名古屋大学の1年生だった応援団員の女子学生(犯行当時19歳)が、知り合いの森外茂子さん(当時77歳)をアパート自室で手おので殴り、マフラーで首を絞めて殺害したという残酷な事件が起きて、はや2年たちました。

本日(1月16日)、いよいよ、その裁判が始まりました。

 

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元名大生側、無罪主張=女性殺害、同級生らにタリウム―責任能力が争点・名古屋地裁
時事通信 1/16(月) 10:41配信

名古屋大の元女子学生(21)が知人女性を殺害し、劇物の硫酸タリウムを高校の同級生らに飲ませたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた事件の裁判員裁判の初公判が16日、名古屋地裁(山田耕司裁判長)であり、弁護側は「精神障害の影響で責任能力はなかった」と無罪を主張した。

元学生はタリウム事件について殺意を否認し、女性殺害は認めた。

事件当時未成年だった元学生の刑事責任能力の有無が主な争点となる。3月10日に結審し、判決は同24日の見通し。

起訴状によると、元学生は仙台市の高校に通っていた2012年5~7月、同学年の生徒2人の飲み物に硫酸タリウムを混ぜて飲ませ、傷害を負わせたほか、名大1年だった14年12月に名古屋市のアパート自室で、知人の森外茂子さん=当時(77)=を手おので殴り、マフラーで首を絞めて殺害したなどとされる。

名古屋地検と名古屋家裁は、それぞれ精神鑑定を行い、いずれも責任能力があると判断。元学生は15年10月に起訴された。

検察側は冒頭陳述で、元学生がタリウムを飲ませた同級生らの状況をメールのやりとりや会員制交流サイトで確認していたことや、14年11月に森さん殺害を決意したことを明らかにした。

弁護側は、発達障害で他者の心情への想像や共感がなく、タリウムの中毒症状や人が死ぬ過程を観察することに「抑止力が全く働かなくなり、一直線に行動に移した」と説明。刑事責任は問えないとして、医療観察法に基づく処遇を求めた。

審理は20回にわたり、13人が証人として出廷。タリウム中毒で視力低下などの障害が残ったとされる男性(20)が意見陳述する。最初の被告人質問は今月19日。

 

この女子学生は、森外茂子さんの殺人は認めていますが、高校時代の同級生に対するタリウム投与については、殺意を否認しています。

 彼女は、報道によると当初、「タリウムを飲ませて観察したかった」と述べていますので、殺意はなかったというのは本心かなと思います。毒物を飲んだ人間がどのように変化していくかは、異常性格の彼女にとって、殺人とはまた別の興味深い事柄だったのではないでしょうか。

この女子学生は、名古屋地検が請求した精神鑑定で刑事責任能力が問えると判断され、家庭裁判所からの逆送の結果、現在の裁判員裁判の初公判に至っています。

今回、弁護団は発達障害で刑事責任は問えないとして無罪を主張、医療観察法に基づく処遇を求めたということです。
 弁護団は、彼女を刑事責任無能力者として「他者の心情への想像や共感がなく、タリウムの中毒症状や人が死ぬ過程を観察することに抑止力が全く働かなくなり、一直線に行動に移した」と説明しました。
でもこのことは、他人を自分勝手な理由で殺すような人すべてに、あてはまることだと思うんです。たとえば、強姦殺人を行った犯人も、「他者の心情への想像や共感がなく、抑止力が全く働かずに強姦殺人に至った」ということですよね。
 人を殺すような人間は多かれ少なかれ、心を病んでいると思うんです。それを発達障害とか何とか言って無罪を主張するのは無理があるように思います。

 少なくとも受験勉強して大学に入り、応援団で活動し、人が死ぬ過程を観察したり、タリウムを飲んだ人間がどのようになっていくかSNS等で追跡調査していたような人が、自分の行動の意味を理解できない心神喪失状態であったとは到底考えられません。

 弁護団の主張は、裁判員の皆さんにはとても受け入れられるものではないように思います。裁判の今後の展開が興味深いです。

 

2017年1月16日 中日新聞 夕刊
元名大生側が無罪主張 殺人や毒物投与「責任能力ない」

名古屋市で知人女性を殺害し、仙台市で同級生らに劇物の硫酸タリウムを飲ませて殺害しようとしたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた名古屋大の元女子学生(21)=事件当時十六~十九歳=に対する裁判員裁判の初公判が十六日、名古屋地裁(山田耕司裁判長)で開かれた。弁護側は全事件について「重い精神障害の影響で、元学生には責任能力がなかった」として無罪を主張。元学生は「タリウムを混入させた際、被害者が死亡しても構わないと考えた覚えはない」と起訴内容を一部否認し、女性殺害の事実関係については争わない姿勢を示した。

元学生は捜査段階で「人を殺してみたかった」と供述するなど、社会に衝撃を与えた事件を巡り、裁判員らは難しい判断を求められる。公判は計二十一回開かれ、判決は三月二十四日の予定。初公判では裁判所の判断で、元学生を傍聴席から見えないようにする遮蔽(しゃへい)物は設けられなかった。

冒頭陳述で検察側は「元学生には発達障害があったが、犯行への影響は限定的で、完全責任能力があった」と主張。タリウム事件については「死んでも構わないと認識しており、殺意はあった」と述べた。さらに「中学生のころに神戸市の連続児童殺傷事件(一九九七年)を知って強い興味を抱き、その後、猟奇的事件を調べるようになった」と指摘した。

一方、弁護側は、元学生は発達障害に加え、そううつ病だったとして「善悪の判断ができず、行動をコントロールできなかった」と主張した。元学生を起訴したのは違法だとして、公訴棄却も求めた。

起訴状によると、元学生は二〇一四年十二月、名古屋市昭和区の自宅アパートで、知人の森外茂子(ともこ)さん=当時(77)=を手おので殴り、マフラーで首を絞めて殺害。仙台市内の私立高校に通っていた一二年五~七月には同級生ら二人に硫酸タリウムを飲ませて殺害しようとしたなどとされる。

一連の事件を巡っては、名古屋地検が元学生の精神鑑定を実施し「責任能力に問題はない」として家裁送致。一方、名古屋家裁が依頼した鑑定医は、精神障害の影響を指摘して責任能力を否定し、鑑定結果は分かれた。これらを踏まえ、同家裁は「各犯行時の責任能力には問題はなく、刑事処分が相当」と判断して検察官送致(逆送)し、地検は一五年十月に起訴した。

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