こないだ、「電通」が広告にかかる不正を行ったというニュースが伝わってきました。最近は大手の不正(東芝の不正経理や三菱自動車の不正など)事件に慣れていたので(慣れちゃいかんね!)、ブログを書く気にはなりませんでした。

しかし、新入女子社員が過労でうつ病に追い込まれて自殺した件では、がぜん、ほおっておけず、『過労死の新入社員、悲劇を繰り返すな。会社はうつ病に陥った社員に責任ある対応を!』・『電通の新入社員自殺に係る武蔵野大学「長谷川秀夫」教授の発言が炎上している件』を書きました。

それで、書きながら、こないだの不正事件も併せて、この「電通」という大手広告代理店は一体、どういう会社なんだろうと思ったんですね。
古い話で恐縮ですが、私が学生の頃は大方の学生にはあまり、興味のない会社だったのではないかな。当時は、大手メーカーや総合商社、大手銀行などが人気だったので、広告会社という位置づけがあまり関心を呼んでいなかったのだと思います。(私の勝手な憶測<m(__)m>)

ところが時代が変わり、今やITの時代になり、物流・金融もグローバル化して宣伝の重要性が増しています。

でも、こないだの広告不正に係る文書を見て、会社は素直に反省していないように思えたんですね。完全な詐欺を働いていながら、ケアレスミスでこうなったというような言い方をしているんです。社員の過重労働とか構造的な部分もあるんじゃないかな。それに、社風はどうなんかな?

「電通」が、2016年9月23日付けで「日本国内のデジタル広告サービスにおける不適切業務の発生について」という文書を出しています。

・・・・(略)
国内で行った運用型をはじめとする広告主向けのデジタル広告サービスにおいて、複数の不適切業務が行われていた事実が判明いたしました。
現時点で把握した不適切業務には、故意または人為的なミスに基づく広告掲載期間のずれ、未掲出、運用状況や実績に関する虚偽の報告が含まれており、加えて、実態とは異なる請求書が作成されて、過剰な請求が行われる結果となった事実も確認されております。
・・・・(略)

 

 

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故意または人為的なミスに基づく広告掲載期間のずれ、未掲出、運用状況や実績・・・・・実態とは異なる請求書が作成されて、過剰な請求が行われる・・・・」
これって、「不適切業務」どころか、完全な犯罪行為で刑法犯じゃないですか。

「日本国内のデジタル広告サービスにおける不適切業務の発生について」などというタイトルではなく、まずタイトルは『お詫び』でしょ!

さて、文書の中にある「運用型公告」とは

公告というと、まずテレビコマーシャルや新聞広告、雑誌広告、新聞チラシなどとともに、現在ではネット上の広告を思い浮かべます。

「運用型広告」というのは、この中のネット広告に含まれます。

そして、ネット広告にはいくつかタイプがあって、「一定期間バナーを張り付けること」で広告料を支払ったり、クリック数を指定して、「1万クリック分をいくら」というように契約するものがあります。(クリック保証型広告)

しかし、これらのいわゆる「枠買い」の広告は、すべての人に(興味のない人にも)配信する(バナーを見せる)ので、公告の効率が良くありません。それで広告効果を上げるために、最近では「運用型広告」というのが主流になっているのです。

この「運用型広告」は、広告料を契約する方法が基本的にオークションになっていて、1クリック〇〇円という形で入札する広告です。落札できれば、広告が掲載されるという仕組みです。
たとえば、グーグルが提供している検索連動型広告の「Google Adwords」が「運用型広告」の仲間です。この「Google Adwords」は、「〇〇というキーワードが検索されたときに、自社製品の広告を表示させたい」という場合に、その「〇〇」というキーワードを入札します。その入札単価が高ければ高いほど、基本的には検索画面のより上位に表示されることになります。
ただ、この上位表示は実際は入札単価だけでは決まりません。
「広告ランク」という値が、広告の掲載順位(ページのどこに広告が掲載されるか)や広告掲載の有無を決めています。
では、広告ランクは何によって決まるのかというと、主に「入札単価」と「広告やウェブサイトの品質」によって決まっているのです。
したがって、入札の競争相手が自分より高い入札単価を設定している場合でも、キーワードと広告の関連性が高ければ、低い入札単価でも掲載順位が高くなる可能性があります。(参考:Google Adwordsヘルプ)

