スポーツ障害のイップスという症状は精神的緊張が原因か?

イップス(yips) というスポーツ障害をご存知ですか。

精神的な原因でスポーツなどの動作に支障をきたし、突然自分の思い通りの動きができなく

る症状のことです。

最初は、ゴルフの分野で用いられた言葉ですが、現在ではスポーツ全般で使われるようにな

っているそうです。

でも、私は50年以上も精神・心が大切という武道・剣道を続けてきましたが、イップスと

いう症状は知りませんでした。

テニス肘とかアキレス腱断裂とか半月板損傷はよく聞くし、不運にもそうした怪我をした仲

間はいましたが、イップスという障害は聞いたことがありませんでした。

さて、イップスという言葉は、1930年前後に活躍したプロゴルファーのトミー・アーマー

が、この症状によってトーナメントからの引退を余儀なくされたことで知られるようになっ

たそうです。(Wikipediaより)

私はゴルフはしませんが、テレビのゴルフ番組はよく見ます。1打、2打差で優勝を争って

いる場合、このパッティングが入れば優勝というときの選手の緊張感や精神的ストレスは

よく理解できます。

プロの場合、その1打で数千万円、1億、2億円という賞金を獲得したり、優勝という名誉

が手に入るのですから、無理もありません。

優勝するのとしないのでは、その後のコマーシャル収入も随分と違うことでしょう。

ところで、このイップスという症状には精神的緊張が影響していることはわかっていますが、

その詳しいメカニズムはまだわかっていないそうです。

しかし、誰しもその体験上、極度の緊張にさらされると、人間の運動神経はその緊張によって

影響を受けるということはわかっています。

対人競技の武道の場合は、全身運動によるスピードが要求されますので、意を決すれば、

後は決死の覚悟で打って出るというだけですので、緊張で腕が震えるということはまず

ないと思います。

(ただし、真剣で切り合うときの心境はわかりません。いったん刀を抜いたあと、震える人

もあったかもしれません。)

ところで、自分がどこで打って出るかには、心の動きや精神的安定が随分、影響します。

相手に攻められても慌てないように、「不動心」という精神的な安定を武道では重んじます。

その点、体の一部分だけを使う競技では、心の安定が乱されると、その感情による運動神経系

の乱れがその一部分にだけ大きな影響を与えます。

たとえば、滑り落ちたら確実に死ぬという高い岩場を命綱もつけずに、登ったら人間はどう

なるでしょうか。普通の人は自分の意思とは関係なく、足がガクガクと震えてくるでしょう。

ゴルフ選手が1億円もかかっているようなパッティングに臨んだ時、動かすのは腕から先だ

け。腕が振るえないまでも、手首の動き、指の動き、力の入れ具合に影響を受けて、思わぬ

パッティングになってしまうことがあっても不思議ではありません。

ところで、イップスを経験した選手の中で、イップス症状が長く続く人があります。

それは私の察するところ、緊張した時の失敗体験が、条件反射に近いような状態になってし

まっているのではないでしょうか。

大きな賞金をかけた大一番で、イップス症状が出てしまい、大失敗してそれが強く脳の記憶

に焼き付きます。

すると同じような状況になった時、その精神的な緊張が前と同じような影響を運動神経に

与え、それが腕の動きになり、同じ失敗になってしまうのです。

つまり、失敗したときの強い感情が記憶に残ってしまい、緊張すると前と同じ失敗をしてし

まう。それを繰り返せば繰り返すほど、自分に自信がなくなり、もう競技するどころではな

くなってしまうのです。

私は健康でバリバリ働いていた人が、うつ症状になってしまい、以前とと同じパフォーマン

スを発揮できなくなってしまうのと似ているのではないかと思います。

いったん、うつ病を発症すると回復までには長い月日を必要としますので、イップス症状が

ひどくなると、復帰に長い時間がかかってしまうのでしょう。

剣道・武道でも、緊張しやすい人は、平常心・不動心を維持できず、大事な試合で普段通り

の成果を出せない場合があります。

私はこの状況を剣道・武道におけるイップスではないかと考えています。

イップスを克服するには、不要な精神的緊張を排除することが大切で、普段の練習は常に

試合の気持ちで真剣に臨み、大事な本番こそ練習がごとくの心境で闘うのです。

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