学校でも職場でも、自殺のニュースが後を絶ちません。

追い詰められた本人はもとより、残された家族の心情を思うといたたまれない気持ちになり

ます。

特に子供に先立たれた親は、「なぜ、救ってやれなかったのか」と胸の張り裂ける思いでし

ょう。

様々な出来事・環境によって、いったん、うつ病を発症してしまうと、他人の言うことがあ

まり頭に入らなくなってしまいます。

自分の親が愛情を持ってアドバイスしてくれていることは、理屈ではわかるのですが、

うつ病になってしまった人はアドバイスを受容する力がありません。

 

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札幌市で2012年12月、新人看護師だった杉本綾さん(当時23)が自殺しました。

現在、母親が業務を原因とする過労により、うつ病を発症し、その結果、自殺をしたとして

労災認定を求めて国と係争中です。

 

これまで3回を重ねた裁判で、国側は「自殺の原因は業務によるものではない」とし、母親

の主張とは真っ向から対立しています。

次のニュースは、「あなたがもし裁判官だったらどう判断する?」という趣旨でした。

新人看護師が自殺 あなたが裁判官なら?  8/31(木)  北海道ニュースUHB』

綾さんが就職したのは、札幌市豊平区の総合病院。肺がんや肺炎患者が入院する急性期病棟だった。

休む間も乏しい“残業の日々“が始まる。

5月の時間外は、約91時間。6月以降も時間外は続き、6月は85時間、7月は73時間、8月は85時間、9月は70時間、10月は69時間、そして、11月は65時間の勤務を重ねた。

なぜ長時間労働は続いたのか?

勤務終了後に作成が毎日義務付けられていた先輩看護師との記録には…。

(作業報告記録より):「なんでその処置が必要か、根拠について確認してください」「知らない時は調べる」

知識不足を指摘され、その要求に応えようとと、必死になっていた綾さん。

しかし、看護師になって3か月、すでに心は折れていた。

(SNSより5月13日);「この前の初めての夜勤で事故起こしたんだよね。患者さんの麻薬の量、間違ったんだ。それがもうとどめって感じで」

(SNSより7月23日):「本気でどうやったら病院に来なくていいか、存在消せるか。死ぬか?とか考えました」

夜勤明けの11月30日号泣して帰宅。その夜…。

(SNSより11月30日)
「看護師向いてないのかもー あー自分消えればいいのに なんてねー」

この2日後、一人暮らしのアパートで遺体で発見された綾さん。

 

 

長い引用になりましたが、自殺した杉本綾さんが追い詰められている様子がよくわかります。

特に彼女の遺書を読むと残念でなりません。

(遺書より):「自分が大嫌いで、何を考えて、何をしたいのか。何ができるのかわからなくて苦しくて、誰に助けを求めればいいのか、助けてもらえるのか全然わからなくて考えなくていいと思ったら幸せになりました。甘ったれでごめんなさい」

 

『誰に助けを求めればいいのか、助けてもらえるのか全然わからなくて、考えなくていいと

思ったら幸せになりました。』の件を見ると可哀そうでなりません。

 

職場の人たちは悪人ではないと思います。しかし、みんな自分のことに精いっぱいで、仕事

に慣れない新人の看護師さんに寄り添ってくれる人が、いなかったのでしょう。

誰か一人、親身になって彼女に声かけしていたら、彼女は助かっていた可能性が高いと思い

ます。

そうした意味では、職場の新人指導体制が、ちゃんとできていなかったのではないかと考え

られます。

しかし、裁判でもし、労災が認められると、職場の監督責任が問われます。

そのことは職場の責任者にとっても重大事で、結局、労災を否定する立場をとることになり

ます。

学校がいじめを認めたがらないのと、構造は一緒です。

 

彼女がもし、他の病院に勤務していたら、うつ病にもならず自殺もしていなかった可能性が

高いと思います。親の無念が伝わってきます。

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