女子中高生援助交際「私たちは買われた」と「私たちは体を売った」のどっち?

戦後71年経った現在の日本にも、貧困や虐待の中で生きている子供たちはいます。
あいまいな言い方ですが、大勢いるでしょう。

今現在、虐待下に置かれている子供を把握できれば、学校や行政も対応しやすいですが、「私は子供を虐待しています」などと言う親はいませんので、中々、実態を把握できません。

文科省や厚生労働省が虐待児童数の統計を発表することがありますが、これらは虐待が起きた後の事件から拾った数字ですので、虐待事件を未然に防ぐということにはつながりにくいです。

下に最新(2016年上半期まで)のデータを示します。

これは、警察が扱った事件の中で、「虐待の疑いあり」として児童相談所に通告した子供の数ですので、事件化していない被虐待の子供たちがほかに大勢いることになります。

出典:時事ドットコムニュース

児童虐待件数と通告人数

出典:時事ドットコムニュース

◎虐待児童、最多2.4万人=上半期4割増、半数「面前DV」-警察庁

 今年上半期(1~6月)に全国の警察が虐待の疑いがあるとして児童相談所(児相)に通告した18歳未満の子どもの数が、前年同期比7287人(42%)増の2万4511人に上ったことが15日、警察庁のまとめで分かった。

上半期の統計が残る2011年以降、5年連続で増加し最多を更新。母親らが暴力を振るわれるのを目の当たりにする「面前DV」が6割も増え、全体の半数近くを占めた。警察庁の担当者は児童虐待や配偶者間暴力に対する意識の高まりなどが背景にあるとみている。
通告内容は、暴言を浴びせられるなど「心理的虐待」が最多の1万6669人(50%増)で、うち面前DVが1万1627人に達した。この他、「身体的虐待」が5025人(29%増)、育児放棄などの「ネグレクト(怠慢・拒否)」が2688人(25%増)、「性的虐待」が129人(37%増)だった。
警察に一時保護された子どもも4年連続で増え、最多の1551人(35%増)に達した。
一方、警察が摘発した事件も最多となる512件(36%増)で、殺人や傷害などの身体的虐待が415件、性的虐待が70件など。ネグレクトは11件で、小学校に5カ月近く通わせず、学校教育法違反で摘発されたケースもあった。加害者528人のうち、実父が42%、実母が26%を占めた。

さて、恵まれない子供たちが大勢いることは、このニュース・データからもわかるのですが、毎日放送の下記ニュースのタイトル『女子中高生「私たちは買われた」』にやや引っ掛かりを覚えます。

女子中高生「私たちは買われた」
毎日放送 1/6(金) 19:14配信

虐待や貧困から「JKビジネス」や「売春」に足を踏み入れた女子中高生らが、自らの体験や思いを伝えるメッセージ展が始まりました。

自動販売機に体をくっつけ暖を取る15歳の少女。真冬の夜、親の暴力から逃れるため家出し、「どうしたの?」と声をかけてきた男の家に連れていかれました。

「誰かに必要とされたかった」

こちらは16歳で売春を経験した少女の手記です。

「家では性的虐待、DV、金銭の要求。全てがストレスで家にいたくなかった。ただ独りが怖くて家が怖くて全てから逃げたかった」

滋賀県大津市のギャラリーで6日から始まった「私たちは『買われた』展」。14歳から26歳までの24人の女性が、自らの体験を写真や日記などで表現しています。

この日記を書いた女性は、売春の代金としてコンビニエンスストアでご飯を買ってもらったといいます。

「寂しくて誰かの温もり欲しくて…。自分に負けた」

彼女たちの多くに共通するのが、虐待や貧困、いじめなどによる孤立です。

「そこに至るまでの経緯があったんだとか、そこに至るまでに子どもを支えるはずの機関、家庭、学校、児童福祉、警察、行政とかの機関で不適切な対応をされた結果、そうせざるを得なかったんだとか、ひとりひとりの大人の責任を考えてほしい」(女性らを支援する「Colabo」 代表・仁藤夢乃さん)

東京と横浜で開催され約4500人が訪れたこの企画展は、10日(火)まで開かれています。(事前申し込みが必要)

「私たちは買われた」という表現から、「体を売った女子中高生に責任はない」というニュアンスが強調されすぎているように私は感じるのです。

ニュースにあるような「JKビジネス」や「売春」に足を踏み入れている女子中高生の背後には、同じように過酷な環境に生きているけれど、売春に手を染めていない子供たちがもっと多くいるはずです。

世の中がどれだけ進歩しても、貧困は必ず存在します。有史以来、今日までその現実は受け入れざるを得ません。

戦前の貧しい農村で、貧困のために親が泣く泣く娘を「人買い」に売ったという事実は、2.26事件を起こした青年将校の動機にもなったと言われています。こうした事情の元なら、「私は売られた、私は買われた」という表現が成り立つと思いますが、現在の日本は戦前の貧困に比べると格段に豊かになり、社会保障の網の目も広く細かくなっています。

大人の側に大きな責任があることは間違いないのですが、「買われた」女子中高生も自らの生き方に責任を持つべきなのです。「自らの体を買われる」以外の選択肢を考えなければならないのです。

女子中高生が「体を買われる」前に、学校や福祉行政は子供の置かれている家庭環境を正確に把握して、こうした事件を未然に防いでいきたいです。

そうした意味で、学校は大きな力を発揮すべきなのですが、先生方も子供と接する時間以外に多くの時間を割かれているので、厳しいですね。

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