地主の方には申し訳ないが、興味深いニュースがありました。
大阪市で、戦時中に投下された不発爆弾が見つかり、その処理費を
大阪市が土地の所有者に請求したというのです。

これは、所有者もさぞビックリしたことでしょう。

不発弾処理費、誰が出す? 請求された地主「頭真っ白」
朝日新聞デジタル 8月26日(金)5時31分配信戦時中に投下され、私有地から見つかった不発弾。撤去時の防護壁や警備の費用を払うのは国か、自治体か、それとも土地所有者か――。大阪市から負担を求められた所有者が、支払いを不服として裁判を起こしている。「戦争の遺物」ながら責任の所在を明確に定めた法律はなく、自治体ごとに対応が分かれているのが現状だ。■支払い不服、提訴「すぐに用意できる金額ではなく、頭が真っ白になった」。大阪市浪速区の不動産管理業の男性(58)が所有する土地から米国製1トン爆弾が見つかったのは昨年3月。作業は自衛隊が実施したが、万一に備える防護壁の設置費など576万円を市から求められた。

速やかな撤去のためいったん支払ったが、今年4月に市に返還を求めて大阪地裁に提訴した。「今後、負担を求められて困る市民が出ないよう、適切な司法判断を待ちたい」

裁判で市は争う姿勢だ。民法の「土地の所有権は土地の上下におよぶ」との規定をもとに、これまでも土地所有者側に負担を求めてきた。市によると、これまで異を唱えられたケースはないという。

一方、今回の訴訟を機に、市は「国の責任」についても問う方針だ。吉村洋文市長は記者会見で「不発弾の処理は本来は国が負担すべきだ」と発言。7月、国に訴訟の当事者として参加するよう促す「訴訟告知」の手続きをとった。国は「方針はまだ決まっていない」としている。

■自治体の対応、まちまち

費用負担のあり方は、各地で異なる。私有地から見つかった不発弾の処理実績がある自治体を取材したところ、東京都品川区や浜松市、宮崎市は自治体が負担。神戸市や大阪府八尾市は大阪市と同様、土地所有者側が払っていた。

どの記述も興味深いので、ニュースをすべて引用しました。

大阪市は、“これまでも土地所有者側に負担を求めてきた。”とのこと。

いや~、これは初耳ですね。
これまでもたまに不発弾処理のニュースを聞くことがありましたが
土地の所有者が費用を負担していたとは。

大阪市によると、「これまで土地の所有者から、異を唱えられた
ケースはない」ということですので僕には驚きです。
僕はてっきり行政の責任で処理していたとばかり思っ
ていました。

こうしたケースでは、“「戦争の遺物」ながら責任の所在を明確に定めた法律はなく、自治体ごとに対応が分かれているのが現状だ。” ということですが、この裁判の行方はどうなるのでしょうか。

 

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今日のなるほど

さて、ここで、質問です。

(質問1)自分の所有地に自己の責任によらない危険物が埋まっていた場合、その撤去費用は土地の所有者が支払わねばならないのか。あなたはどう、思われますか。

《考察1》上の記事は、民法の所有権に言及していますが、民法207条に、「土地の所有権は、法律や命令の制限する範囲内で土地の上および地下に及ぶ」と規定してあります。

ですので、大阪市の言い分は「あなたの所有物なので、あなたの責任で撤去してくださいよ」ということでしょう。

でも果たしてそうなの?確かに土地に埋まっていたけど、爆弾って、アメリカが落としていったものですよね。
土地の所有者に、もともと所有権(本権)があったわけじゃなし。どうなんかなあ~?

しかも、国が起こした戦争の結果ですよね。うーん、難しい((+_+))

(質問2)では自分の土地に所有者不明の小判(埋蔵物)が埋まっていた場合は、その小判は土地の所有者の物になるのか。

《考察2》
拾得物であれば自分の物にすることはできません。
「落とし物」を自分のものにすると
刑法の『占有離脱物横領罪』に問われます。
たとえ、落とし物でも所有者は別人ですから、
自分の物ではないということですね。

確かに、落とし物を拾って自分の管轄下に置けば(所持すれば)、
自分の占有権は生じますが、そのまま、落とし物の所有権まで取得
することにはなりません。
(品物には、所有権と占有権があります。占有権というのは品物が自分の管轄下にあるということです)

ですので、落とし物(遺失物)を自分のものにするには、
法的手続きを踏む必要があります。

「落とし物を役所に届け、役所がそのことを公告して、
6か月以内に落とし主が現れなかったとき、初めて
拾った人が所有権を取得します。(民法240条)」
(拾いものが自分のものになるまでは大変ですね)

この占有離脱物の例として判例では
〇「養殖業者の生けすから逃げた鯉」があります。
小川に鯉がいて、これがたまたま「養殖業者の生けすから逃げた鯉」だったら、
捕って自分のものにすると、「占有離脱物横領罪」になるというのです。
〇また、「古墳内に納められていた宝石・銅鏡・剣などを勝手に自分のものにすると、
やはり「占有離脱物横領罪」になります。

では本題に戻って、自分の土地に埋まっていたもの(埋蔵物)は一体誰のもの?

これは民法241条に「埋蔵物を発見した場合」というのがあって、
小判(遺失物)を発見したら、やっぱり、6か月間、公告して、
持ち主が現れなければ、自分のものなります。

(質問3)ところで、トレジャーハンターが他人の土地の地下から小判を発見したら、小判は誰のものなるでしょうか。

《答え》公告して、6か月、経ったのち、発見者と土地の所有者が折半することになります。

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