このように、広告主は可能な限りユーザーの年齢、性別、興味等に焦点をあてて、ピンポイントで広告を打つことで、費用対効果を上げようとしています。

そこで、必要かつ重要になってくるのが広告の「運用」です。

「運用型」広告は、1クリック〇〇円という形で入札するので(この辺りはリスティングと同じ)、毎回ページが表示される度にその場所に出る可能性のある広告同士が0.1秒以内に入札を行い、競り勝った広告が掲出されることになります。

このように、予算を元に、随時入札価格やその他調整できる項目をリアルタイムで調整しながら、効率を上げていく広告が運用型広告なのです。それぞれのアカウント画面から、リアルタイムで広告の掲出状況を調整できるのです。

入札にチャレンジしていても、自分の表示したい広告があまり掲出されないようであれば、入札単価を上げて掲出されるようにします。しかし、入札価格を上げすぎると、1クリック当たりの単価が上昇して、費用対効果が下がります。

そこで、広告の費用対効果を最大限に高める事が「運用」の目的であり、広告代理店はこの「運用」業務を行っているのです
今回の不正事件は、少なくとも4年前には行われていたのに、(不正を確かめるデータは、2012年11月以降分しか残されていないという)内部告発もないまま、今日まで発覚しませんでした。

なぜ、発覚したのかというと、顧客である「トヨタ自動車」からの指摘が7月にあったからです。世界的大企業の大口顧客からの指摘ですので、無視できなかったのでしょう。

トヨタの広告担当者が、「ある時期における広告効果が期待値に比べ、一向に上がってこない。本当に掲載されているのか?」と疑義を持ったということです。
今日まで、他に指摘・疑義を唱える企業はなかったのでしょうか。

それに社内の相当数の人間がこの不正には気付いていたはず。それなのに社外の人間が指摘するまで、ほったらかしにしてきました。このあたりのことからも、電通の体質を垣間見ることができるように思います。

公表文書によると、現在までに発覚している不正に係る業務の対象となる広告主は111社、金額は約2億3千万に上るといいます。

 

そんな会社「電通」の平均年収を見てみましょう。

電通の平均年収
〈出典:平均年取.JP〉
電通の年収の平均は、1188万円でした。(有価証券報告書調べ)
年度別の年収は
平成27年3月:1229万円
平成26年3月:1191万円
平成25年3月:1143万円
平成24年3月:1145万円
平成23年3月:1163万円
平成22年3月:1118万円
ここ数年での年収推移は1118万円(最低)~1191万円(最高)となっています。
給料:約96万円
電通とは:
明治時代に作り上げられた日本広告を前身に持つ広告代理店です。
同業である博報堂と並び、日本での知名度は大変高い企業であり、その社会的影響力は計り知れません。
ただし、不思議なことに電通は世界最大の広告代理店でありながら、グローバルな知名度がまったくないのだといいます。
日本のみで完全なる市場を創出していることから、海外に目を向ける必要はすでにないのでしょうか。
本社所在地:東京都港区東新橋一丁目8番1号 汐留電通本社ビル
電通の設立時期:1906年

 

上記資料を見ると極端に高額な年収です。東京23区別平均収入1位の港区、902万円を軽く超えています。東京23区別「平均年収ランキング」~こんなに違うんですね。

今回の不正の温床になった「運用型広告」分野は、急成長している分野で現場の負担は大きく、人員も十分ではなかったといいます。過労自殺をした高橋まつりさんが、東大卒業業後、昨年4月に配属されたのはインターネット広告を担当するデジタル・アカウント部でした。今回不正が発覚した「デジタル広告サービス」部門と関係があるのでしょうか。

彼女のSNSをみると、やってもやっても終わりのない過剰な仕事量と周囲のパワハラで心が押しつぶされていく様子が切実に伝わってきます。

「高い給料を払っているんだから、残業でも何でもやれ」なんてことにはなりません。
今回の不正、そして高橋まつりさんの過労による自死を厳粛に受け止めて、経営陣は早急に労働環境を改善すべきだと思います。

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