世界68位の大富豪で大地主の英ウェストミンスター公爵が死去したとの
ニュースがありました。

このニュースを見るまでは、ウェストミンスター公爵なる御仁について
は全く知りませんでしたが、戦後日本では全く存在しなくなった貴族が、
民主主義発祥の国、イギリスでいまだに残っていることは興味深いこと
ですね。

そこで、今日はイギリスの貴族制度と明治以降の日本の貴族制度に
ついて少し調べてみます。

英ウェストミンスター公爵が死去 世界68位の大富豪で大地主
BBC News 8月10日(水)英国有数の大地主で世界的な大富豪といわれる第6代ウェストミンスター公爵、ジェラルド・キャベンディッシュ・グローブナー氏が9日、西北部ランカシャーの病院で亡くなった。64歳だった。広報担当によると、領地で急に体調が悪化したという。長男のヒュー・グローブナー氏(25)が第7代公爵となった。姉妹が3人いるヒュー・グローブナー氏は、ウィリアム英王子の長男ジョージ王子の後見人のひとり。米フォーブス誌によると、グローブナー家の資産は108億ドル(約1兆1000億円)。世界68位で英国3位の富豪ということになる。バッキンガム宮殿に近いロンドン有数の高級住宅地ベルグレイビア地区に190エーカーを所有するほか、英国各地に地所を持つ。・・・(中略)グローブナー家の資産の大半は、先祖サー・トマス・グローブナーが1677年に、資産家の娘メアリー・デイビスと結婚したことに由来する。オックスフォード国民伝記辞典(DNB)によると、結婚を通じて「グローブナー家の資産の基礎となるロンドンの地所」を得たという。この時の土地がやがて、現代ロンドンのベルグレイビアやメイフェア地区といった高級住宅地となった。

亡くなった公爵は名門ハロウ校出身。オーストラリアやカナダの牧場で働いた後、地所管理の見習いとなった。
・・・・・(以下略)(英語記事 Duke of Westminster, Gerald Cavendish Grosvenor, dies aged 64)BBC News

大富豪ウェストミンスター公爵の資産の基礎は340年ほど前の先祖が資産家の
娘メアリー・デイビスと結婚したことによるのだそうです。
きっとその娘さんが親から莫大な資産を相続したのでしょうね。
まさに「逆玉」ですよね。

今日のなるほど

質問1 ウェストミンスター公爵の「公爵」は世襲貴族の爵位としては何番目に高いのか?

(答え)一番上の位です。

基本的に貴族には5等級があり、それぞれ公爵(Duke)、侯爵(Marquess)、
伯爵(Earl)、子爵(Viscount)、男爵(Baron)となっています。

さらに、イギリスは連合王国ですので、イングランド貴族、スコットランド貴族、
グレートブリテン貴族、アイルランド貴族、連合王国貴族の別があります。

参考(ウィキペディアの世襲貴族

質問2 日本には今でも貴族制度がある。なぜなら、天皇家以外に秩父宮、高松宮、秋篠宮、三笠宮、高円宮など、ニュースに名前がよく出てくるよ。

(答え)ブブー。間違いです。戦後日本には貴族制度も華族制度もありません。
お名前の通り、すべて宮家ですので天皇家の御一族(皇族)です。
したがって貴族ではありません。

ちなみに、秩父宮家は 1995年断絶、高松宮家は 2004年断絶となっており、
現在も存続する宮家としては、秋篠宮家、常陸宮家、三笠宮家、高円宮家等があります。

質問3 では日本の貴族制度や明治以降の華族制度はどうなっていたのでしょうか。

(答え)詳しく見ていくと少なくとも高校日本史くらいは勉強しなおす必要が
あるので、要点だけまとめます。

(1) 鎌倉幕府が成立して、武家の力が増してくると、相対的に
京都の公家の力は落ちてきました。
江戸時代になると、江戸幕府は、貴族階層に対して「禁中並公家諸法度」を制定し、
公家社会は法律的にも実権的にも幕府の統制を受けるようになりました。

多くの貴族(公家)は貧乏生活で、公家の最高位である摂関家の近衛家で
あっても3,000石程度の石高で、中流・下流以下の貴族に至っては数十石
程度の石高しか与えられていなかったのです。
これでは下級武士よりはましですが、京の町で公家の
家格を維持するのはさぞかし大変だったことでしょう。
まさか、お公家様が笠張をするわけにもいかなかったでしょうから。

(2) さて、明治維新を迎えて、明治新政府は新たな貴族階級として華族制度を
創設しました。
華族は、元皇族、公家、大名、明治維新時の勲功者から構成されており、
身分上・財産上の特権が与えられました。
明治22年に大日本帝国憲法が制定されると、貴族院議員となる特権も与え
られました。

爵位としては、明治17年、華族となった家の当主は
「公爵」・「侯爵」・「伯爵」・「子爵」・「男爵」の五階の
爵位を与えられることになりました。
名称はイギリスの爵位と同じですが、実態はどうだったんでしょうか。

日本でも、「公爵」が一番、位が高かったんですね。

(3) そして、戦後を迎え、昭和22年、法の下の平等を定める日本国憲法のもと、
ついに華族制度は廃止され、日本における貴族身分は終わりをつげました。
ただし、例外として、皇族だけは保全され、現在まで存続していることは
私たちの知っている通りです。(参考文献:ウィキペディア「華族」)

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