昨年、2年もの間、拉致監禁されていた少女が犯人のもとから脱出し、無事生還したという

驚き出来事がありました。<無事救出されたが不可解~埼玉県朝霞市「中学1年少女誘拐事件」の初公判

 

その犯人への求刑が7月25日さいたま地裁で行われ、検察は懲役15年を求刑しました。

懲役15年の求刑が、果たして妥当なのかどうか。

結果的に殺人には至らなかったですが、両親・被害者家族にしてみれば、本音は死刑に

してほしいくらいの悪質な犯行です。

判決は8月29日に行われますが、どのような判決になるのか。

単純に求刑の8掛けで、懲役12年の言い渡しになったりするのでしょうか。

 

さて、その裁判の中で、犯人の精神分析が行われ、「自閉スペクトラム症」あるいは、

弁護側の主張では「統合失調症」の可能性があるという話が出てきました。

 

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自閉スペクトラム症及び統合失調症とは

時々、耳にする障害の名前ですが似たような言葉があり、何度聞いてもよくわかりません。

そこで今日の投稿では、私なりにこうした障害を理解して、整理してみたいと思いますが、

各サイトの資料を読んでいても、それぞれ内容が錯綜していて、よくわからない部分が

あります。

それで、子供の親として、また、一般社会人として、まあまあ理解できたらいいなという

ポジションでまとめますので、その点、ご了承ください。

 

自閉スペクトラム症とは(参考・出典:自閉症スペクトラム障害とは?年代別の特徴や診断方法は?治療・療育方法はあるの?

まず、自閉症と自閉スペクトラム症の違い

自閉症の方は自閉症という言葉から自分の世界に閉じこもり、社会・周囲とのコミュニケ

ーションが取れない子供という症状が読み取れますが、自閉症スペクトラムはどうなんで

しょうか。

 

自閉症スペクトラムとは,自閉的な特徴がある人は,知能障害などその他の問題の有無・

程度にかかわらず,その状況に応じて支援を必要とし,その点 では自閉症やアスペルガ

ー症候群などと区分しなくてよいという意味と,自閉症や アスペルガー症候群などの広

汎性発達障害の下位分類の状態はそれぞれ独立したも のではなく状態像として連続して

いる一つのものと考えることができるという二つ の意味合いが含まれた概念である。

したがって,自閉症スペクトラム障害には下位分類がなく,自閉的な特徴のある子供は

全て自閉症スペクトラム障害の診断名となる。<文科省の定義>

 

文科省の定義では、「自閉的な特徴のある子どもすべて」=「自閉症スペクトラム障害」

ということなんですね。
さらに、自閉症スペクトラム障害であると同時に知的障害のある場合と知的障害がない場合

があります。

 

では自閉症とは。

 

<出典:知的障害、発達障害、自閉症のそれぞれの違い
自閉症は、コミュニケーションの質的な異常、言語発達の異常、興味の幅が狭いこと

(ちょっと単純化してますので、Wikiなどで調べると正確な定義が出ます)で診断され

る、発達障害の一種ですが、大きく言うとコミュニケーション障害です。

時々、知恵袋などで「引きこもり」と並列で語られることがありますが、

自分に閉じこもる障害じゃなくて、コミュニケーションに問題があるから自閉に

見えるという意味です。

 

自閉症は、コミュニケーションの質的な異常、言語発達の異常、興味の幅が狭いこと

診断される、発達障害の一種で、大きく言うとコミュニケーション障害ということです。

この説明はわかりやすいですね。

 

では発達障害とは

 

発達障害の定義<出典:りたりこ発達ナビ

日本における発達障害の定義は、平成16年に制定された「発達障害者支援法」によって

定められており、世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)の基

準に準拠しています。

同法の定義では、「『発達障害』とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達

障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状

が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。」とされています。

さらに同法の施行について文部科学省から発せられた文書では「てんかんなどの中枢神

経系の疾患、脳外傷や脳血管障害の後遺症が、上記の障害を伴うものである場合におい

ても、法の対象とするものである」とされています。

また、子どもだけではなく、大人になってから検査を受け、発達障害の診断を受けること

もあります。

 

ところで、学習障害という言葉があり、ますます混乱してしまいます。

「学習障害と発達障害」、「学習障害と知的障害」との違いはどう、理解したらいいので

しょうか。

 

学習障害と発達障害と知的障害の区別

 

学習障害と知的障害<出典:発達障害療育の糸口

知的障害と学習障害にも、似ている症状がありますが、知能指数(IQ)が70以上で学習

障害の症状がある場合には学習障害と診断され、70以下の場合には知的障害と診断され

ます。

知的障害は学習面も含めた全面的な知能の発達に遅れがあり、学習障害は特定の学習に

困難を生じます。

 

知的障害者認定とは?

