普段の生活では、考えられない事故がありました。
9月29日に島根県出雲市の市立小学校6年の女子児童(11歳)が、修学旅行先のホテルの風呂で溺死したというのです。

小6女児、修学旅行先で溺死 ホテルで入浴中
2016年9月30日 21時52分 朝日新聞デジタル

島根県出雲市教委は30日、市立小学校6年の女子児童(11)が29日に修学旅行先の広島県内のホテルの風呂で亡くなったと発表した。死因は溺死(できし)という。女児は旅行前、体調がすぐれないとして親が学校に相談していた。

 市教委によると、女児は29日午後8時45分ごろ、廿日市市のホテルで他の児童13人とともに入浴。同9時すぎ、女児だけが出て来ないことに更衣室にいた女性教員(48)が気づいた。女児は浴槽に仰向けで沈んでいて、搬送先の病院で死亡が確認された。

 

小学6年と言えば子供ではありますが、大人的な視野がある程度、成長してくる時期です。

13人で入浴していて、当該女児が沈む瞬間を見た児童がいなかったのでしょうか。入浴している最中に姿が見えなくなったことに気付いた女児はいなかったのでしょうか、風呂から脱衣場に上がってきた中で、当該女児がいないのに気付いた女児はいなかったのでしょうか。監視教員まで配置しておきながら、彼女の異常に誰も気付けなかったことが残念でなりません。

一般に、修学旅行で使うホテルは、広い岩風呂が延々とつながっているような豪勢な観光ホテルではありません。もちろん、旅行社は少しでも施設・設備の整ったホテルを押さえようとしますが、予算の関係でそうはいきません。

ですので、ホテルの風呂場はそれなりに見渡せる広さしかなかったと考えられますが、このときは、誰も気付くことができなかったのですね。不可解ですが、事故とはこういう普段ではありえない隙を突いて襲ってくるものなんでしょう。

あと、思ったのは、当該女児に「仲良し」の親友はいなかったのかなということ。

小学校6年生の女児というと、よく「仲良し」がいて、いつも一緒に行動しています。職員室に来るのも一緒、体育館に行くのも一緒、昼休みも一緒といった具合です。私が学習支援で(小学校の教員免許は持っていないので、あくまで支援)、小学6年生の授業を見ていたときもそうでした。

そんな「仲良し」がいて、もし一緒にお風呂に入っていたら、「異変」に気付いてもらえたかもしれないなと思ってしまいます。

女児は6月に自宅で入浴した際に意識がもうろうとし、9月に入ってからも気分が悪くなったことがあり、13日に母親が教員と面談し、旅行先での配慮を求めていた。修学旅行は同じ地域の2校による合同旅行で、両校は女児の情報を共有。更衣室にいたのは女児とは別の学校の教員で浴室にも出入りしたとしているが、「暗くて湯気もあり、分からなかった」と話しているという。 会見した槇野信幸教育長は「旅行での管理状況が適切だったかどうか検証したい」と話した。

 

記事のこの件を読むと、親の悲しみ・無念・怒りが伝わってきます。

「この女の子は入浴した際に意識がもうろうとし、9月に入ってからも気分が悪くなったこと」を、母親は学校側にちゃんと説明し、しかも、電話ではなく直接、教員と面談して、旅行先での配慮を求めていたのです。
その上での事故だった!
娘が修学旅行に出かけていったときのことは私もよく覚えています。そんな我が子が帰らぬ人になろうとは誰が想像できるでしょうか。

教師の方も情報共有していたということですので、組織運営上では、配慮出来ていたのでしょう。

しかし、入浴中に意識がもうろうとするという症状が、ホテルの浴場という現場で何を意味するかということを教師はきっと、理解できていなかったのですね。家庭風呂と違ってホテルの浴場は、プールに近い存在です。そこで意識を失えば即刻、溺死につながります。会議で情報共有していたとは言え、母親が伝えたかった現実のリスク・心配を教師は受け止めることが出来なかったのです。

母親の申し出から考えれば、プールの監視以上の注意が必要でした。相談を受けた学校の教員が風呂場にいなかったことも大きな落ち度だと思います。他校の教員が「注意してね」と聞いただけでは、その現実の危険性を理解できなかったのかもしれません。その証拠に当該教員は、「暗くて湯気もあり、分からなかった」と話しています。風呂場をのぞき込んでも当該女児を確認できないまま、すましてしまったのです。

私も何度も修学旅行を引率しました。教師は修学旅行が、生徒・児童の一生の思い出になるようにと一生懸命です。ハレンチ教師のニュースばかりが報道されますが、ほとんどの教師は子供たちのためと思い頑張っています。
そんな中でこんな事故を起こしてしまいました。残念でなりません。

不幸な事故でしたが、責任の所在とともに親の悲しみ・無念・怒りを学校・教師・教育委員会はしっかりと受け止めてほしいと思います。

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