まず、このバイクの写真をご覧になってください。

本物のバイクに比べて質感が違っています。

それもそのはず、このバイクはすべて石で作られて

いるのです。

バイク事故で急逝した息子へ 母が贈った「石のバイク」 カワサキZXR、墓じまい経て制作元へ 経緯聞く

kawasaki「ZXR」を再現した石のモニュメント。昨年まで霊園で墓前に設置されていた=大阪石材提供

 

このバイクを模した墓石は、走り屋だった方の実際のお墓に使われてたもので、「墓じまい」

でこのバイクを製作した石材屋さんに引き取られたということです。

まるで本物のバイクのようにみえる石のモニュメント。kawasaki「ZXR」を再現したもので、その精巧さがツイッターで話題になっています。実は、このモニュメントには、大好きなバイクで事故死した息子に対する母親の思いがこめられていました。

現在は石材店に設置
 現在、このモニュメントは大阪石材の南大阪店(大阪府富田林市)に設置されています。

 店長の安達裕樹さん(34)に設置の経緯を聞くと、こんな答えが返ってきました。

 「こちらは20年ほど前、私どもがオーダーを受けて制作したものです。昨年まで近くの霊園で墓前に設置されていました。墓じまいされることになり、ご遺族の方とお話しした上でうちの店に展示させていただくことになりました」

 建立されたのは2000年。バイク事故で息子を亡くした母親からの相談を受け、制作したといいます。
・・・・・
〈出典:バイク事故で急逝した息子へ 母が贈った「石のバイク」 カワサキZXR、墓じまい経て制作元へ 経緯聞く 8/15(火) 7:00配信 withnews〉

 

 

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2000年の建立ということですから、もう17年前です。

母は、自分より先に逝ってしまった息子のことをどんなに悲しんだことでしょうか。

その後、17年経って「墓じまい」となり、その石製バイクを製作した石材店に引き取られた

ということは、息子の墓守をする母親も亡くなられたということでしょうか?

 

母親の愛を感じると同時に、何か寂しさ、人生のはかなさを思わずにはいられません。

 

宮澤賢治が妹を失った時の詩

この息子の愛車を石に彫った母の話を聞いて、私はなぜか、宮沢賢治の「永訣の朝

(えいけつのあさ)」という詩を思い浮かべました。

この詩は、賢治のよき理解者であり、賢治の最愛の妹トシが、わずか24歳の若さでこの世を

去ったとき、賢治が歌った詩です。

作中ではトシは「とし子」となっています。

 

※(あめゆじゅ とてちて けんじゃ)は、『 雨雪を取ってきてちょうだい』という意味。

高熱でのどが渇くのでしょうか。

※(うまれで くるたて こんどは こたに わりやの ごとばかりで くるしまなあよに 

うまれてくる)

は、『生まれてくるにしても 今度はこんなに自分のことばかりで 苦しまないように生ま

れてくる』という意味で、今度、生まれてくることができるなら、人のために苦労するよう

な生き方をしたいということでしょう。

 

永訣の朝        宮沢賢治

けふのうちに
とほくへ いってしまふ わたくしの いもうとよ
みぞれがふって おもては へんに あかるいのだ
(あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

うすあかく いっさう 陰惨(いんざん)な 雲から
みぞれは びちょびちょ ふってくる
(あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

青い蓴菜(じゅんさい)の もやうのついた
これら ふたつの かけた 陶椀に
おまへが たべる あめゆきを とらうとして
わたくしは まがった てっぽうだまのやうに
この くらい みぞれのなかに 飛びだした
(あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

蒼鉛(そうえん)いろの 暗い雲から
みぞれは びちょびちょ 沈んでくる
ああ とし子
死ぬといふ いまごろになって
わたくしを いっしゃう あかるく するために
こんな さっぱりした 雪のひとわんを
おまへは わたくしに たのんだのだ
ありがたう わたくしの けなげな いもうとよ
わたくしも まっすぐに すすんでいくから
(あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

はげしい はげしい 熱や あえぎの あひだから
おまへは わたくしに たのんだのだ

銀河や 太陽、気圏(きけん)などと よばれたせかいの
そらから おちた 雪の さいごの ひとわんを……

…ふたきれの みかげせきざいに
みぞれは さびしく たまってゐる

わたくしは そのうへに あぶなくたち
雪と 水との まっしろな 二相系をたもち
すきとほる つめたい雫に みちた
このつややかな 松のえだから
わたくしの やさしい いもうとの
さいごの たべものを もらっていかう

わたしたちが いっしょに そだってきた あひだ
みなれた ちやわんの この 藍のもやうにも
もう けふ おまへは わかれてしまふ
(Ora Orade Shitori egumo)

ほんたうに けふ おまへは わかれてしまふ

ああ あの とざされた 病室の
くらい びゃうぶや かやの なかに
やさしく あをじろく 燃えてゐる
わたくしの けなげな いもうとよ

この雪は どこを えらばうにも
あんまり どこも まっしろなのだ
あんな おそろしい みだれた そらから
この うつくしい 雪が きたのだ

(うまれで くるたて
  こんどは こたに わりやの ごとばかりで
   くるしまなあよに うまれてくる)

おまへが たべる この ふたわんの ゆきに
わたくしは いま こころから いのる
どうか これが兜率(とそつ)の 天の食(じき)に 変わって
やがては おまへとみんなとに 聖い資糧を もたらすことを
わたくしの すべての さいはひを かけて ねがふ

 

ところで「墓じまい」という言葉、普段はあまり聞かない言葉です。

どういう意味か、わかりやすい記述があったので、〈闘う嫁のマナーノート〉から引用させ

ていただきます。

墓じまいとは?

墓じまいは、今ある墓を撤去して別の場所に遺骨を移すことです。

昔は子孫が代々の墓を守っていくのが普通でしたが、今は子供がいない家庭や、いても遠くに住んでいて墓参りに行けないような家庭が増えており、墓を長年放置しておくと無縁仏になってしまいます。それを避けるため、近年は墓じまいを行う家庭が見受けられるようになっています。

遺骨は遺体と同様に墓地埋葬法によって手続きが定められており、役所や墓地管理者の許可なく他の場所に移すことができません。また、今まであった墓というのは多くの場合、購入でなく借地形式が多いため、墓じまいを行う際には、墓石の撤去をして更地で返還しなければなりません。そのため、様々な費用が発生することになります。

墓じまいと永代供養の違いは?

「墓じまい」と「永代供養」という言葉は同じような意味かと混同しがちですが、厳密には次のような違いがあります。
【墓じまい】
その時点で供養を終え、(借りていた)お墓を墓地管理者に返すことです。
この場合、お墓と遺骨は別なので残りますよね。これをどうするか、という方法の1つが次の「永代供養」になるのです。

【永代供養】
その時点から墓地管理者に供養を任せることです。
永代供養の場合はお墓の有無は無関係で、合祀墓に最初から入るか、あるいは使用期限が定められた墓に最初入っておき、期限後は合祀墓に移るという2つの方法が多く採用されています。

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