こないだ、『「電通」という会社はどういう会社?不正のあった「運用型広告」とは。新入女子社員の自死に誠実な対応を!』でも、電通はどんな会社か?と書きましたが、その会社のいわゆる社訓がニュースに出ていました。

電通「鬼十則」背景か 東大卒エリート美女、自殺までに綴った苦悶の叫び
産経新聞 10月15日(土)20時0分配信

 広告大手代理店「電通」に勤めていた高橋まつりさん=当時(24)=が、過労を苦に自殺したことが波紋を広げている。高橋さんは直前の2カ月、友人や母親らに、LINEやツイッターなどで「過労」をうかがわせる50通以上のメッセージを発信していた。「本気で死んでしまいたい」。そこには、もだえるような苦しみがつづられている。電通は以前にも入社2年目の男性社員を過労自殺で失った。悲劇はなぜ繰り返されてしまったのか-(メッセージは原文のまま)。

 ■「遺書メールに誰を入れるか考えていた」

 「休日返上で作った資料をボロくそに言われた もう体も心もズタズタだ」(10月13日)

 「眠りたい以外の感情を失った」(10月14日)
・・・・・・

 

まず、追い詰められて亡くなった高橋まつりさん(当時24歳)の悲鳴をLINEやツィッターから抜き出します。(原文ママ)
彼女は昨年、平成27年3月に東京大学文学部を卒業し、4月に電通に入社して同年10月にはインターネットの広告部門を担当していました。
彼女は半年間の試用期間を終えて本採用となったばかりで、広告部門の人手不足とそれに伴う業務の増加に苦しんでいました。

 

(10月13日)「休日返上で作った資料をボロくそに言われた もう体も心もズタズタだ」

(10月14日)「眠りたい以外の感情を失った」

(11月3日)「生きているために働いているのか、働くために生きているのか分からなくなってからが人生」

(11月5日)「土日も出勤しなければならないことがまた決定し、本気で死んでしまいたい」

(11月10日)「毎日次の日が来るのが怖くてねられない」

(11月12日)「道歩いている時に死ぬのにてきしてそうな歩道橋を探しがちになっているのに気づいて今こういう形になってます…」

(12月16日)「死にたいと思いながらこんなストレスフルな毎日を乗り越えた先に何が残るんだろうか」

(12月17日)「なんらな死んだほうがよっぽど幸福なんじゃないかとさえ思って。死ぬ前に送る遺書メールのCC(あて先)に誰を入れるのがベストな布陣を考えてた」

他に、高橋さんのメッセージからは、上司から「髪がボサボサ、目が充血したまま出勤するな」「女子力がない」と言われるなどのパワハラをうかがわせる内容もあった。

 

11月に入ると、「死」という言葉がメッセージに出てくるようになり、12月に入ると自殺について具体的な表現が出てきます。
そして、12月25日クリスマスの日についに社員寮の4階から身を投げました。

次は電通に受け継がれる「鬼十則」です。

 

産経新聞 10月15日(土)20時0分配信
 ・・・・・・・・・                                   弁護士側は、電通の過労体質を指摘した上で、第4代吉田秀雄社長の遺訓とされる「鬼十則」を明らかにした。電通の社員手帳に掲げられているという十則の一部を紹介する。 ・取り組んだら「放すな」、殺されても放すな、目的完遂までは。 ・仕事とは、先手先手と「働き掛け」で行くことで、受け身でやるものではない。

 ・頭は常に「全回転」、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそういうものだ。

  東京労働局の過重労働撲滅特別対策班などは14日、労働時間管理の実態を調べるため、労働基準法に基づき、電通に立ち入り調査。まつりさんのほかにも問題ある働き方がなかったか、全社的な状況を調べている。

 

「殺されても放すな、目的完遂までは。」という文言がありますが、言葉としてはこういう表現は十分あることですよね。普段でも、「死ぬ気でやれ!」とか、「死ぬ気で頑張ります!」みたいな表現をすることはあると思います。
しかし、「心構え」としてそういう表現をすることと、残業続きの社員が2時間前後の睡眠時間しか取れていないのに、土・日出勤をさせるということとは、別の話です。

彼女はとうとう、うつ病に陥り、その結果不眠症となり、会議中にうとうとすることもあったでしょう。ところが、彼女のそうした状況や労働環境に上司が何ら配慮をせず、「髪がボサボサ、目が充血したまま出勤するな」「女子力がない」などと言えば、完全にとどめを刺されることになります。
しんどくても、部署のみんなが一緒になってそれを共有できたり、上司の理解があれば、こんな結果にならなかったのではないでしょうか。 

つぎは、母親との最後のメールと電話です。
記者会見の写真に父親が写っていなかったので、「もしや」と思っていましたが、やはり、お母さんは離婚されていたんですね。
女手一つで育てた我が子が、こんな形で亡くなってしまい、母親の悲しみと無念は計り知れません。

うつ病になった人が自殺まで考えるとき、それを思いとどまらせることは、本当に難しいです。幸い、多くの場合は自殺には至らないのですが。
うつ病の方が、ある意味、気力があると危険です。その気力が自殺に至る行動力につながることがあるからです。

■母親との最後の電話

 「仕事も人生もとてもつらい。今までありがとう」。高橋さんの母、幸美さん(53)のもとには亡くなる直前、このようなメールが届いていた。

 びっくりした幸美さんはすぐに電話して「死んではだめ」と伝えたが、まつりさんは「うん、うん」というだけだったという。

 中学生のときに離婚した幸美さんは、女手一つで2人の子供を育てた。まつりさんは「一流企業に就職し、お母さんを楽にしてあげたい」と東大に現役合格するほどの親孝行だったという。

 幸美さんは「内定をもらう前から長時間労働ではと心配していた。労災認定されても娘は2度と戻ってこない。命より大切な仕事はないのに」と訴えた。

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