本当なら嬉しい脳の話。海馬では高齢でも新しい脳細胞が生成する。

神経細胞は、決して細胞分裂はしないということを高校生のときに勉強した覚えがありま

す。

ですので、事故等で脊髄(神経細胞の集合)を損傷した場合は、神経細胞は細胞分裂をし

ないので、損傷した(死滅した)神経細胞に代わる新しい神経細胞を作ることができな

い。

よって、損傷部位より下には神経伝達を行うことができないので、下半身不随になる

ということでした。

そこで神経細胞が再生されるようになれば、事故で半身不随になった人も、視神経を損傷

して視覚障害になっている人も、損傷した神経細胞に代わる神経を生成させて、再び歩け

たり、目が見えるようになるのになあと考えたものです。

そんな夢のような話が現実になるかもしれないというのが、京大の山中教授のIP細胞研究

だったと思います。

さて、今回のニュースは高齢になっても、脳神経が生成されるという話なので、高齢者に

とっては非常に喜ばしい話。

脳神経が新しく生成されれば、老人性認知症にならなくて済みますよね。

下記のニュースタイトルを見たとき、こんなことをまず思いました。

下記ニュースは、米国ニューヨーク・コロンビア大学の研究チームが、死亡直後の海馬

を調べたところ、「若い人と同様に、高齢の人にも多数の新しい海馬神経細胞を前駆細胞

から生成する能力があることが分かった」というもの。

79歳でも新しい脳細胞は生まれる、米研究
4/6(金) 16:58配信 AFP=時事

人間の脳では、79歳になっても新しい細胞が生成されている可能性があるとする研究結果を5日、米研究チームが発表した。先月にはこれと相反する別の研究結果が示されており、人間の知的能力は伸び続けるのか、成長が止まるとしたらそれはいつなのかをめぐって科学界に新たな議論が巻き起こっている。

焦点となっているのは、人間の脳内で学習や記憶をつかさどる「海馬」という部位。先月、英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された論文では、13歳以上の海馬では新たな神経細胞が生成された証拠が発見できなかったとの研究結果が示されていた。

今回、米ニューヨーク・コロンビア大学(Columbia University)の研究チームが米科学誌セル・ステムセル(Cell Stem Cell)に発表した研究結果は、これと真っ向から対立するものだ。高齢化が進む世界の中で、認知症を回避するカギを求める科学者たちから注目が集まっている。

コロンビア大チームは、急死した14歳~79歳の28人の脳の検死解剖サンプルについて、「死亡直後に海馬全体で新たに作られた脳神経細胞と血管の状態」を調べた。

論文の主要執筆者であるマウラ・ボルドリーニ(Maura Boldrini)准教授(神経生物学)によると、「若い人と同様に、高齢の人にも多数の新しい海馬神経細胞を前駆細胞から生成する能力があることが分かった」という。また、「年齢に関係なく海馬の量は等しいことも発見した」としている。

この結果は、高齢者の多くが認知能力や感情能力をこれまで考えられてきたよりも長く保持することができる可能性を示している。ただ、ボルドリーニ氏は高齢者の脳では血管が老化しているため、新しい脳神経細胞同士の連携がうまくいかない可能性があると注意を促している。

脳神経は生成する可能性を持っているが、脳神経に栄養を送る毛細血管は歳を取るにつれ

て老化していくので、新しい脳神経細胞同士の連携がうまくいかない可能性があるとも書

かれています。

結局、高齢者の脳は脳細胞がどんどん死滅していき、加齢とともに衰えていくのか、それ

とも新しい脳細胞が生成され長持ちしていくのかどっちなんでしょうか。

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海馬とは

「海馬」は脳のどの位置にあるの?

その働き・機能は?

専門的で難しい内容ですが、私には以下のサイトが分かりやすかったので、引用します。

〈引用:Akira Magazine

大脳辺縁系の機能・概略大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)は、人間の脳で情動の表出、食欲、性欲、睡眠欲、意欲、などの本能、
喜怒哀楽、情緒、神秘的な感覚、睡眠や夢などをつかさどっており、そして記憶や自律神経活動に関与しています。
  (詳細は、表の下線の部位をクリック)


大脳辺縁系のおはなし大脳辺縁系のおはなし


大脳辺縁系 の 主な役割 ( 機能 )

皮質/辺縁系・部位名  役割  役割
皮質 前帯状皮質 血圧、心拍数、報酬予測、意思決定、共感、情動
といった認知機能に関与。
本能や
自律神経、
記憶を司る。(感覚的思考)
大脳辺縁系 帯状回 呼吸器の調節、意思決定、共感、感情による
記憶に関与。
扁桃体 恐怖感、不安、悲しみ、喜び、直観力、痛み、記憶、
価値判断、情動の処理、交感神経に関与。
海馬 目、耳、鼻からの短期的記憶や情報の制御。
恐怖・攻撃・性行動・快楽反応にも関与。
海馬傍回 自然や都市風景など場所の画像のような
地理的な風景の記憶や顔の認識に関与。
側坐核   快感を司っています。(GABAの産生が最も主要)

海馬を鍛えることはできるのか

海馬は『目、耳、鼻からの短期的記憶や情報の制御』を行っている脳の部位ということで

すが、海馬を鍛えて暗記力を増強することはできるのでしょうか。

まず、人の脳には1000億個の細胞があるそうです。

一体、「誰が数えたんだー?」ということや、「その方法はどうやって?」という疑問は

あるけど、自然科学の様々なデータを一々自分で検証はできませんので、まあ、1,000億

個ということにしておきましょう。

さて、その脳の中の一部、「海馬」を鍛えて暗記力アップ!

