初心者にもわかる裁量労働制。勤め人の生活は良くなるの悪くなるの?

国会で、裁量労働制について審議している際、安倍総理が裁量労働制の方が一般の労働者

の労働時間より短いのでメリットが大きいと、間違ったデータを根拠に答弁していまし

た。

その後、この厚生労働省のデータは、他にも色々といい加減なところが多いと指摘されお

り、野党は裁量労働制を推進するために意図的に事実とは違うデータを持ち出したのでは

ないかと政府を追求しています。

普通の勤め人である庶民が、裁量労働制になったら、生活は良くなるんでしょうか、悪く

なるんでしょうか。

さらに、どんな会社が裁量労働制を採用することができるのでしょうか。

自分の生活が心配になって、少し調べてみることにしました。

これまでの国会答弁やニュースを見ていると、裁量労働制になったら普通の勤め人はいく

ら残業してもそれに見合う報酬が得られないようなシステムだという印象を持っているの

ですが、はたしてどうなんでしょうか。

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裁量労働制とは

裁量労働制とは、労働時間を実労働時間ではなく一定の時間とみなす制度のことで

す。

「労働時間を実労働時間ではなく一定の時間とみなす」というあたりが、問題点のように

思います。

一定時間を8時間とみなしたとしましょう。

仕事は丁寧にやろうとすれば、どんな職種でも時間を必要とします。

成果をあげようとすれば、1日8時間で済むわけがなく、みなし労働時間より長時間の労

働になることは明らかだと思うんですけど。

実働時間が、毎日、みなし労働時間より短くなる人なんて、いるわけ無いですよね。

もし、そうなら、会社側が「みなし労働時間」をもっと短くするに決まってます。

どんな業種・職種で裁量労働制が採用されているのか

これは、厚生労働省労働基準局監督課のHPに掲載されています。

「専門業務型裁量労働制」は、19の業務に限り、事業場の過半数労働組合あるいは過半

数代表者との労使協定を締結することによって、導入することができるとしています。

例えば(1)『新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する

研究の業務』と、(2)『情報処理システム(電子計算機を使用して行う情報処理を目的

として複数の要素が組み合わされた体系であつてプログラムの設計の基本となるものをい

う。)の分析又は設計の業務』をみると、なるほど、出退勤時間の制限が無くてもやって

いける職種です。

ソフトウェアなどプログラムの開発は気に入りのカフェのテーブルでも可能な部分がある

でしょうから、出退勤時間の制限がなくなれば気楽になる部分があるでしょう。

でも、働く者にとって、一番重要なのは実労働時間でしょう。

朝、定時に出勤しなくてもよいので気が楽かもしれませんが、そのことで労働時間が短く

なるわけではありません。常に成果を求められ、他社との競合、同僚との競争がある中

で、労働時間は長くなることがあっても、短くなることは決してないと思うのですが。

結局は朝、子供を保育園に迎えに行くことはできても、その後会社で長時間残業、または

家に仕事を持ち帰っての長時間残業となるのではないでしょうか。

でも、そうして長時間働いても、裁量労働制は、一定時間の労働としかみなされないの

で、時間外手当は一切支払われません。…とまあ、こういう状況になるんですよね。

では、裁量労働制を導入するための手続きはどうなっているのでしょうか。

裁量労働制導入の手続き

労使協定により定めることになっています。

詳細は、厚生労働省労働基準局監督課のHPに掲載されています。

裁量労働制の特徴をまとめると、以下のようになります。

裁量労働制の特徴

①出退勤時間の制限が無くなる。

②実労働時間に応じた残業代は支払われない。

③裁量労働制は特定の業種、設計者や技術者など法律が認めた業種に限られます。

現在、政府はこの適用業種を拡大しようとしているのです。(働き方改革関連法案)

裁量労働制のメリット

裁量労働制の目指すところ(建前)は、労働者が効率的に働くことで、経営者側に正当な

評価をされようということです。

でも、これって、経営者側から言えば、社員を限りなく効率的に働かせておいて、支払う

給料は一定でよいというオイシイ制度なんですよね。

①業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を労働者が大幅に自分の裁量で、決

定できる。

②上記の結果、出退勤時間の制限がなくなり、自分のライフスタイルに合わせて自由に出

退勤できる。

たとえば、保育所の送迎を考えると、私は共働きでしたので、随分苦労しました。

でも、裁量労働制であれば、朝、子供を保育所に送り届けてから出勤することができます

し、夕方なら5時前後に迎えに行くことも可能になります。

労働者にとっての裁量労働制のデメリット

メリットの裏返しが、デメリットそのものだと思います。

①裁量労働制が適用された結果、長時間残業したにも関わらず、残業代が支払われない。

最初っから、このことを念頭においた会社すなわちブラック企業が跋扈することになりま

す。

デメリットはこの一点に尽きると思うのですが、そこから派生して

②社員は結局、長時間労働を強いられる。

成果を出さないと、昇進もしないし給料も増えないから、とりあえずできることは時間を

かけて仕事にチャレンジすることしかない。

③会社側は社員の福利厚生を考えなくてもよいようになり、これまで以上に、健康を損な

う社員が出てくる。

長時間労働の結果、「うつ病」となり自殺する社員が出ても、会社は「うちは裁量労働制

ですから、会社を出た後のことは、本人の責任であり会社のあずかり知らぬこと」みたい

な主張するようなことになるのではないでしょうか。

政府は裁量労働制の拡大を推進

こうして、見てくると、裁量労働制はとてつもなく、労働者の首を締め付けてくるような

制度に思えるのですが、なぜか安倍政権はこの制度を拡大しようとしています。

「働き方改革関連法案」で、裁量労働制の適用範囲を一部の営業職にまで拡大しようとし

ているのです。

営業職の一部がどんなものかは、後日の勉強にしたいと思いますが、「営業職」にこんな

制度を導入されたら、ひどいことになると思いますね。

契約を取り付けるためには、相手の都合に合わせて営業活動をしなければならないし、契

約成立までには時間がどうしてもかかります。

初めての営業で、相手の会社が「OK」なんていうことはありえないですよね。

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