです。英語の

単語一つでも暗記できるはずです。

 

「文武両道」は、人が目指すべき心構えのこと

「文武両道」とは、人が目指すべき心構えの事です。

「スポーツでも勉強でもトップになる」ということではありません。

もし、トップにならないとだめなんてことになったら、日本一は一人しかいないわけで、

文武両道の人は、日本に一人しかいなくなってしまいます。

 

坂原監督には、今は野球漬けで勉強時間の取れない生徒にも、学ぶことの大切さはちゃんと

伝えてほしいですね。

 

ところで、この坂原監督の「文武両道などあり得ない」という発言に、百獣の王・武井壮が

噛みついたのです。

 

武井壮は本当に困難な状況の中で、勉強も頑張ってきた人なので、「文武両道などあり得

ない」という言葉を聞くと一言、言いたかったのでしょう。

このインタビューに噛み付いたのが武井さんだ。14日放送の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演した武井さんは、甲子園初出場に導いた監督のため、このインタビューで言っていることが全てではないのは分かるが、極端すぎるとした。超一流になった人があまり勉強できなかった、というのは結果の話であり、勉強が出来てトップに立っている人もいる。そういう人たちは怪我などでスポーツ人生が絶たれても次の仕事は引く手あまただ、などと語り出した。
「文武両道などあり得ない」偏差値36甲子園初出場監督の持論に武井壮が噛み付く

 

ネットでは、武井壮への批判の方が多いようですが、熱血漢・武井壮らしくて、まあ、いい

じゃないですか。

 

坂原監督には、もう少し全身の力みを抜いてもらって、「運動」も「勉強」も、大切なこ

とを生徒に教えてもらい、そして野球できることの喜び、運動できることの楽しさを伝えて

ほしいですね。

「練習の苦しさ」と「野球が好き」だと思えることは別のはず。

野球が好きだからこそ、苦しい練習にも耐えることができるのです。

 

これからは坂原監督が生徒の尻を叩かなくても、生徒が自律的に野球に取り組んで、再び甲

子園に出てくることを期待しています。

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