私も教師時代に、モンスターペアレントに何人か出会いましたね。
相手が教師だからとなめてかかり、普段の自分の不満をすべてぶつけてきます。悪ガキが教師を殴っておきながら、「反撃して生徒を殴ったら首になるぞ。教育委員会に言いつけてやる!」と言っているようなものです。

「もう1回運動会やれ」校長に包丁突き付ける 容疑の夫婦を逮捕 子供が運動会に出られず?
産経新聞 10月5日(水)19時44分配信 茨城県警日立署は4日、暴力行為等処罰法違反の容疑で、茨城県日立市南高野町の無職、生天目(なばため)利明容疑者(50)と妻で無職の由貴子容疑者(49)を逮捕した。逮捕容疑は2日、自宅を訪れた、子供が通う同市内の学校の校長と教員2人に、包丁を突き付けて「運動会をもう1回やれ」などと脅迫したとしている。利明容疑者は「やっていない」と容疑を否認、由貴子容疑者は「間違いありません」と容疑を認めている。同署によると、両容疑者は子供が通う学校に対し、2日に行われた運動会を「延期しろ」と複数回にわたって要求していたという。
・・・・(以下略)

 

  逮捕されたのは、生天目(なばため)利明容疑者(50)と妻の由貴子容疑者(49)。
まず、この珍しい苗字に注目しましたね。
「生天目」を「なばため」とは、とても読めないですね。茨城県日立市には、こうした苗字は他にあるのでしょうか。

 さて、私の教師経験からこの夫婦の普段の生活ぶりは大方推察できます。想像でもの事を断定するのは避けるべきですが、経験上、モンスターペアレントにはちゃんとした生活ぶりの人は少なかったね。

経済的に破たんしている家庭が多かったし、経済的破たんにはそれなりの理由がありました。

「モンスターペアレント」対応で一番困るのは、「道理が通らない」ということです。何を言っても相手の言うことがわからない、道理が通じないということです。上記のニュースも、普通の人なら考えられない言い分や行為ですよね。

さらに困るのは、こうした家庭の子供は往々にして、しつけが行き届いておらず、クラスの中でトラブルをよく起こします。そのため、保護者にそのことを連絡して協力してもらわなければならないのですが、道理が通じない親だからそのことがまた、理不尽なトラブルにつながることになったりします。
 私はさすがに包丁を突き付けられたことはありませんが、「暴力団の〇〇組に言いつけてやる」みたいなことを言われたことはありますね。

こういうことで、学校の先生方は本当に疲れ果てている現状があります。特に都会の学校は大変です。田舎は世間が狭いので、まだしもそのことが良い方向に働いていると思いますが。

 

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「モンスターペアレント」先鋭化 裁判沙汰も…疲弊する教師たち  izaニュース 産経新聞

学校や教師に無理な要求をする「モンスターペアレント」をめぐるトラブルが後を絶たず、法廷に争いが持ち込まれる事態になっている。兵庫県内でも、母親が学校側に子供の成績表の評価を上げるよう求めて提訴し、神戸地裁が「請求権がない」として、訴えを却下するというケースがあった。教師側もだまってはいない。保護者から一方的に暴力をふるわれたとして、保護者に損害賠償を求める訴訟も起きた。教育現場に、何が起きているのか。

成績表上げろ!

兵庫県内の公立小学校に通う児童の母親は平成25年9月、自治体を相手取り行政訴訟を起こした。驚きの内容は「学校側に児童の成績表の評価を上げ、謝罪を求める」というもの。

母親は、児童がテストの点が良いにもかかわらず、3段階評価で真ん中の「できる」という評価だったと指摘。「厳しい評価で差別的だ」と主張し、一番高い評価の「よくできる」に改善するよう訴えた。

神戸地裁判決は今年2月、成績表は校長の裁量で教諭に作成させ、保護者に指導状況を連絡するものとした上で「成績表作成は法的根拠のない行為で、行政訴訟の請求権がない」として訴えを却下。また、謝罪要求についても、成績表は保護者に交付され、第三者に公表されないとして「名誉毀損(きそん)にも当たらず、訴えに理由がない」とした。

 

笑っちゃいますよね。こんなことをよく訴え出たと思います。民事訴訟なり、行政訴訟なりを起こすということは、普通は大きな精神的エネルギーと訴訟費用がかかります。弁護士なしには訴訟を進行することなどできないですからね。ですので、訴えを起こしたこの母親はそれなりにゆとりのある家庭かなと思います。
 

 しかしこんな訴えに「訴えの利益」があるわけもなく、裁判所は訴えを「却下」。当然の門前払いです。母親の異常な執着心が伝わってきますので、担任をはじめ、学校側は大変な苦労をしてきたと思います。

次は、被害を受けた教師が民事訴訟を起こした例です。

◆先生も損賠請求

「(体罰を)やったんか、やってへんのかどっちや」。小学生の子供を持つ同県内の父親は25年11月、担任教師にこうすごみ、顔を数発殴った。教師は前歯が折れるなど全治約3カ月の重傷を負った。

事の発端はこの2日前、教師が保健室でこの児童とアニメのまねをして遊んでいた際、児童が転んでしまったことだ。児童は痛がらなかったが、後日、母親が教師を自宅に呼びつけ「頭にたんこぶができた」「体罰とちがうんか」と怒鳴った。ちょうどそのとき、父親が帰宅。同じように怒り教師を殴ったという。

父親は傷害容疑で逮捕、起訴され、今年2月に神戸地裁支部で懲役1年6月、執行猶予5年の有罪判決を受けたが、事態は収まらなかった。

教師は3月、大けがをさせられ暴行によるストレス障害に苦しんでいるなどとして、慰謝料など約220万円の損害賠償を求める訴えを神戸地裁に起こした。請求は認められ、父親に請求額と同額の支払いを命じる判決が言い渡された。

 

被害教師は泣き寝入りするな!

先生の損害賠償請求は、当然かつ適切な行為だったと思います。父親は刑事事件として裁かれましたが、善良な教師の身体的被害はそれでは償われません。

「父親に請求額と同額の支払いを命じる判決が言い渡された」ということですので、全面勝訴です。

 しかし、勝訴判決を受けても、裁判所が「あなたは正しい。父親に賠償請求していいよ」というお墨付きをくれただけですので(このお墨付きを債務名義と言います)、この220万円を実際に支払わせるまでが、また一苦労です。多くの犯罪被害者が民事で勝訴しても、実際の支払いはほとんど受けられていません。

学校・教育委員会は、この先生が損害金の支払いを完全に受けるまで、支援すべきです。なぜなら公務の場で起きた事件ですから。

 モンスターペアレント対応で最前線の教師が一番困り、かつ孤立感を深めるのは、「トラブルが起こるのは教師の対応が悪いからだ」という認識が管理職や教育委員会にあることです。いわゆる「事なかれ主義」です。これには、私も困ったね。

 確かに教師の中には、そういう対応のまずい人もいますが、管理職の基本的スタンスとしては、教師を応援してあげないとね。

先生方、身体を大切にして頑張れ!

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