秘密保護法について、以下のような話が、京都新聞の『梵語』に載っていました。

1941年12月8日、北海道帝国大学で学んでいた学生、宮澤弘幸さん(当時22歳)は突然、特高

警察に逮捕されました。

1941年12月8日と言えば日米開戦の朝でしたが、本人はなぜ逮捕されたのかもわかりませんでした。

逮捕容疑は「軍機保護法違反」。

宮澤弘幸さんは北海道を旅して、たまたま当時の根室飛行場を訪れました。そして、旅の話を

大学のアメリカ人教師夫妻に話すなかで、根室飛行場の様子などを話しました。これが、

「軍事機密を漏らした」とみなされ、スパイ容疑で逮捕・投獄されてしまったのです。

当時、根室飛行場は軍関係の飛行場で、政府・軍は秘密ということにしていましたが、

実際にはすでに多くの国民がその存在を知る存在でした。

なぜなら、根室飛行場は、新聞社主催の飛行機による世界一周旅行における着陸地になって

おり、新聞各紙が報じていたのです。

 

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つまり、新聞各紙が報道したのですから、根室飛行場の存在は周知の事実であり、当時、日本

で仕事をしていたアメリカ人やイギリス人も当然、その記事を読んだりして、飛行場の存在は

分かっていたはずです。

ところが22歳の帝大生が、大学のアメリカ人教師に旅先の飛行場の話をしたら、「軍機保護

法違反」で逮捕されてしまったのです。

弁護団は、もちろん「飛行場の存在はすでに公知の事実だ」と訴えましたが、大審院(当時の

最高裁)の判断は「秘密は政府や軍が公表しない限り秘密である」との判断で、有罪が確定

し彼は投獄されました。

終戦後、宮澤さんは出獄しましたが、すぐに病死されたそうです。

すでに、新聞の記事になり国民のすべてが知っている事実でも、政府・司法がその気になれ

ば、「秘密は政府や軍が公表しない限り秘密である」との馬鹿げた判断をして、なんの罪も

ない22歳の青年を投獄した事実があったということは一国民として、よくよく胸に刻んでお

く必要があるでしょう。

金田法務大臣の国会のバカ答弁を聞いていると、この先、恐ろしい世の中がすぐにやって来

そうな気がします。

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