中学・高校の部活動に休養日を設けることを文科省が提案しました。(拍手)
この提案は今、学校の多くの教師が長時間労働で疲弊しているので、それを是正する
一つの有効な手立てとして、大いに歓迎します。
ただ、実効化するには現場の教師の意識や学校体制、保護者の理解等、乗り越える
べき課題が多くありますね。私もインターハイ出場を目指し、長年、高校で部活動を
指導してきましたので、そのあたりの事情や課題がよくわかります。

まず、文科省の休養日設定に関する記事を読んでみましょう。

中学高校の部活動に休養日設定を 文科省が提案へ
朝日新聞デジタル 6月4日(土)5時30分配信 文部科学省は3日、中学と高校の部活動について、休養日を設けるよう学校に求める案を大筋でまとめた。顧問の教員の負担を軽くし、生徒の健康を保つため、過剰な活動を適正化するのが狙い。文科省は来年度にもガイドラインをつくり、休養日がどれくらい必要かなどの基準を初めて示す方針だ。文科省は4月、貧困家庭や障害のある子らへの対応が増えて教員がさらに忙しくなっているとして、業務負担の軽減策を考える省内の会議を設置。中でも部活動を中心的な課題として検討してきた。2014年公表の国際調査では、中学教員の部活動の指導時間が日本は週平均7・7時間と参加国平均の3倍を上回って最長。文科省は、生徒にとっても部活以外の多様な体験に影響が出かねないと判断した。案では休養日を設けるほか、複数の顧問を配置することなどを学校に求める。さらに国の施策として、教員、生徒、保護者を対象に部活動の実態を調査する▽休養日はどれくらいの日数が適切かなどをスポーツ医科学の視点から研究する▽調査や研究の結果を盛り込んだガイドラインをつくる――と明記する方針。

 

〈スポンサーリンク〉

問題点は何か

まず、顧問が休養日設定のルールを守れるかどうかということがあります。
強豪校の熱心な運動部顧問には自宅に私費で合宿所を建て、生徒を他府県から
スカウトしてくるような人もいます。もう奥さんも含め、家族ぐるみの指導と
なっています。

また、強豪校になると有名大学の推薦枠があり、競技での成績がその
推薦枠に入れるかどうかの大きな判断材料になります。
練習漬けで、なかなか受験勉強する時間の取れない生徒にとって、一般入試
等を受けずに有名大学に入れるということは大きな魅力ですし、保護者にとっ
ても大きな関心事です。

運動部の成績はそのまま、その顧問の個人評価や学校内やその競技部門での
ステイタスにつながります。世界をまたにかけて活躍している民間企業のみな
さんには小さな世界に思えるかも知れませんが、運動部顧問にとっては高体連
(高校体育連盟)の役員になることさえ、一種の箔がつくことになります。都
道府県の高体連役員よりも全国高体連の役員の方が上という感じですね。
(私だけの感覚かも知れませんが ^^; )

ただ、運動部顧問がそんな肩書きを求めてクラブ指導をしているわけでは
決してありませんので、誤解のなきようお願いします。

顧問の教師は何と言っても自分が小さい頃からやってきた競技が好きなのです。
そして生徒とともに頑張って練習して成績を上げていきたいのです。どんなロ
ーカルな大会でも優勝すればみんなの大きな喜びです。

余談になりますが、何年か前、大阪のバスケット部顧問が生徒を死に追いやる
バカな指導をしたことをみなさんは覚えていらっしゃると思います。
彼は大阪のバスケットボール界のドン(顔)で体罰の現場を他の教師や関係者が
見ても、誰も当該の体罰教師を注意できなかったし、学校にも問題提起をできな
かったのです。体罰といま記しましたが、彼のやったことは「指導」や「体罰」
ではなく、暴行傷害そのものでした。(僕は事実上、傷害致死に相当するのでは
ないかとさえ思っています。)

許されないことですが、学校内や高体連における力学がゆがんでいった結果、
あのような教師の存在を許してしまったのです。事件を起こしたあの教師にもう
少し謙虚な心や相手の気持ちに寄り添う心があれば、生徒を死に追いやることは
決してなかったと思います。取り返しのつかないことです。

亡くなった生徒、その親御さんの気持ちを思うと、かける言葉さえ見つかりません。

多くのクラブ顧問は生徒を大切にして一生懸命に頑張っているので、あのような事
件が起こると残念でなりません。

さて本題に戻りましょう。上を目指して頑張っているクラブ顧問が果たして休養日を
とれるかどうかということです。言葉は悪いですが、抜け駆けをする顧問が出ないとも
かぎりません。ですので休養日をちゃんと設定するには学校や高体連・中体連、各競技
部門そして学校でしっかりと論議し、コンセンサスを醸成することが大切です。

部活指導はありませんが、小学校の先生の勤務実態も大変な状況です。中学校の先生は
週あたりの授業の受け持ち時間が高校よりも多く、その上、部活指導があってやっぱり
大変です。
このような学校の先生方の勤務実態が今よりも改善されるなら、そのことは教師が
生徒を指導する際の心のゆとりにつながり、生徒によい影響を及ぼしていくと思います。

高体連とは

公益財団法人全国高等学校体育連盟のことです。
この全国高体連の下に各都道府県の高体連組織があり、各競技部門に分かれて
活動しています。日本の高校スポーツを統括する大きな団体です。

〈スポンサーリンク〉