①上述したように、これまで「おとなの脳では、新たな神経細胞は決して生まれない」と

いうことになっていましたよね。皆さんもこのように学校で勉強したことと思います。

でも、「この学説は誰が唱えたの?」なんてことは、高校のときは考えませんでしたが、

今になって調べてみると、この考えの提唱者は、近代脳科学の基礎を作った「ラモン・カ

ハール(1852-1934・1906年にノーベル医学・生理学賞を受賞)」という人です。

カハールは人間の脳を詳細に調べた結果、細胞が常に生まれ続けている他の臓器と違い、

脳では生まれたばかりの未発達な神経細胞がまったく見当たらないことからこのように考

えてそれを発表し、現在まで定説となってきたようです。

私達は実生活でも、神経細胞を損傷すると、新たに再生されないということを経験します

ので、「新たな神経細胞は決して生まれない」というフレーズは定着しやすかったのかも

しれません。

歯状回では新しい細胞が生まれている

ところが海馬の入り口にあたる歯状回という部分では新しい細胞が生まれているのです。

そして、この新しい神経細胞は、人間の感覚器官から伝わってくる「細かな違い」を見分

けて、これを記憶する役割をしているのではないかと考えられているのです。(現時点で

は仮説)

つまり、この歯状回を介して海馬内に神経細胞のルートが生まれ、それが新しい記憶その

ものとなっていくと考えられているのです。

歯状回で神経細胞が新しく生まれ続けているからこそ、私達は、日々のさまざまな経験を

こと細かに記憶していけてるというのです。

では海馬を鍛えるにはどうすればいいの?

MRIを使って調べると、歯状回は、「視覚」だけではなく、「聴覚」・「嗅覚」・「触

覚」・「味覚」など、五感すべてに鋭敏に反応をしているのです。

このことから、海馬を鍛えるには、「運動をすること」と「多くの刺激ある環境」を作り

出すことが大切なんですね。

具体的に何をするの

〈テレビゲーム〉

UCI(カリフォルニア大学アーバイン校)のクレイグ・スターク教授によると、「多くの

刺激ある環境」を作り出すために、なんと『テレビゲーム』がいいのだそうです。

子供のテレビゲームのやり過ぎは、親にとっては心配なことですが、こんなメリットも考

えられるんですね。

もっとも、やり過ぎは弊害の方が大きいけど。「ネトゲ廃人」になったら大変です。

〈ネットゲーム・テレビゲーム以外に何をするの〉

運動をすること

各人が自分の興味に合わせて運動をしましょう。

すでに何かをやっている人はそれを続けてください。

球技でも武道でもジョギングでもウォーキングでも何でもいいです。

大切なことは毎日、そして継続させることですよ。

クイズにトライすること

クイズって、わざわざ書籍を買わなくても、新聞や雑誌や自宅に送付されてくる各種の機

関紙に結構あります。それをやればOKです。

もちろん、クイズ本を買えば退屈しません。

普段の生活で暗算をすること…電卓はなるべく使わないようにしてね。

みなさん、暗算をすると随分、頭が疲れるのを経験しているはず。

このように暗算って、脳を随分使うんですよね。

家計簿をつけるときにはぜひ暗算をしましょう。

慣れてくれば、サクサクと楽に暗算できるようになります。

新聞を早く読むこと。(速読へのチャレンジ)

新聞のような情報を読み取る際は、なるべく短時間に理解したほうが良いですよね。

ですので、速読にチャレンジしてみてください。

速読の仕方はここでは触れませんが、要点だけ、記しますね。

○「声出し読み」をしないこと。

新聞を読んでいるとき、実際に発声する人はいませんが、頭の中では文章を一々読んでい

ますよね。

これをやらずに視覚で捉えた情報をそのまま、大脳皮質まで送り届けるのです。

たとえば、「桜が満開」という文章を見たとき、普通は頭の中で、「さくらがまんかい」

と黙読しています。

その黙読をせずに、「桜が満開」という文字を見た瞬間に意味はわかりますから、その次

のフレーズに目を移していくのです。

とまあ、私レベルではこんなことをやっていますが、できれば専門家の速読用の書籍を読

んでくださいね。

こうした「速読み」で読んでいると、やっぱり頭は疲れますので、脳を活性化させている

はずです。

ただ、個人的には小説をこうした読み方で読むと面白くないですね。なんか、余韻がなく

て。

ですので、勉強したり、新聞など情報を仕入れたりするときに、なるべく早く読むように

努力しています。

速読では、視野を広げる必要もあり、「視覚」がとても重要ですので、海馬に多くの刺激

を与えているはずです。

以上、海馬を鍛えて、暗記力を増強しましょう。

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