ベルギーの保健相が議会に対して、国内の全住民にヨウ素剤を

配布する計画を明らかにしました。

ヨウ素は内部被ばくを低減させる効果があるので、原発事故に

備えてということらしいです。

この事故にはもちろんテロによる破壊も想定しているはずです。

ベルギーの首都ブリュッセルでは、

国際空港や地下鉄駅内で先月自爆テロが起きたばかりです。

ベルギー政府が、これからもテロ攻撃が現実に起こる可能性が

あると判断していることがよくわかります。

次は「時事通信」の記事からです。

全住民にヨウ素剤=原発事故に備え―ベルギー時事通信 4月29日(金)6時10分配信

【ブリュッセル時事】ベルギーのデブロック保健相は28日までに議会に対し、原発事故時に備え国内の全住民にヨウ素剤を配布する計画を明らかにした。

同国の原発は老朽化が進みトラブルが相次いでおり、住民の不安に対応する必要があると判断した。同国メディアが報じた。

ヨウ素剤には内部被ばくを低減させる効果があり、日本の一部地方自治体も原発周辺の住民に事前配布しているが、政府が全住民を対象に配るのは珍しい。

従来は原発から20キロ圏内の住民に配布していたが、保健相は公共放送RTBFに対し、「従来の措置を100キロ圏内でも講じる必要がある」と強調、ベルギー全土を対象にする方針を示した。

さて、記事にあるヨウ素剤とはどのようなものなんでしょうか。

ヨウ素と言えば、まずイメージするのは、あの独特の臭いです。

殺菌作用があって、昔ヨードチンキという傷薬の中に入っていました。

今でも、注射するときに看護師さんが塗ってくれるときありますよね。

ヨウ素の単体は、ヨウ素分子だけでできており、

分子式はI2と書きます。(本当は、2はIの右下に小さく書きます)

昇華しやすく、試薬瓶のふたを開けるとぷんぷん臭ってきます。

ただ、ヨウ素剤はこのヨウ素の単体ではなく、

ヨウ素の化合物(ヨウ化ナトリウムやヨウ化カリウム)で

できており、内服薬として使用しており、

安定ヨウ素剤と呼んでいるようです。

では、どのような薬か勉強してみましょう。

以下は、日本原子力文化財団のサイト
東京電力(株)・福島第一原子力発電所事故』の記事からです。

安定ヨウ素剤とは
安定ヨウ素剤は、放射能をもたないヨウ素(ヨウ化カリウム)を含む薬剤です。放射能をもつヨウ素131の摂取が予測される直前、または数時間前から直後までに服用し、あらかじめ甲状腺にヨウ素を蓄積させておくことで、ヨウ素131のほとんどを体外へ排出させます。この安定ヨウ素剤は原子力施設が立地されている市町村に配備されています。子供に対して効果的ですが、甲状腺機能の低下やアレルギー反応などの副作用もあり、医師等の指示に従って服用することになっています。また、100ミリシーベルト以上の放射線を甲状腺が受けると見込まれない限り、服用するべきではないという意見もあります。

うーん、なるほど。

これで概要はわかりますが、

安定ヨウ素剤を甲状腺に蓄積させておくとなぜ良いのかなど、

はっきりしません。

もう少し詳しく勉強しましょう。

ここは『ウィキペディア フリー百科事典~ヨウ素剤』の力を借ります。

ヨウ素剤
ヨウ素剤(ヨウそざい、英: Iodine tablet)は、ヨウ化ナトリウムやヨウ化カリウムの製剤として内服用丸薬、シロップ薬、飽和溶液 (saturated solution of potassium iodide: SSKI)、粉末状の塩等として製剤される他、アルコール溶液やポリビニルピロリドンとの錯体として製剤される。
放射性同位体の崩壊を利用し放射線医学試薬として、または安定同位体を利用して原子力災害時の放射線障害予防薬や造影剤の原料として用いられるほか、強い殺菌力を利用し消毒薬、農薬などに用いられる。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
原子力災害時の放射線障害予防薬[編集]

ヨウ素は同位体の種類が多く(ヨウ素の同位体を参照)、その大半が放射性同位体として知られているが、自然に存在するヨウ素のほぼ100%が安定同位体のヨウ素127 (127I) であり、放射性ヨウ素と比較し「安定ヨウ素」と呼ばれる。安定ヨウ素はカリウム塩、ヨウ素酸カリウムの錠剤といった「安定ヨウ素」製剤として用いる。
動物の甲状腺は、甲状腺ホルモンを合成する際に原料としてヨウ素を蓄積する。原子力災害時等により、不安定同位体の放射性ヨウ素を吸入した場合は、気管支や肺または、咽頭部を経て消化管から体内に吸収され、24時間以内にその10 – 30%程度が甲状腺に有機化された形で蓄積される。放射性ヨウ素の多くは半減期が短く、その代表としてよく知られるヨウ素131 (131I) の半減期は8.1日であり、β崩壊することで内部被曝を起こす。
放射性ヨウ素の内部被曝は甲状腺癌、甲状腺機能低下症等の晩発的な障害のリスクを高めることが、チェルノブイリ原発事故の臨床調査結果より知られている[2]。
大量にヨウ素を摂取した場合は、甲状腺にヨウ素が蓄積され、それ以後にさらにヨウ素を摂取しても、その大半が血中から尿中に排出され、甲状腺に蓄積されないことが知られている。 それを応用したのが、放射線障害予防のための「安定ヨウ素剤」の処方である。
非放射性ヨウ素製剤である「安定ヨウ素剤」を予防的に内服して甲状腺内のヨウ素を安定同位体で満たしておくと、以後のヨウ素の取り込みが阻害されることで、放射線障害の予防が可能である。この効果は本剤の服用から1日程度持続し、後から取り込まれた「過剰な」ヨウ素は速やかに尿中に排出される[3]。
また、放射性ヨウ素の吸入後であっても、8時間以内であれば約40%、24時間以内であれば7%程度の取り込み阻害効果が認められるとされる。・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

ヨウ素酸カリウム錠剤
ヨウ素酸カリウム錠剤
(1957年ウィンズケール火災事故の際にアイルランドで配布されたもの)ウィキペディアより

なるほど。

この記事だとかなり納得。

要約すれば、人間(動物)の甲状腺は、

甲状腺ホルモンを合成しますが、

その際、原料として必要なヨウ素を蓄積する。

ところが、そのヨウ素が放射能を持っているヨウ素(ヨウ素131)だと、

そのヨウ素131が甲状腺に蓄積されることになる。

そこで、前もって放射能のないヨウ素を人間の

甲状腺に吸収させておけば、放射能をもったヨウ素131が

甲状腺に吸収される割合が減るということか。

なるほど。

〈スポンサーリンク〉