トランプ大統領が大統領令に、次々と署名して、アメリカ国内のみならず、世界中におおきな波紋を広げています。

今回は、不法移民に対して寛容な「聖域都市」に対して、連邦交付金を削減するとの大統領令に署名したことを受けて、サンフランシスコが提訴しました。

日本では、トランプ氏は大統領になれば、選挙中に公約していたことをそのまま、実行したりはしないはずという楽観論がメインでした。

これは、日本人独特の文化から来る発想だと思います。「和を以て尊しとなす」とか「出る釘は打たれる」とか、周りと強調しない人は「村八分」にするとかというような考えです。

でもトランプ大統領は、国民の半分から支持されており、大統領令は選挙で公約したことを忠実に実行に移しているだけです。トランプ支持者から見れば、有言実行の人で、大変信頼できる人ということになります。その根本思想は「アメリカファースト」です。

政治家や行政官の人たちには、あまり楽観した見方はせずに、「日本ファースト」を根本に頑張ってほしいですね。

 

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サンフランシスコ市がトランプ氏提訴、大統領令「違憲で非米国的」
ロイター 2/1(水) 4:57配信

[ボストン/サンフランシスコ 31日 ロイター] – トランプ大統領が不法移民に寛容な「サンクチュアリ・シティー(聖域都市)」への連邦交付金の削減をめぐる大統領令に署名したことを受け、 こうした聖域都市の1つとして知られるサンフランシスコ市は31日、米国憲法修正第10条に違反するとして訴訟を起こした。

トランプ氏は同大統領令に25日に署名。こうした提訴はサンフランシスコ市が初めてとなる。

サンフランシスコ市弁護士のデニス・ヘレラ氏は「大統領令は憲法違反であるだけでなく、非アメリカ的だ」と語った。

米国ではサンフランシスコのほか、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、フィラデルフィア、ボストン、デンバー、ワシントン、シアトルなどが不法移民に寛容な「聖域都市」として知られている。

こうしたなか、マサチューセッツ州とニューヨーク州はこの日、イスラム圏7カ国の出身者らの一時入国禁止を命じた大統領令は違憲だとして大統領側を提訴した。前日にはワシントン州も同様の方針を示している。

 

提訴の理由は、「米国憲法修正第10条」に違反するということです。

ここで、「米国憲法修正第10条」とは、
どんなものか簡単に書いてみます。(参考:Wikipedia)

米国憲法は、原条項(全文、第1条~第9条、署名)と修正条項(修正第1条~修正第27条)で構成されています。

今回の「米国憲法修正第10条」は以下のような短い条文です。

修正第10条(出典:Wikipedia)
本憲法によって合衆国に委任されず、また州に対して禁止されなかった権限は、それぞれの州又は人民に留保される。

 

「連邦交付金の削減をめぐる大統領令」がこれに違反しているとの主張ですので、連邦交付金削減にかかる事項は、合衆国に委任されていないということでしょう。

さて、「修正条項」は、「権利章典」と呼ばれており、主に憲法中の人権保障規定のことを指しています。特に、憲法修正第1条から修正第10条までは、市民の基本的人権を保証する内容を規定しています。
どうして、この権利の章典(修正条項)があるのかというと、最初にアメリカ合衆国憲法が制定されたときには、市民の基本的権利とその法的保護規定が憲法から欠落していたので、そのため、後から追加されたそうです。

内容的には、宗教、言論、出版、集会の自由(第1修正)、武装の権利(第2修正)や不当な捜索や逮捕の禁止(第4修正)、正当な法の手続なしに生命、自由、財産を奪われないこと(第5修正)、陪審による裁判の権利(第6~第7修正)、残酷で異常な刑罰の禁止(第8修正)などから成っています。

ところで、大統領令は法律的にはどのような位置づけなんでしょうか。

漢字で「大統領令」と書けば、漢字の示す通り大統領の命令です。

でも、法律って三権分立の立場から本来、議会(立法府)が決めることですよね。

そこで、大統領令とは何か、調べてみます。

基本的には、大統領令は、大統領制国家において、議会が法律として定めることが困難な事項について、大統領が定めるものです。法案を議会で承認する手続きを飛び越えて発することができるので、機動的に行政権を発動できるということでしょう。

〈出典:Wikipedia〉

大統領令 (アメリカ合衆国) 

大統領令1号『奴隷解放令』


南北戦争の最中の1864年にフィラデルフィアで北軍の戦費調達のために印刷・発売された「リーランド=ボーカー決定版『奴隷解放令』」。エイブラハム・リンカーン大統領自らの署名が入ったものは今日48枚が現存する。ペンシルベニア州立大学特別コレクション ライブラリ収蔵

リンカーン大統領が、発令した『奴隷解放令』にリンカーンの署名が読み取れて、興味深いです。
また、日系移民がひどい目にあった(日系人の強制収用)差別政策も、大統領令だったんですね。

〈出典:Wikipedia〉

大統領令は、アメリカ合衆国大統領が、連邦政府や軍に対して、議会の承認を得ることなく、行政権を直接行使することにより発令されるアメリカ合衆国の行政命令。

大統領命令、大統領行政命令、執行命令ともいう。

君主国や立憲君主国における勅令に相当し、法律と同等の効力を持つが、アメリカの大統領令の場合、権限の制限範囲はアメリカ合衆国憲法で明確に規定されているわけではない。

アメリカ合衆国大統領は、1789年以降、行政官による任務遂行の命令に助言するために大統領令を発してきた。大統領令は連邦議会の制定する法律に従い、その法律による大統領への委任を受けて発することもあり、その場合法的強制力が付与される。

1907年から大統領令に番号が振られ始め、エイブラハム・リンカーン大統領が1862年に発令した『奴隷解放令』まで遡って番号を振った。日本で有名なものに1942年2月19日付けのフランクリン・ルーズベルト大統領による『大統領令9066号』がある。これは軍が国防上の必要があると認めた場合には強制的に立ち退きさせることを認めたもので、これが大規模な日系人の強制収用の根拠となった。

なお、大統領令の権限は無制限ではなく、連邦最高裁判所が違憲判断を出したり、連邦議会が反対する法律を作ったりすることによって、それに対抗することができる。大統領令が連邦最高裁判所に違憲とされたことは過去に2回ある(1つはハリー・S・トルーマン大統領が朝鮮戦争時にストライキしていたオハイオ州の製鉄工場を強制接収した大統領令10340号)。

ホワイトハウスでは、毎年、感謝祭の前日に料理のために用意された七面鳥を放免する儀式(恩赦式)が行われる。2014年、バラク・オバマ大統領は、この恩赦を下す命令を大統領令として表現している。

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