悪質な無免許、死亡ひき逃げ事件は、兵庫県尼崎市の市道で2015年8月、当時16歳少年によって引き起こされました。

 逮捕当時、加害少年は16歳でしたので、少年法の手続き通り、大阪家裁で処遇を判断されましたが、悪質な重大事件ということで、家裁は検察官送致(逆送)を決定し、2015年9月、少年は全国で初めて未熟運転による危険運転致死罪で起訴されました。

 

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ところが、大阪地裁は2016年8月2日の裁判員裁判で「保護処分による更生が期待できる」と判断し、少年を再び家裁に送り返す異例の決定を出したのです。

で、送り返された大阪家裁(森岡孝介裁判長)は、2016年8月26日 、危険運転致死の非行内容などに問われたこの少年(17歳)について、「刑事処分が相当」と判断し、再び検察官に送致(逆送)する決定を出したのです。この再逆送は極めて異例だということです。

普通、少年犯罪は家庭裁判所で審理されて、処遇が決定されます。その中で悪質な重大事件に限って、「刑事処分」が相当として逆送されますので、逆送されたら地方裁判所で刑事裁判が進むはず。

少年の悪質性を示す報道からは、再び家庭裁判所に送り返す特別な事情があったとは思えませんし、私も大阪家裁(森岡孝介裁判長)の再逆送は支持したいですね。

裁判員裁判は厳しめに判断されると巷では言われているのに、 家裁→地裁→家裁→地裁(再逆送)という展開は極めて珍しく、興味深いことではあります。

 

未熟運転 17歳少年を再逆送 大阪家裁「悪質な事件」
毎日新聞2016年8月26日 15時00分(最終更新 8月26日 15時00分)

技能がないまま車を無免許で運転して死亡ひき逃げ事件を起こしたとして、自動車運転処罰法の未熟運転による危険運転致死の非行内容などに問われた大阪府豊中市の少年(17)について、大阪家裁(森岡孝介裁判長)は26日、「刑事処分が相当」と判断し、再び検察官に送致(逆送)する決定を出した。再逆送は極めて異例。

家裁は昨年9月、少年の検察官送致を決め、少年は全国で初めて未熟運転による危険運転致死罪で起訴された。大阪地裁は2日の裁判員裁判で「保護処分による更生が期待できる」と判断し、少年を家裁に送り返す異例の決定を出していた。少年は今後、起訴されて再び裁判員裁判を受けるとみられる。

森岡裁判長は「尊い命が奪われた悪質な事件。地裁決定は動機などに反社会性は高くないと評価したが、是認できない」と述べた。

決定によると、少年は昨年8月13日、兵庫県尼崎市の市道で初めて車を運転した際、自転車に乗った近くの無職、肥後勇さん(当時80歳)をひいて死なせ、逃走した。

長男の剛さん(50)は「家裁が正当な判断をしてくれた。もう一度開かれるだろう裁判員裁判では、遺族の思いをくんでほしい」と語った。【向畑泰司】

 

ところで、大阪地裁が2016年8月2日の裁判員裁判で「保護処分による更生が期待できる」と判断し、少年を再び家裁に送り返す異例の決定をした件について。

このひき逃げ事故の後をたどってみます。

1 この交通事故発生は8月13日の午前9時20分頃、兵庫県尼崎市の路上。

2 男の人が倒れているとの119番通報があった。

3 警察が駆け付けたところ、近くに住む肥後勇さん(80歳)が、車の下敷きになったまま、発見された。

4 病院で死亡確認。

5 犯人は被害者を車の下敷きにしたまま、逃走していた。

6 現場検証の結果、肥後さんは車に跳ねられた後、約50mにわたって引きずられていた。

7 逮捕されたのは無免許運転の少年(16歳)

8 事故の約30分後、この車を運転していた16歳少年と同乗者とみられる17歳の少年が事故現場から南東約1キロの路上を歩いており、警察に発見された。

9 16歳少年は当初、取り調べに対し、容疑を否認。

10 目撃者の証言では、少年は事故直後、「ドアを開けて降りてきて、ゆっくり向こうへ歩いていった」

11 当時16歳だった少年は、運転経験がなく十分な技能がないのに市内で乗用車を走らせていた。

これだけの事実を見ただけでも、「保護処分による更生が期待できる」とは、とても思えないのですが。

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