「恣意的」と「意図的」が混同されているのでは

最近の政治に関するニュース、「共謀罪」や「憲法9条論議」の中で、よく「恣意的」という言

葉が使われています。「権力者側が、共謀罪を恣意的に運用する危険性がある」というような表

現です。

でも、「恣意的」の本来的な意味から考えると、この表現はちょっとずれていて、ここは「意図

的」を使って、「共謀罪を意図的に適用する危険性がある」というべきではないでしょうか。

なぜなら、権力者側が「政府に反対しているこの連中・集団を一網打尽にしてやれ」という明確

な意図を持って、共謀罪を適用するのですから、「恣意的」より「意図的」を使うべきだと思ん

ですね。

 

〈スポンサーリンク〉

 

恣意・恣意的の本来的意味は

「恣意」を『広辞苑』を引いてみると、

【恣意=気ままな心。自分勝手な考え。例文として、恣意的な解釈】となっています。

この広辞苑の意味から考えると、「恣意的な共謀罪の適用」は「きままで自分勝手な共謀罪の適

用」という意味になってしまい、ちょっとずれているように思います。「きままな心で適用す

る」のではなくて、ある意図を持って適用するはずだからです。

そこで、「恣意」を他の辞書で引いてみると、

『デジタル大辞泉』では、

【恣意=[形動]気ままで自分勝手なさま。論理的な必然性がなく、思うままにふるまうさま。「恣意的な判断」「規則を恣意的に運用する】となっています。

また、『大辞林 第三版』では、

【恣意=( 形動 ) その時々の思いつきで物事を判断するさま。 「 -な解釈」】となっています。

やっぱり、「恣意」の意味は、思いつき、気まま、自分勝手という意味あいを持っているんです

ね。

 

やっぱり、恣意的と意図的が誤用されている。

一方、「意図的」の意味は、広辞苑では、

【意図的=目的や思惑を持って行動するさま】となっています。

このように、「恣意的」と「意図的」の意味を考えると、警察がある集団に共謀罪を適用して取

り締まろうとする場合は「明確な意図」を有しているはずですから、「意図的」の方が適してい

と思います。

 

また、「意図的」に似ている言葉に「作為的」という言葉もあります。

「意図的」の方は、「(悪意を持って)意図的」に行動することもあれば、「(善意で)意図を

持って」行動する場合もありますが、「作為的」の方は、必ず「悪意」を包含しています。

 

以上、「恣意的」と「意図的」の意味の考察でした。

 

〈スポンサーリンク〉