「電通」の新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が過労自殺したことについて、長谷川秀夫教授(武蔵野大学)が以下のような内容をSNSにアップして炎上しています。(なお、そのコメントは彼のFacebookからすでに削除されています。)

「月当たり残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない。会社の業務をこなすというより、自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意識があれば、残業時間など関係ない。自分で起業した人は、それこそ寝袋を会社に持ち込んで、仕事に打ち込んだ時期があるはず。更にプロ意識があれば、上司を説得してでも良い成果を出せるように人的資源を獲得すべく最大の努力をすべき。それでも駄目なら、その会社が組織として機能していないので、転職を考えるべき。また、転職できるプロであるべき長期的に自分への投資を続けるべき。」

 

このコメントの存在を【過労死の新入社員、悲劇を繰り返すな。会社はうつ病に陥った社員に責任ある対応を!】を書いたときには、私はまだ知りませんでした。

すでに、このコメントが削除されていることを考えると、長谷川教授は自分の主張したことが間違っていたと反省して削除したのでしょうか。それとも、考えは変えていないが、単に炎上したから削除しただけなのでしょうか。

私は、現在は教育者でもあるこの長谷川教授がいかなる人物かを知りたくてネットを検索しましたが、Wikipediaに掲載されているような人ではありませんでした。
そこで、武蔵野大学の教員情報を見ると下表のとおり。

  ハセガワ ヒデオ
長谷川 秀夫   グローバル学部 グローバルビジネス学科   教授
■ 主要学科目

Managerial Accounting.  Strategic Planning and Budgeting.   Research on Grobal Coporations.
■ 学歴

1. 1979/03 早稲田大学 商学部卒業[商学士(商学)]
2. 1987/12 米国 アイオワ大学 経営大学院 修士課程修了[経営管理修士(MBA)]
3. 2002/05 米国 ノースウエスタン大学 ケロッグ経営大学院 上級経営幹部プログラム(AMP)[修了証]
4. 2009/11 早稲田大学大学院博士課程後期 アジア太平洋研究科 国際経営博士課程単位取得後退学
■ 職歴

1. 1979/04~2002/03 株式会社東芝 工場原価課、事業本部経理部、本社財務部 (最終職名)財務部企画担当参事
2. 1989/01~1992/03 東芝アメリカ情報システム社(出向) 事業部財務部長
3. 2001/05~2002/03 東芝アメリカ医用システム社(出向) 取締役、上席副社長兼最高財務責任者
4. 2002/04~2005/10 株式会社コーエー(現、コーエーテクモホールディングス株式会社) 執行役員CFO
5. 2006/02~2007/09 株式会社ニトリ 取締役
全件表示(9件)
■ 委員会・協会等

1. 2003/08/01~ 日本CFO協会 General CFO 資格会員
2. 2003/10/01~2004/03/31 日本経団連コンテンツ税制委員会 委員
■ 所属学会

1. 2015/04~ グローバルビジネス学会
■ 著書・論文歴

1. その他 Enhance Early Cash Collection System  (単著)  1999/09
■ 講師・講演

1. 1998/08 株式会社東芝におけるグローバル・マネジメント: PC事業について (産業経理協会、東京)
2. 1999/08 株式会社東芝のグループ管理会計 (産業経理協会、東京)
3. 2000/08 株式会社東芝の社内カンパニー制度移行を支えるグループ管理会計&ファイナンス制度 (産業経理協会、東京)
■ 研究課題・受託研究・科研費

1. 2015/04~2017/03 グローバル・マネジメントをリードできる戦略的CFOの育成  個人研究
■ 職務上の実績

●実務の経験を有する者についての特記事項
1. 1983/10/01~1984/05/30 半導体の原価計算における設備稼働のMachine Hour基準の導入を立案し、より精度の高い原価設定を可能にした。((株)東芝)
2. 1984/01/01~1985/06/30 Mobile Telephoneの米国市場におけるアンチ・ダンピング訴訟を受けて、米国財務省監査対応。勝訴に導き米国市場でのシェア拡大へ導いた。((株)東芝)
3. 1992/04/01~1993/03/30 海外パソコン事業における連結ベースKPI(販売費及び一般管理比率低減、売上債権&棚卸資産の保有月数削減)の単純化とグローバル管理展開により、経理面から世界シェア1位実現をサポート。((株)東芝)
4. 1993/04/01~1994/03/30 米国移転価格税制へのPC事業の具体的対応策を立案し、APA(米国歳入庁との事前審査契約)締結の基礎を作成。((株)東芝)
5. 1998/08/01~1999/02/01 株式会社東芝が社内カンパニー制度へ移行するにあたり、管理会計制度の整備、グループ資金管理制度の再構築を行った。((株)東芝)
■ 教育上の能力

●教育方法の実践例
1. 1999/04/01~1999/10/01 開示財務諸表を使用した経営問題分析と対策立案(ケーススタディ)
●作成した教科書、教材
1. 1999/04/01~1999/07/30 株式会社東芝の管理会計
2. 2000/04/01~2000/07/30 株式会社東芝の社内カンパニー制度を支えるグループ管理会計制度及びグローバル・ファイナンス制度
■ 資格・免許

1. 2003/08/01 日本CFO協会認定 General CFO資格
2. 2013/08/10 Advanced Certificate in TESOL (Teaching English to Speakers of Other Languages), Canadian Institute of English

 

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1979年3月に早稲田大学商学部を卒業(商学士)ということですので、年齢は60歳か61歳くらいの方でしょう。

私は人というのは、若いときには「イケイケ、ドンドン」でも、年齢を重ねるごとに世の中はそう思うようになるものではないと悟り、他者への思いやりや共感能力が備わっていくものだと思っています。

特に結婚して家庭を持ったり子育てに奮闘する中で、「考え方の幅・ゆとり」のようなものをより一層備えていくのではないかと思います。(子供だって、そう簡単には親の思うようにはならないですよね。)
ですので、学生を指導する立場の長谷川教授が、この年齢になっても上記のような内容を世間に向けて発信してしまうという彼の未熟さに驚きました。特に「思いやりや、相手の立場に立つという想像力」が感じられません。このように硬直した考えで、学生の相談に乗ったり、親身になって就活指導ができるのでしょうか。

彼は、「月当たり残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない。会社の業務をこなすというより、自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意識があれば、残業時間など関係ない。」と言い切っていますが、果たして彼自身がそんな経験をしているのでしょうか。

私は、夜10時~11時まで仕事して、帰宅すると午前様になることもしばしば。そして また翌朝6時には自宅を出るという生活を数年続けましたが、結局、病気を患いましたね。
これが、新入社員で上司のパワハラを受けながらの長時間労働、しかもその状況がいつ終わるともしれない中での会社生活、彼女が追い詰められていった状況がよく理解できます。

長谷川教授は、きっとそこまで、仕事をしたことはないのではないか。苦しい経験がないので、机上の考えだけで物を言い、かつ、共感能力が未発達のため、あのような発言になったのではないでしょうか。

「自分で起業した人は、それこそ寝袋を会社に持ち込んで、仕事に打ち込んだ時期があるはず。更にプロ意識があれば、上司を説得してでも・・・」とありますが、新入社員に「上司を説得してでも・・」なんてできることではないことは、ちょっと考えればわかりそうなものですが。

彼が今回のコメントについて、もし反省しているのなら、すぐに素直な気持ちを表明されたらどうでしょう。

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