知的障害者として認定されると、療育手帳が交付されます。療育手帳には、知的障害の程

度によってA・Bのどちらかが記載されます。
最重度・重度の場合はA、中度・軽度の場合はBと記載されます。

また、知的障害者認定を受けると、障害年金や特別障害者手当などの制度が受けられる

場合もあります。

 

次は知的障害と発達障害の違いがわかりやすく、説明されています。

知的障害と発達障害の違い

 

<出典:知的障害、発達障害、自閉症のそれぞれの違い

知的障害と発達障害は異なる概念です。

知的障害は、知的活動が年齢相応の発達から遅れていることで、だいたい知能検査で

IQが70未満の状態で認定されます(知能検査は言語や記憶などを調査します)。

また、「精神発達遅滞」などと呼ばれることもあります。ややこしいですね。

これに対し、発達障害は、自閉症やADHD、学習障害などの上位概念で、主として

社会性に問題のある状態で認定されます。コミュニケーション能力に問題があるのが自閉

系の障害、過度に落ち着きがなかったり不注意だったりするADHD、文字や数字などの

認識に問題がある学習障害・・・いずれも全般的な知的能力とは少し異なる問題だと理解し

てください。

 

統合失調症とは

最後は、弁護側の主張する統合失調症についてです。

まず、統合失調症とは、以前、「精神分裂病」と呼ばれていた精神疾患です。

 

「精神分裂病」というと、それまで差別的な文言として定着していたので、それを解消する

意味もあって、「統合失調症」という名称に変更したと聞いています。

患者さんの家族の願いからしても、「精神が分裂している病」という言い方はよくないですね。

 

「統合失調症」と言っても症状は様々で、穏やかな症状の人もあれば、正直、行動が予見で

きないような人もいて、複数の大人が対応しなければならないようなケースもあります。

 

次は、厚生労働省による統合失調症の説明です。

<出典:厚生労働省「統合失調症とは」

統合失調症は、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。

それに伴って、人々と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け(生活の

障害)、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考え

ることが難しくなりやすい(病識の障害)、という特徴を併せもっています。

多くの精神疾患と同じように慢性の経過をたどりやすく、その間に幻覚や妄想が強くなる

急性期が出現します。

新しい薬の開発と心理社会的ケアの進歩により、初発患者のほぼ半数は、完全かつ長期

的な回復を期待できるようになりました(WHO 2001)。

以前は「精神分裂病」が正式の病名でしたが、「統合失調症」へと名称変更されました。

 

次は、25日の論告求刑公判に関する記事です。

犯人・寺内樺風(かぶ)被告の逮捕されたときの様子や、大阪教育大学附属中学校池田卒→

大阪府池田高等学校卒→千葉大学工学部情報画像学科入学という学歴から、私は「統合失調

症」を連想できません。

知的レベルが高く、用意周到な計画性や冷静な行動力を持ち合わせている統合失調症なんて

あるのでしょうか。

 

弁護側は、きっと本人の責任能力を争うためだけに「統合失調症」を持ち出してきているので

しょう。「統合失調症」の方が、心神喪失状態を主張しやすいですから。

精神的な障害を言うなら、検察側の言う「自閉スペクトラム症の傾向」の方が妥当だと思い

ますね。

 

<埼玉少女誘拐>検察側、懲役15年を求刑「動機は身勝手」
7/25(火) 12:00配信 毎日新聞

埼玉県朝霞市で2014年に行方不明になった当時中学1年の少女が約2年後に保護され

た事件で、未成年者誘拐と監禁致傷などの罪に問われた寺内樺風(かぶ)被告(24)の

論告求刑公判が25日、さいたま地裁(松原里美裁判長)であった。検察側は「『社会か

ら隔離した人を観察したかった』などという動機は身勝手で、酌量の余地はない」として

懲役15年を求刑した。判決は8月29日。

検察側は論告で「ネットで中学校を物色して少女を追尾し、自宅や名前を把握するなど計

画的かつ巧妙な犯行だ」と指摘。公判中に実施した精神鑑定結果を踏まえ「自閉スペクト

ラム症の傾向にあるが、自身の欲望に従って犯行に及んだ」として完全責任能力が認めら

れると主張した。

一方、弁護側はこれまでの公判で「被告は統合失調症の可能性があり責任能力は限定的

だ」と主張していた。

この日は少女の母親らが意見陳述し「被告は自分の犯したことなのに、ひとごとなのは

非常に不愉快。一生、刑務所から出て来てほしくない」と述べた。

起訴状などによると、寺内被告は14年3月10日、朝霞市で当時13歳の少女を車に

乗せて誘拐。16年3月まで千葉市や東京都中野区の自宅マンションで監禁し、重度の

心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負わせたなどとされる。

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